ポケの細道   作:柴猫侍

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第三十三話 人生、酸いも甘いも…

 

 

 

 

 

 ポケモン預かりシステム管理者・マサキ―――本名『ソネザキ・マサキ』。

 

 ジョウト地方のコガネシティ出身であり、ポケモントレーナーであれば多くの機会世話になるであろう『ポケモン預かりシステム』の開発者でもあり、同時に管理者でもある。

 そんな有名人が目の前に居る事にライトとコルニは、茫然とするように口をポカンと開けたまま立ち尽くす。

 対してマサキは、クスリと笑った後にクロケアの方へと視線を向けた。

 

「ほれみ! 普通、わいと話すなったらこんくらいのことにはなんねん。だからお前も、わいに対してちょっとくらい恐縮とか―――」

「自意識過剰じゃね、マジで」

「うっさいわ! まあ、もうええわ……ゴメンな、坊ちゃんと嬢ちゃん。このアホを助けて連れてきてくれてホンマアリガトな。お礼に……そやな、アメちゃんあげたるわ!」

 

 そう言ってマサキはウエストバッグの中をゴソゴソと弄った後に、中から水色の包装紙に包まれている小さな飴を取り出し、二人へ一つずつ渡した。

 

「それは“ふしぎなアメ”言うて、ポケモンのレベルを上げる道具なんや!後で自分の手持ちのポケモンに食べさせてあげるとええわ!」

「へぇ~……ありがとうございます、マサキさん!」

「ええねんええねん。偶々それ持ってただけやからな」

 

 お辞儀をして礼を言う二人に、マサキはオバちゃんのように手をブンブンと振る。

 中々気さくな人物だという印象を受ける二人。そんな二人を、面倒くさそうにマサキの話を聞いていたクロケアが『漸く』と言った表情で連れていこうとした。

 

「お前らはリビングに来てくれ。俺の連れが昼飯作ってる頃だから、それをご馳走になっててくれ、マジで」

「わあ、ありがとうございます!」

「いや、礼を言うのはこっちだぜ、マジで」

「クロケア。どうでもええから、簡単な説明するからお前のメシは後や」

「へいへい……」

 

 目を輝かせるコルニにリビングの場所を指差すクロケアは、先程までシステムの整備にあたっていたマサキに言われ、奥の部屋へと歩んでいく。

 その間にコルニはルンルン気分で、良い香りが漂ってくるリビングへとスキップしていき、ライトはそんな彼女の後姿を苦笑いで見つめていた。

 食い意地が張っているというか、何と言うか。

 だが、他人の事を言えない程度にライトも空腹感に苛まれていた為、ゆっくりとコルニの後を追ってリビングに入ってゆく。

 

「お邪魔しまー……」

 

 満面の笑みで部屋に入ったコルニ。だがその表情は、一瞬にして凍りついたようなものになった。

 中に佇んでいたのは、クロケアと雰囲気が似ている様な不良然とした面々。スキンヘッドや、かなりパンクな髪型の女性などが座っており、突っ張りの効いた視線で部屋に入ってきた二人を睨みつけた。

 暫し硬直したコルニであったが、無言のまま自分の背後に立っていたライトを手前に持っていこうと―――。

 

「いや、僕を盾にしないでよ!?」

 

 この後、ちゃんとご馳走になりました。

 

 

 

 ***

 

 

 

「ふぅ……見た目は怖い人達だったけど、優しかったね」

「うんうん! おかげでお腹いっぱいだよ!」

 

 クロケアの家で昼食をご馳走してもらった二人は、家を後にしてコボクタウンを散歩していた。

 素朴な街並みであるが、それ故に感じ取れる雰囲気というものがある。落ち着いた街並みとでも言おうか。ミアレの街並みを歩んでいく時とは違い、時間がゆっくりであるかのように感じ取れる。

 お腹を擦りながら満腹の意を示していたコルニ。すると彼女は、ふととある方向へ視線を移した。

 

