ポケの細道   作:柴猫侍

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第三十四話 鋼の意志を持つ虫と、熱い魂を持つ森蜥蜴

 

 

 

 

「キーモリッ♪」

「ッ……!」

 

 食事の後、木陰で休んでいたキモリに言葉を投げかけたライト。緑の青々とした香りが漂う中、突然話しかけられたことにキモリは驚き、軽い身のこなしで幹の影へと隠れる。

 明らかに怯えた目で見てくるが、そのような警戒心を少しでも解ければと、穏やかな笑みを浮かべた。

 

「僕、ライトって言うんだ。良かったら、一緒にお話ししない?」

「……」

 

 無言のままジッと見つめてくるキモリに対し、柔和な笑みを浮かべたままライトはその場を去って、道を挟んで向かい側にある木の根元に腰を掛けた。

 胡坐をかくと足の内側へ向かって、フードの中にいたイーブイが飛び降りる。グッと背伸びをするパートナーの首を優しくマッサージするライトは、そのまま警戒しているキモリに向かってもう一度微笑んだ。

 そして、それ以上なにをするということもなく、只イーブイをこちょこちょと撫でるだけ。

 

 暫くそんな少年を眺めていたキモリであったが、敵意がないと判断し、そのままライトに姿を見られないように木陰に腰を下ろした。

 爽やかな風が吹けば、木々がザワザワと揺れ、豊かな自然であることを如実に表す。

 気を抜いてしまえばすぐにでも眠ってしまいそうな陽気の下、一定の距離を保つライトとキモリ。

 

 ラコルザ曰く、臆病なキモリである為、あまりガンガン距離を詰めようとすれば怯えられるだけ。

 ならばとライトは、向こう側から来てくれるの待とうと考えた。

 自分に興味を持ってくれたのであれば、自ずと近付いて来てくれるはず。

 だったが―――。

 

「~……♪」

(何か……ホントに眠くなってきたな……)

 

 鼓膜を優しく撫でる音色。

木葉が揺れる音や川のせせらぎ、陽気な暖かさを運んでくる柔らかな風。それらに当てられたライトと現在進行形で撫でられているイーブイの瞼は、急速に重くなっていった。

 ウトウトと頭を上下させる事数分。

 

「……はっ! 寝ちゃってた……」

 

 バッと頭を上げ、キモリが居たはずの木の根元に目を遣ると、先程まで見えていた緑色の尻尾は見えなくなっていた。

 そして、風に吹かれてやってきた一枚の木の葉。目を凝らして見つめると、何か手を加えたように不自然に折り曲げられている。

 

「もしかして……“くさぶえ”? あのキモリが……?」

 

 どうやら、キモリの“くさぶえ”により、自分達の睡眠を催促されたようだ。その隙にキモリはどこに行ってしまったのを見ると、自分達から離れたいが為に使われたらしい。

 そんな目的を思うと落ち込む―――のではなく、寧ろライトは目を輝かせた。

 

「あのキモリ、すっごい器用だなァ……! やっぱり手持ちに入れたいや!」

 

 【くさ】タイプの中でも“くさぶえ”を扱える種族は少ないとされる為、それだけあのキモリがかなりの技量を有しているという事になる。

 この時点で、あのキモリの株がうなぎ上りになり、ライトは是が非でも手持ちの一体に入れたいと言う願望に駆られ始めた。

 そう考えると、すぐにでも再びキモリの下に行き、今度は直接勧誘の言葉を投げかけてみたい想いが胸の中に込み上がってくる。

 

「きっと繊細な子なんだろうなァ……ヒンバスと仲良くやれそうだね、イーブイ♪」

「ブイ~……」

「ふふッ、眠い?」

 

 自分の足の間で夢見心地になっているイーブイを抱き上げ、ライトはキモリを探しに立ち上がって歩き出した。

 

 そんなライトの背中を、木の上でジッと息を潜めていたキモリは、安堵の息を漏らす。

 

