ジャイアント トードの討伐
二日目 10/20
「今日も私のワンマンショー!蜂の巣にしてあげる!」
俺はフライクーゲルだけを連れてトード狩りにやってきた。他の奴らには別のクエストに行ってもらっている。
「…うーん…」
フライクーゲルは一通り周囲のトードを殲滅してから、俺に話しかけてきた。
「どうしたのマスター?何か悩んでるの?」
「あ…」
言うべきか迷った。夢の中で誰かにそれはお前の力じゃないと言われた、なんて今までの俺ならば絶対に言わなかった。あの世界では夢すらも見る事はかなわなかったから。
だが俺は聞いてもらう事にした。悩みを打ち明ければ、俺の中の疑問は少しでも小さくなると思ったからだ。
「クーゲル、お前って予知夢を信じてるか?」
「…夢?前までのマスターならそんな事言わなかったのにね〜。私は信じてるよぉ、夢。だって楽しいじゃない!魔力を気にせず撃ち続けるなんて!」
…忘れていた。こいつ、トリガーハッピーだった。
「…お前に聞いた俺がバカだったよ…」
「ところで何の夢を見たの?」
「変な夢さ…俺の今の力は俺のものじゃ無い、そう言われたんだ。」
「それって誰かに言われたって事?」
「…俺の力はうんたらって所は気にしないのか?」
「だってマスター、全部私達任せだもん。」
…その通りだ。だってあのカエルに近づきたくないし…
「で、それは誰から言われたの?」
俺はその男について話した。
「銀髪で、目の色がマスターに似ている…?」
「あぁ…」
「気づいたことが一つあるんだけど」
「ん?何だよ?」
「その人ってさ、レーヴァみたいだよねぇ…」
…気づかなかったな、確かにレーヴァテインに似ている。目の色も、銀の髪も。
「レーヴァがなんか知ってる、ということか?」
「さぁ?私にはわかんないよ?でもさ、聴きに行きたいなら、早くクエストおわらせなきゃ!」
「そうだな…。魔力はまだあるか?」
「オールオッケー!」
「んじゃあと3体、倒してクエスト終わらせるぞ!」
「はい、こちらが今回のクエストの報酬です。」
受付のお姉さんから4万エリスほど報酬として受け取った。後で聞いた話によると、どうやらトードも納品すれば金になったらしい。引きずってでも持ってくるべきだったか…。
「おかえり、マスター」
レーヴァテインが俺を迎えに来てくれた。おそらく疲れて先に帰ったフライクーゲルから事情を聞いたのだろう。
ギルドの中では聞かれたく無いので、その場から離れた、木陰のベンチに腰掛けた。
「なぁ、聞きたい事があるんだが…」
「いいよ、知ってる事なら教えたげる」
「…クーゲルから聞いてるだろうから簡潔に言うぞ?俺が見た夢の男を知ってるか?」
レーヴァテインが少し話してくれた。
「私にもはっきりとはわからないの。だけど頭の奥底でその人を知っている、そんな気がする。」
「何かわかる事は無いか?名前とか、正体とか…」
「ゴメン、何も…」
「そうか…」
これであの男を知る方法は俺の夢の中だけ、という事になった。
夢ならば俺が知っている事の可能性が高いし、あんな特徴のある髪と目をしていれば覚えているはずだ。しかしそんな人間には、ここでもあの世界でも出くわした事は無い。
「いったん帰るか?」
「うん」
ベンチから立ち上がり、帰路についた。
その時、街の中でサイレンが鳴り響いた。
やっぱり登場人物は少ない方が楽ですね。