「よいしょ……よいしょ……」

「……あのお婆ちゃん、凄い荷物重そう……」

 

 彼女の視線の先には、実に重たそうに背中に大きなかごを背負っている年老いた女性の姿が在った。

 息を切らしながら荷物を運んでいる老人の姿を見て、コルニは居ても立っても居られずにその場から駆け寄っていく。

 

「お婆ちゃん、大丈夫ですか? あたし、良かったら荷物持ちますよ?」

「よいしょ……あぁ、ありがとうね。でも、これは結構重いから……」

「大丈夫大丈夫! あたし結構力ありますし!」

「そうかい? じゃあ、お言葉に甘えるとしようかな……」

「よーし、張り切って……っ!?」

 

 老人の背負っていたかごを受け取った瞬間、コルニのかごを持った腕はガクンと下がる。かごが地面に激突する寸での所でコルニは踏ん張り、何とか衝突は免れるものの、彼女の顔は真っ赤に染まっていく。

 後から駆け寄ってきたライトは、彼女のその姿を見て一抹の不安を覚えてしまった。

 

「……大丈夫?」

「だ、大丈夫……結構重いけど……!」

「代わるよ。女の子に持たせるのもアレだし……」

「あっ」

 

 『ひょい』とコルニが持っていたかごを手に取り、そのまま背中に背負うライト。そんな彼の姿にコルニは口をポカンと開ける事しかできなかった。

 ライトは至って平然としている様子を見せているが、彼の背負っているかごの重さは尋常ではなかった。小さい頃から筋トレをしているコルニでさえも、顔を真っ赤にするほど力を込めなければならない重さを、彼は顔色を一つも変えずに背負ったのだ。

 何故か敗北感に苛まれるコルニを余所に、かごを運んでいた老人は感心しているように声を上げる。

 

「あらあら……力持ちだねェ~」

「いえ、思った程じゃなかったんで……因みにこれ、何が入ってるんですか?」

「その中にはね、ワタシの畑で収穫した木の実が入っているのよ……」

「木の実……ですか?」

「ええ。コボクタウンを西に出たところにある7番道路の脇に、ワタシがお世話している木の実畑があってねェ……今日は収穫して、それをお店に持っていく途中だったのよォ……」

 

 木の実を栽培しているという老人。そしてそれを店に持っていくと言うのであれば、自ずと木の実を販売している店があるということになる。

 木の実を売っている店など見たことのないライトは、その店がどのようなラインナップを揃えているのかが気になってきた。

 

「じゃあ、そこまで持っていきますよ。僕もそのお店、気になりましたから」

「あら、そうかい?ありがとうねェ……」

 

 にっこりと微笑んで木の実を運搬することを告げると、老人は嬉しそうに笑みを返してくれた。

 温かみのある日常の光景と言ったところだろう。

 『どこにお店があるんですか?』と穏やかな声色で問うライトに対し、老人もしわがれているものの聞く者を落ち着かせるような声で応えてくれる。

 そんな二人を眺めていると、先程までの競争心が息を潜め、コルニはくすっと笑いながら荷物を運ぶライトの隣まで走ってきた。

 

「疲れたら交代してあげるよ?」

「大丈夫だよ。イシツブテよりは軽いから」

「え?」

 

 一瞬耳を疑ったコルニなのであった。

 

 

 

 ***

 

 

 

 次の日。

 昨日の木の実を栽培していると言っていた老人―――『ラコルザ』の木の実農場に、ライトとコルニの二人はやって来ていた。

 何か礼を出来る事は無いかとラコルザが考えた結果が、自分の木の実農場を見学させる事であり、二人はその好意に甘えてこうして来ていたのである。

 大きな川が近くに流れており、流れる水は川底が見えてしまう程に透明度が高い。それだけ水が綺麗であるということもあり、自ずとこの川の水で育てられている木の実は良い品質のものなのだろうと思えてしまう。

 