「キャモ……」

 

 よく解らないが話しかけてきた少年。パッと見は優しそうではあるが、それでもまだ信用するには足りない。

 何やら自分を手持ちに入れたいという旨を口にしていたが、まだまだ判断材料が不足している。

 できれば早くこの木の実農場から出ていって貰いたいと考えるが―――。

 

『すっごい器用だなァ……!』

 

 ふと、少年が口にした言葉。

 それを聞いた瞬間、今迄凍りついていたかのような自分の心がわずかに揺れた。もう二度とあんな思いはしたくないと思っていたのに、久しく聞いていなかった自分を褒める言葉に、簡単に気持ちが動いてしまいそうになったのだ。

 だが、キモリは首をブンブンと振って、ある場面を思い出す。

 

『……何でお前は、普通以上の事ができない?』

『いつまでも、そんな我儘が通用するなんて思うなよ』

『はっきり言ってやる。今のお前は、俺のパーティの足手まといだ』

『……もういい。お前は、俺のニーズに合っていない。ここでお前とはサヨナラだ』

 

 前の主人に言われた言葉の数々を思い出した途端、今の少年の言葉のお蔭で少しだけ温まった心が急激に冷めていくのが解る。

 そうだ、自分はバトルをしたところで足手まといにしかならない弱虫なのだ。

 だから、あの少年の手持ちに加わった所で迷惑にしかならない。

 

 経験した過去があるからこそ、以前は予想していなかったことまで予想できてしまう。もし自分があの少年の手持ちになって、足手まといになったところで、向けられるのは軽蔑の瞳か、同情の言葉か。

 そんなものを見たり聞いたりしてしまえば、今度こそ立ち直れなくなってしまう。

 

―――だから、もういいのだ。

 

「……キャモ」

 

 未練を断ち切るように首を激しく左右に振ったキモリは、そのまま木々を飛び移り、気分転換の散歩に出かけていった。

 

 

 

 ***

 

 

 

「ライト、上手くやってるかなァ……?」

「うふふ、キモリのことは彼に任せましょう」

 

 庭に用意されている席に座りハーブティーを楽しむコルニとラコルザ。食後のブレイクタイムといったところか。

 コルニはライトに『キモリは僕だけで何とかするから、休んでて!』と言われた為、こうしてラコルザと共に居るのであるが、それでもあの少年の事が気になってしまう。

 

「ま、ライトはポケモンに優しそうだから、キモリも打ち解けられるだろうなァ」

「……意外と簡単にはいかないかもしれませんよ?」

「え……どうして?」

 

 楽観的とも取れる言葉を口にしたコルニに、ハーブティーを上品に啜るラコルザは異を唱えた。

 

「あの子は臆病だから、色々と聡いんです……だから、ライト君の手持ちになった後のことも想像してしまうんじゃないかと思ってねェ……」

「じゃ、じゃあどうして……!?」

「彼が優しいからこそ、『もし、もう一度捨てられたら』って考えると思うのよねェ……」

 

 隣で休んでいるトロピウスの体を撫でながら、ラコルザは茫然とティーカップの取っ手に手を掛けたまま硬直しているコルニに語る。

 一度ならず二度までも。さらには、優しいと思っていた主人に捨てられたとするのならば、キモリの心に負う傷は癒す事が不可能になってしまうほど深くなってしまうのではないかと。

 

「……優しいからと言って、何でもかんでも救われると言うことじゃないのよ」

「そう……なんですか……」

「……うふふ、でも、優しいのが駄目って言ってる訳じゃないのよ。もし、皆が優しくなれば、それは素敵なことだからねェ……」

 

 柔和な笑みを浮かべてティーカップを置くラコルザ。そんな彼女に対し、自然とコルニの表情も緩む。

 コルニもまた、小さい頃厳しい祖父の特訓を受けていたが、それを耐える事ができたのは祖父が優しかったということがあるからだ。

 優しいだけであってもダメ。しかし、厳しいだけでも事は上手くいかない。トレーナーもまた然りで、優しいだけでも厳しいだけでもいけない。

 そのちょうどよい塩梅というものが難しいのはコルニも重々分かっている。

 

