この素晴らしい世界にキル姫を!   作:戦無

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次の日

「おぉ、来ていたのか。いらっしゃい」

その店には本来いるはずのない奴が奥からやって来た。

 

「なんでここで働いているんだ…?」

「なんでって、貴様聴いていただろうが。ここで捕虜になったのだ」

「…捕虜ってこんなに自由に働けるのか…?てかウィズはなんでこんな奴を雇ったし…」

頭を抱えるマスター。その姿には、あの時の恐ろしさは何一つとして感じられることは無かった。

 

「む?その頭は…デュラハンとお見受けした。」

薬品を探る手を止め、つかつかと近づいてくるのはその他数名の一人であるマサムネ

「おお、あの時のサムライ女か。貴様の太刀筋、見事だったぞ?我が従者

にしてやりたいくらいだ。」

するとマサムネの目が獲物を狙う鷹の如く鋭く光った。

「ほぉ…私を狙うつもりか?私は一度みた技を二度も喰らうほど愚かでは無いぞ?」

「フハハッ!いい威勢だ!しかし私はウィズに魔力を封印された身だ、捕虜としてな。それに私は死してはいるが騎士であり、紳士でもある。こんな場所では戦えんさ」

ウィズはどうやらデュラハンの力を封印しておいてくれたらしい。憎たらしい言い方は健在だが、そこには確固たる騎士の姿は…見えないね、うん。

「…オイ首無し、お前紳士名乗るならもうちょっと目線を上げろ、ガン見じゃねぇか。」

デュラハンの目線は実際豊満なマサムネの胸を凝視していた。

「ヒッ!」

マスターの言葉に反応し、咄嗟に彼の陰に隠れるマサムネ。

 

「きっ貴様!騎士と言っておきながら、人の身体を舐め回すように見るなど…!汚らわしい!」

 

マサムネは恥ずかしさと怒りからか、タコのように真っ赤になっていた。

 

「切り捨て御免!」

「わー待って待ってマサムネ!ここで刀は抜かないで!」

「やめてくれ主!こいつは女の敵だ!生かしておけない!」

 

必死に刀を抜かせまいと腕にしがみつくレゾス。しかし剣士の腕は伊達ではなく、ゆっくりと刀に手が伸びていく。

だがその腕の進みは、あと一歩で止まる。

 

「そこまでです。マサムネ、本来の目的を忘れてませんか?」

 

アルテミスだった。

 

「すまんアルテミス、助かった…」

「お礼はいりませんマスター、マサムネを止めてくださり感謝します」

「アルテミス!止めてくれるな!拙者はこいつを…!」

「落ち着いて、周りを良く見なさい。それだけよ」

すると刀に伸びた手はストンと落ちた。

 

「すまないアルテミス、主よ…怒りで周りが見えなくなっていたようだ…」

「早くアイテム探しに戻りますよ…」

カチャカチャと薬品を探る音がまた聞こえ出す。

 

「ところでウィズはどこへ行ったんだ?聞くことがあったんだが…」

「ウィズならある村へ商品を仕入れに行ったぞ?」

「そうかー、なら出直してくるわ。マサムネーアルテミスー、なんか見つかったか?」

マサムネとアルテミスが戻って来た。マサムネはたくさんの薬品を、アルテミスは本を数冊持って。

 

「主、かの世界にあった薬品と同じ物を見つけた。」

「私はこの世界の魔法や呪術に関してです。」

「よし、じゃあ買って帰るか!」

 

 

「まいどありー…と。にしてもあの男、なかなか良い女の子を連れているな!是非ともお友達に(ドスッ)うぉぉ⁈」

矢文がデュラハンの頭に刺さった。

「何だこれは?えっと…なになに?」

(私達のマスターに近づかないでください)

「訂正だ、あの男の従者、おっかねぇ…」

 

「どうしたアルテミス、小型の弓なんかつがえて…」

「いえ、何でもありません」

 

そのあと帰って来たウィズに、落ち武者と言われたのだった。

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