『能登』物語 作:鋼鉄の咆哮
今回は提督と専属の6人(隻)が転任を発表して準備にかかります。
では、どうぞ。
それからの一週間はあっという間だった。
連日のように艦娘達が武生と専属の6人との別れを惜しみ、執務室にやって来るのだ。
武生と6人も、残る事になる艦娘達との最後の思い出を作ろうと楽しんでいた。
今もまたその一時である。
「へーイ提督ゥー!tea timeするネー!」
ここに残る戦艦勢では最高練度の金剛は、今日も執務室に来ていた。
「龍城との時間は貴重だから大事にするネー!」
「そうかそうか、それはありがたいなぁ」
「寂しくなりますが、頑張ってくださいね、お姉様」
「まっかせるネー!」
「ん、旨いなこの紅茶」
「龍城が皆に渡してた給金を貯めて買ったネ。心を込めて淹れたネー!」
「ホント美味しいなぁ。ありがとうよ。」
こう言って金剛の頭を撫でてやると、金剛は猫のように「ふにゃー」と笑顔で言った後、急に顔を曇らせた。
「どうした金剛」
「テ、テートク、転任しても、遊びに来てクレるネー?」
他の残る艦娘達も一斉に顔を提督に向けた。
武生には痛いほど分かった。彼女らは、自分達と戦った、いわば「戦友」を、忘れたくないのだ。
武生はしばし考える素振りを見せてから言った。
「あぁ、もちろん。ただ…暇があったらな」
「もっちろんネー!絶ッッッ対ぜぇっっったいに忘れちゃno!なのネー!」
また金剛が顔が曇った。
「こんな事は、言っちゃダメなのは分かってるデース。でも、でも、私は、龍城、榛名達も…ホントは、行って欲しく、ウゥッ、無いデスー!!」
とうとう金剛は泣き出してしまった。
榛名は釣られて涙ぐみ、武生も気の利いた声など掛けられるわけもなく、金剛の背中を撫でる事しか出来なかった。
「ウウッ…ゴメンナサイデース。でも、これも、私の本心ネー」
「良いんだ金剛。辛いのは…分かっている。」
「もう大丈夫ネー!テートク、新任地でも頑張ルネー!」
笑って言った金剛の笑顔は、太陽のように眩しかった。
「…さぁ、そろそろ出発ですね。」
「あぁ、そうだな。そろそろ迎えが来るかな?」
「そうですね…っと、提督、出る前に食堂に来てくれませんか?」
「あぁ、分かった榛名」
トイレを済ませ、食堂に着くとーーーーーーーーーーーーーーー
「Heyテートクゥ!頑張って欲しいネー!!」
「せ、せいぜい頑張りなさいよ、クソ提督!」
「こいつらの面倒は、俺がちゃんと…見てっからよ。」
「あらあら…みんな忘れちゃってますね。はい提督、これ残る艦娘全員からの手紙です。車の中ででも見てください。」
「あぁ、ありがとう。それじゃ、行ってくるよ。」
「「「「はい!提督に、勝利を!」」」」
彼女らは、ビシッとした海軍式敬礼と共に、武生の門出を祝うのであった。
なかなか大変ですね(赤疲労)
次話で武生と艦娘6人が新しい任地に着任する予定です。
ご指摘など頂けるととてもありがたいです。