(……キモリの事、仲間にできるといいね。ライト)

 

 

 

 ***

 

 

 

「キモリー」

「ブイー」

「ガウー」

「シャウー」

 

 歩ける手持ちを全員出しキモリを捜索するライト。と言っても、イーブイに関してはライトの腕に抱かれている為、歩いているとは言えない状態だ。

 それは兎も角、これではキモリと直接話せないと考えたライトは、ある事を思いつく。

 

「ストライク、ちょっと探してきてくれる?」

「シャウ」

「その……あんまり乱暴とかはしないで……ね?」

「……シャウ」

 

 『心外だ』と言わんばかりに目を細めるパートナーに、ちょっと言い過ぎたかと反省するライト。

 だがストライクは内心無理やり連れていこうと即座に考えていた節があったため、ライトに釘を刺された瞬間、少し焦ったのが本心だ。

 それは兎も角、主人に頼まれたストライクは軽快な身のこなしで木々を飛び移り、どこかへ姿を消してしまったキモリを探しに行く。ストライクは本来森に住む種族。つまり、森での探し物ならお手の物と言ったところだ。

 

「……自分で言ってなんだけど、大丈夫かなァ?」

「ガウ」

 

 苦笑いを浮かべるライトの横では、『やれやれ』と首を振るリザードの姿が―――。

 『そんなことを言うなら、指示をしなければいいのに』とでも思っているのだろうか。だが、指示をしてしまった以上、ここではストライクを信じて自分達は地道にキモリを探すことにしようとライトは考え、再び歩みを始めるのであった。

 

 

 

 ***

 

 

 

『うわわわ……!』

『待てェ―――!この野郎ォ―――!』

 

 木の実農場から少し離れたところに在る林。そこではキモリとペンドラーというポケモンの鬼ごっこが行われていた。

 だが実際は鬼ごっこなどという生易しいものではなく、誤って取ろうとした木の実を寝ているペンドラーの頭の上に落としてしまったキモリが、彼の機嫌を損ねて追われると言うシチュエーションである。

 臆病なキモリが、フシデの最終進化形であり【むし】・【どく】タイプという【くさ】タイプに相性最悪なペンドラーを相手取れる訳もなく、こうして必死に逃げ回っていたのだ。

 

『逃げんじゃねえぞ、この弱虫がァ―――! って、虫は俺じゃねえかァ―――!』

『ひぃいいい!? ごめんなさぁぁあい!!』

 

 ペンドラーの華麗な(?)ノリツッコミも、死にもの狂いで逃げているキモリの耳には怒りの声にしか聞こえない。

 木の枝を軽快に飛び移っていくキモリであったが、如何せんペンドラーの足も速く、逃げ切る事が出来ずにいた。

 

 だが、次の瞬間、ペンドラーの進行方向手前にある木が倒れる。思わず急ブレーキを掛けて停止するペンドラーであったが、彼の体を打つ二本の鎌が―――。

 

『ぐぉ!? な……何だ、てめえは!?』

『……安心しな、“みねうち”だ』

『そういうことを訊いてんじゃねえよ! てめえ、ここじゃ見ねえ顔だなァ! それに俺が用のあるのは、そこにいる森蜥蜴なんだよォ!』

 

 ペンドラーの前に交差するように倒れた木の上に鎌を構えて立っているのは、ライトの手持ちの現エースであるストライクだった。

 自分よりも遥かに巨体のポケモンが憤怒の形相で眼前に居ると言うのに、ストライクは一切怯まずにキモリを護るかのように佇んでいる。

 思わぬ助っ人に、キモリは驚きの余り枝の上で硬直していた。

 そんなキモリを一瞥した後、ストライクは再び目の前にいるペンドラーに鋭い眼光を向ける。

 

