「…大変な事になったな…」
うちのメンツの酒が飲める奴らが全員泥酔状態だった。無事なのはティルフィング、ロンギヌス、パラシュの3人のみ。俺も酔ってはいたが正気は保っていた。俺たちは今、泥酔で寝ている奴らを宿まで背負って行っている。ちなみに宿はクリスが1ヶ月くらい奢ってくれた。何から何まで本当に感謝だな。
「んん…ますたーの刀、立派だなぁ…ムニャムニャ」
おい、何言ってんだこいつ。隣でロンギヌスは赤い顔をしていた。
「いや、マサムネが勝手に言ってるだけだぞ⁈」
完全にそっぽを向かれた。
「アルテミスが起きてなくて良かったね、マスター」
パラシュが俺にそう言った。まったくその通りだ。あんなの聞かれてたら俺は今頃民家の壁にカカシとして吊るされていただろう。助かった。
「マスター、宿が見えてきました。」
クリスが赤色の屋根が目立つ大きな家だ、と言っていたのを思い出して、やっと着いたのかと一息ついた。
「いらっしゃい、お兄さん。クリスちゃんからお代は貰ってるよ?」
気前の良さそうなおばさんが家に入った俺たちを迎えてくれた。
「はいこれ、みんなの分の鍵だよ。あんた達の部屋は01から04室だから覚えておいてね?」
「わかった。ありがとう、女将さん。」
「しかしギルド最強が泊まってくれるなんて、もうこの家は運を使い果たしそうだよ!」
「大丈夫だよ。うちのパーティは天使ばかりだ、幸運なんざ沢山くれてやるさ。」
「じゃぁその幸運、これからはあやからせて貰おうかねぇ!あははは!」
そう言って女将さんは奥へと下がっていった。
「よし、こいつら取りあえず寝かせるぞ。」
そうして俺たちは泥酔した奴らを寝かして、俺たちも眠りについた。
ん…あれ?ここは…?
「お、やっと気づいたか?」
アンタは一体…?
「俺か?俺のことはお前がよく知っている。」
どういう事だ…?
「今日はその事を伝えに来たんじゃない。」
なんだよ…?
「お前はそのうち、あの街を守るために戦う事になる。その為にも、お前には強くなって貰うぞ。」
いや、俺のステータスは…
「あれはお前の力じゃない、俺の力だ。」
わからない、何が言いたい?
「とりあえず今はレベル上げに励め、いいな?」
一瞬だけ、銀色に鈍く光る髪と赤く輝く瞳が見えた。その目は俺の目とよく似ているような気がした。
目が覚めた。外では小鳥がさえずっている。朝だった。布団から出て、窓を開けた。
「あれは…あの夢は…あの男は…?」
謎だらけの夢だった。
次回はトード狩りに戻ります。