『能登』物語   作:鋼鉄の咆哮

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異形の提督の決断とはいかに。
提督は新しい艦娘との絆作りを始めます。
彼を支えるのは6人(隻)の艦娘のみ。
こんなので荒れた鎮守府を作り直せるのか?
ある提督の奮闘記。



※ためになる御指摘を受けて現在大幅に改稿中です。
削ったり他を足したりするので全く変わる可能性もあります、ご容赦ください。



第一章 亡霊
海域その壱 抜錨!


  数年前から、日本近海にとどまらず世界の海という海に「深海棲艦」が現れ、シーレーンは次々に破られていた。

  そこに、一縷の希望として現れたのが、在りし日の軍艦の魂が憑依した女性、いわゆる「艦娘」であった。

  日本国自衛隊は、艦娘の魂と憑依関係を作りやすい人材を大量に募集、彼らを「艦娘」と名付け速成の教育を行った。それをとりまとめる司令官、すなわち「提督」の教育も行い、彼ら、そして彼女らは全国各地、あるいは外地の泊地、鎮守府に配属されていった。

  教育を受けた彼女らは全国各地の鎮守府に着任し、「深海棲艦」に戦いを挑んだ。

  しかし、「深海棲艦」をいとも簡単に倒してしまう「艦娘」の存在は、日本国の存在にとって毒にも薬にも成りうるものであった。

  日本国の上層部は、彼らの暴発を防ぐためには絆を築かせない事が必要と考え、提督達に最低限の艦娘だけに自分達の提督の専属となる事を許した。

  つまりは、「転勤族」である。

 

  数年単位で提督は各地の鎮守府を渡り歩き、数年が経つとその最低限の艦娘だけを引き連れて鎮守府を離れていった。

  当然、提督達からは不満が噴出した。

  転勤族とはいえ、数年を共に過ごした仲間である。簡単に離れようと思えるわけもなかった。

  ここで今、数少ない専属の艦娘達と晩酌をしている「武生 龍城」≪たけふ りゅうき》もまた、「転勤族」制度に楯突こうとした提督の1人であった。

  彼は抗議の際、自衛隊が昇格した国防軍の元帥を怒りに任せ殴り飛ばして激昂させてしまい、沙汰が降りるまで謹慎処分にされていた。それでも彼が解任されたり厳罰がなかったのはひとえに彼の持つ異様な指揮能力の為、厳罰を下してしまうと大きな損失になるからである。

彼は今のところどの派閥にも入っていない。それはつまり、どのような措置を彼が取られても、応援してくれる提督やその他の軍属はほとんどいないのである。

そして、それを裏付けるかのように大本営から転勤の命令が来てしまったのだ。

行き先は「柱島泊地」

同期や仲間が少ない、いわば「ぼっち」の彼でさえ、その泊地を知っている、有名な基地だ。

 

 

 

────悪い意味で。

 

 

どうやら、よほど荒れているらしい。

その証拠に、今まで新しく赴任した提督の中でも、未だに帰ってこない提督もいるそうだ。

事の次第はこうである。

前に、有能ではあったが人格的に問題のあった提督が人格的問題を隠蔽して柱島に着任。しかし彼は職権濫用の域を遥かに超えた強権で艦娘を抑圧し、挙句の果てに夜の伽までさせたらしい。

発覚しそうになった時も憲兵の買収などでごまかして結局大本営に潜り込んでしまったそうだ。

そしてそれ以来、柱島の艦娘達は心を閉ざしてしまい、柱島が最初の職場になってしまった憐れな新人提督はわずか一月で音を上げてしまったと聞いている。

まぁ、その気持ちはよく分かるのだが────

つまり、発せられた命令は「尻拭いをしろ」ということであった。

だからこうして、自棄酒に近い晩酌をしているのだ。

 

 

「やってられんなぁ」

「提督は、貴方は正しい事をなさったと思いますよ?」

「それはありがとうよ、『榛名』」

今、数少ない専属の艦娘の中でもっとも速くケッコンした「榛名」と呑んでいるのだ。

もう両方とも少し酔っている。

特に武生は悪酔いしかけていた。

普段なら決して口に出さないような愚痴をこぼしているのはそのせいだ。言うべきでないのはよく知っているが、榛名を前にするとつい口が緩む。

「なぁ…向こうで、どうなると思う?」

「さぁ…私にも分かりません。何しろ、人の心の話ですから…どんなに似ていても、完全に同じ心というのは無いものですよ。」

「そうか…それもその通りだな…ふぁ…」

「どうしました?提督…ってあらあら…」

「ん…くぅ…すぅ…」

「ここで寝たら、風邪をひいてしまいますよ…『龍城』」

「んぁ…くぅ…」

「提督、少しだけ起きてください…ほら」

「ん…むにゃ…何だよぉ…」

「ここで寝たら風邪ひいちゃいますよ?」

「ん、そか…はる…にゃ、つれ…てって…くれぇ」

「しょうがない人ですねー、榛名怒っちゃいますよ?」

「それは…んぁ…やだぁ」

「ふふっ…提督は変わりませんねぇ…今回だけですからね?」

「あんがと…榛名…くぁぁ…」

「ほら、掴まってください」

「ん…」

「おやすみなさい、提督」

「んぁぁ…おやすみ、榛名…」

「寝ちゃいました…今日は特別に添い寝してあげましょう」

「今度こそ、おやすみなさい…『龍城』」

榛名は武生の寝顔を見ながら目を閉じた。

 

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

 

 

???「???、見ちゃいました!」

 

 

翌朝、鎮守府の艦娘の大半が購読している「青葉日報」に「提督、榛名さんと添い寝!?禁断の○○や××まで!?」という見出しの記事がでかでかと掲載され、武生は青葉を追いかけまわすことになったのだった。

 




榛名「もう!青葉さん、恥ずかしいから止めてと言ったじゃないですかー!」
青葉「ま、まぁまぁ良いじゃないですかぁ」
武生「……」(そうか…昨日、榛名が添い寝してくれてたのか…道理でよく寝られたわけだ…柔らかいと思ったのもそれが原因か…)
榛名「提督、何か考えてませんか?」
武生「うっ…いや、何も」
青葉(これは更なるスクープの予感!)
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