 麦わら帽子を被って直射日光を遮っているラコルザは、二人を農場に案内して木の実の種類を一つずつ説明していた。

 

「これがモモンの実……食べてみるかい?」

「えっ、いいんですか!?」

「じゃあ、遠慮なく……」

 

 渡された拳程度の大きさの木の実は、見た目はほぼ桃と変わらないものの、肌色の斑点があるなど些少の違いなどは見受けられる。

 それを皮ごと齧る二人。次の瞬間、二人の目は大きく開き、蕩ける様な甘さに舌鼓を打っていた。

 

「甘くてジューシー……!」

「これじゃ、解毒作用が無くても食べちゃいますね!」

「フフフ、そうだねェ……だから時々、野生のポケモンが農場に来て食べちゃう時もあるのさ」

 

 蕩ける様な舌触り。瑞々しさと共に広がるフルーティーな香りと甘さは、まさに絶品という言葉が似合うほど美味であった。

 こんなモモンの実であるが、ポケモンの状態異常の一つである【どく】を回復させる成分を含んでいる。その為、“どくけし”などの道具が無い場合は、自生しているモモンの実をトレーナーが食べさせることがあるのだが、余りの美味しさに【どく】で無かったとして口にしてしまいそうであると、ライトは豪語する。

 モモンの実の味に感動する二人を見て満足そうに微笑むラコルザは、次に青い木の実の前に立つ。

 

「これがオレンの実……生で食べるとあんまり人間の舌には合わないんだけどねェ。でも、熱を通すと甘みが増すから、パイにして食べると美味しいのよねェ……」

「へぇ~……!」

「あと、皮を剥いてそれをオレンジピールみたいにしてから、チョコを付けて食べるのも美味しいわよォ」

「ふわぁ~……!」

「コルニ、涎」

 

 頭の中で試食をしているコルニは、蕩けた顔で涎を口の端から垂れ流している。そのことについてライトがツッコむと、コルニは大急ぎでポケットからハンカチを取り出して涎を拭いとった。

 次にラコルザが案内したのは、赤くて丸い木の実が生っている木の実の前だ。

 

「これはクラボの実……とっても辛いんだけど、風味は果物と変わらないから、カレーの隠し味なんかに入れたりもするわァ」

「へぇ~……いろんな料理の使い方があるんですね」

「うふふ……トレーナーさんによっては、木の実を粉末状にして持ち歩いて、ポケモンのご飯に好きな味の粉末をトッピングしたりなんかする場合もあるのよ」

 

 確かに普段のポケモンフーズに、自分の好きな味の木の実のトッピングをされたとすれば、それを食べるポケモンは喜んでくれるだろう。

 木の実は自生している物も多い。今度はそれを試みてみようと考えるライトであったが―――。

 

「ピュ~ウ」

「ん? ……あのポケモンは……」

 

 木々の間から姿を現したのは、首長竜のようなポケモン。茶色を基調とした皮膚からは、緑色の葉が生えており、背中から生えている四枚の葉に関しては翼のようにも見える。

 さらに、首元からバナナのような果物も生えており、それを揺らしながらユッサユッサと歩み寄ってくるポケモンに、ライトは図鑑を翳した。

 

『トロピウス。フルーツポケモン。大きな葉っぱで空を飛んで、子供達に大人気の首にできる甘い果物を配る』

「ピュ~ウ♪」

「え、な、何?」

 

 笑顔を浮かべながら頭をライトの眼前まで動かすトロピウスに、ライトはどうすればいいのかと困惑する。

 だが、ラコルザはクツクツと笑いながら、トロピウスの隣に並んだ。

 

「うふふ、久し振りのお客さんにトロピウスも喜んでるんでしょうねェ……はい、これをどうぞ」

 

 そう言ってラコルザはトロピウスの喉元に生っている果物を二つ取り出し、ライトとコルニにそれぞれ渡した。

 『お食べ』と言われた為、言われるがままに果物の皮を剥いて白い果肉を頬張った二人は、先程のモモンの実以上の甘い果肉に目を見開く。

 

「ん~!んふふ(おいし)~!!」

「うわあ……甘いのに後味が爽やかで……すっごい美味しいです!」

 

 ほっぺたを押さえて口の中の果肉を噛み締めるコルニに対し、ライトは食べたことのない果物の味の感動をラコルザとトロピウスに向かって伝えていた。

 見た目はバナナそのものであったが、蕩けるような食感に滑らかな舌触り。上品な甘さはメロン以上の糖度であると錯覚してしまう程であるが、決してしつこくはない。

 フードの中で『食べたい!』と暴れるイーブイにも食べさせると、表情筋の緩まっただらしのない顔になってしまうほどの美味しさであったらしく、『ブィ~……』と気の抜けた鳴き声を上げた。

 

「ピュ~♪」

「喜んでくれて嬉しいって、トロピウスも言っていますよ」

「こちらこそ、こんな美味しい物を食べさせてもらい、本当にありがとうございます!」

「ありがとうね、トロピウス!」

 

 お辞儀をするライトの横で、果物を分け与えてくれたトロピウスの頭を撫でるコルニ。

 そんな二人を、まるで孫を見るかのような優しい瞳で眺めていたラコルザは、『そうだ』と手を合わせた。

 

「良かったら、ワタシの木の実料理を食べていかないかしら?」

「いいんですか、お婆ちゃん!?」

「そんな……何か、至れり尽くせりで申し訳ない感じが……」

「いいのよォ。久し振りに孫と話した気分になれたからねェ……」

 

 どこか寂しげな顔を浮かべるラコルザに、思わずライトとコルニの二人も表情を曇らせる。

 

「お孫さん……暫く会っていないんですか?」

「ええ……孫も仕事で忙しいから、中々連絡もとれないから……ごめんなさい。少し暗くなっちゃったわね」

「いいえ……そうですね。ラコルザさんの木の実料理、食べてみたいです!」

「あら、嬉しいわァ!じゃあ、張り切って作っちゃうわね!」

 

 孫と中々話せない故の寂しさを自分達でどうにかなるのであれば―――。

 そう考えたライトは、ラコルザの厚意を素直に受ける事にした。すると、その言葉を聞いたラコルザはパァっと明るい笑みを浮かべ、木の実農場の近くに建てられている自分の家に向かって歩き始める。

 

 そんな彼女の後姿に、ライトとコルニは見つめ合って笑うのであった。

 

 

 

 ***

 

 

 

「はい、どうぞ……遠慮なく食べてね!」

「はい、頂きます!」

「わぁ~、おいしそ~!」

 

 テーブルの上に並べられている木の実の料理の数々。そして、木の実がトッピングしている普段よりも豪華なポケモンフーズに、ライトとコルニ、そして手持ちのポケモン達は目を輝かせていた。

 そして、全員で合掌をしてから料理に手を付ける。

 

 オレンを乗せて焼いたパイを頬張るライトは、様々な木の実がふんだんに混ぜ込まれている特製ポケモンフーズを口にしているパートナーたちを一瞥した。

 ポケモンフーズ自体、ポケモンの体の事を考えて栄養満点に仕上がっているものであるが、だからと言って毎日そればかりでは飽きてしまうだろう。だが今はそこに、辛味や甘味、渋味、酸味、苦味など、十人十色な味わいの木の実が盛り付けられている。

 野生であれば、それらが主食となるであろうポケモン達が木の実を嫌う訳も無く、全員至極美味しそうに食べ進めていた。

 

 ラコルザの飼っているポケモン達も集まり、普段から食べているお袋の味とでも言おうか。そんな料理をモグモグと口に含んでいる。

 ライト達に果物を分けてくれたトロピウスを初めとし、ナゾノクサ、ポポッコ、ルンパッパなどの姿を望むことができた。

 全員、仲睦まじく木の実料理を食べ進めているが、一体だけ、部屋の隅のタンスの影で木の実を頬張るポケモンが―――。

 

「……ラコルザさん。あの子は……?」

「え……あぁ、キモリの事ね……」

 

 部屋の隅で細々とモモンの実を齧る、黄緑色の皮膚を持ち、大きな尻尾をもった蜥蜴のようなポケモン。

 そのキモリについて触れた途端、ラコルザは少し辛そうな表情になってしまう。

 そして、小さな声でポツリポツリと言葉を紡いでいく。

 

「あの子は最近ウチに来た子でね……トレーナーに捨てられたのよ……」

「トレーナーに……ですか?」

「ええ……捨てられて弱ってた所を、トロピウスが見つけて連れてきてくれたのよ」

 

 ラコルザ曰く、あのキモリは非常の内気で臆病な子であり、拾って数週間経った今でも懐いてはくれないと言う。

 故に、こうして食事の時でも一人寂しく皆から離れているらしいのだ。

 恐らく、その臆病な性格が祟り、ポケモンバトルの時に弱腰になってしまい真面に戦えず、『役立たず』として捨てられてしまったのではないかと考えられる。

 

「そんな……臆病なだけでポケモンを捨てるなんて、トレーナーとして考えられない!」

 

 隣で食べ進めていたコルニも箸を止め、身勝手なトレーナーがいるという事実に憤慨していた。

 正義感の強い彼女でなくとも、手持ちのポケモンを簡単に捨ててしまう事は許せないことだと、世間一般の考えとしては受け止められている。

 だが、現実は無情であり、厳しいポケモンバトルの世界を勝ち抜いていくためには、そう言った厳しい決断も必要だと風潮も無きにしも非ずであるのが現状だ。

 

 バトルで勝つには、より好戦的な性格である方が育てやすい。そうした浅はかな考えにより、個性を蔑ろにされて捨てられるポケモンは後を絶たない。

 

「……キモリ……」

 

 ライトはそう呟きながら、暗い表情で淡々と食事を続けるキモリを見つめる。他のポケモン達が楽しそうに食事をとっているというのに、あれではまるで作業のようだ。

 何の感情もなく、機械的に生きるための栄養を補給しているだけ。

 捨てられたという事実が、よほどキモリの心に深い傷を刻んでいるのだろう。

 

 

 

 

 

―――何とかしてあげたい。

 

 

 

 

 

「……ラコルザさん。もしよろしければなんですけど、僕にキモリの面倒を看させては頂けないでしょうか?」

「君が……かい?」

「はい。僕は絶対に捨てたりしません。誓います」

「ワタシはいいんだけれど……ワタシはあの子の意志を尊重してあげたいのよ……」

 

 つまり、無理に連れていくのではなく、キモリに『一緒に行きたい!』と思わせてほしいと言うラコルザ。

 その言葉に、ライトは自信満々であるかのような笑みを浮かべた。

 

「……絶対にあのキモリは弱くなんてないんだ。ただ、自分の長所が分からないで、短所ばっかりを責め続けられたんだと思います。だから、僕が元気づけてあげなくちゃ!皆、手伝ってくれる!?」

「シャア!」

「リザァ!」

「ミッ!」

「ブイー!」

 

 新たなる仲間の予感に、興奮気味に反応するライトのパートナーたち。

 その光景に、ラコルザは『皆元気ねェ……』と呟き、今一度ライトの顔を見つめた。

 

「……君達と一緒になれたら、あの子もきっと楽しい筈だわ。ワタシからもお願いするわァ」

「ライト! あたしも、手伝える事があるなら手を貸すよ!」

 

 頭を下げるラコルザと、拳を掲げるコルニ。

 そんな二人にそれぞれ返答するライトと、大急ぎで食事を食べ終えようとするポケモン達。

 温かい光景を、部屋の隅に居るキモリは潤んだ瞳で眺め続けていた。

 

「……キャモ」

 


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