『……俺も、あのキモリに用がある』

『アァン!? んだと、このスットコドッコイ! てめえ邪魔なんだよォ! 早く退けねえと、ぶっ飛ばすぞゴラァ!!』

『……やるか?』

 

 刹那、凍りつくような緊張感が辺りを支配する。

 突きつけられようとする鎌の先を、一瞬も見逃さぬようにと見つめていた。

 

 そんな二体のポケモンの一触即発な状況に、キモリは思わず腰が抜けてしまい、枝からドシャと落ちてしまう。

 タラりと汗を流すペンドラー。

 対してストライクは、鋭く手入れされている鎌をチラつかせる。その度に、影の縫って差し込む木漏れ日が反射し、異常なまでに鎌はギラついていた。

 

『……ちッ! 運が良かったな、この森蜥蜴野郎が!』

 

 そう吐き捨てて、ペンドラーは今まで走ってきた進行方向の逆へと向かって歩み始めた。地響きを鳴らしながら去っていく巨大なムカデのようなポケモンに、キモリはホッと息を吐く。

 だが、目の前に一瞬で飛翔してきたストライクに、そんな安堵も一瞬で消え去った。

 

『な、なんですか……?』

『……ライトがお前を仲間に入れたがっている。俺と共に来い』

『え!? い……嫌ですよ!? 僕なんて仲間にしたって、きっと―――』

 

 ザンッ。

 瞬間、自分の背後にある木の幹に鎌が突き立てられたのを、すぐ真横で見ていたキモリは、恐怖の余り次に言おうとしていた言葉を忘れてしまった。

 半ば脅迫紛いの行為であった、ストライクは表情を変えないまま、キモリに問いかける。

 

『……何故、頑なに拒む? ライトはお前に非道な事はしない。アイツの仲間として長年連れ添っている俺はそう断言できる』

『で、でも……』

『……何がお前を縛っている?家でのお前の様子を見れば、特別に此処に思い入れがある訳でもないだろう。一人のトレーナーがお前の存在を欲しているんだ』

『ッ……』

 

 ストライクの言い回しに、ズキンと心が痛むような感覚に苛まれる。

 確かに自分は捨てられてあの家で数週間過ごしていたものの、自ら周りとの距離をとっていたが為、特別な思い出などは無い。強いて言えば、出された料理が美味しかったことだろうか。

 しかし、鬱のようになっていた自分にとっては、何もすることがなく、自分が此処に居てもいいのかと言う罪悪感もあった。

 そんな中、自分を欲しているトレーナーが居るだなど言われでもしたら―――。

 

『……ズルいですよ……』

『……何がだ?』

『僕は弱くて捨てられたって言うのに……君を見れば嫌でも分かりますよ。君はとっても強い。他に居た子達も、僕なんかよりもずっと強い筈なんだ。そんな中に僕が入ったとしても……惨めなだけじゃないですか……!』

『惨め……か。お前は本当にそう思うのか?』

『え……?』

 

 涙を流して訴えるキモリに、ストライクは木の幹に刺した自分の鎌を引き抜き、そのままキモリの隣に座る。

 そして何かを思い出すかのように、木葉の間から覗く青い空を眺めはじめた。

 

『お前、コイキングってポケモン知っているか?』

『そのくらい知ってますよ……一番弱くて有名ですし。まさか、『お前は少なくともコイキングよりは強い』なんて言うんじゃないでしょうね……』

『まさか……俺の知っているコイキングは、お前よりずっと強い』

『うえぇ!?』

 

 比較に出されたのは、ポケモンの中でも最弱と謳われている『コイキング』。

 力もダメで、泳ぐのもダメ。何をしてもダメなポケモンと比較され、あまつさえそれよりも劣っていると言われたキモリは、『がーん』とショックを受けたように頭垂れる。

 

『まあ話は最後まで聞け。俺の知っているコイキングはだな……確かに力もダメで、泳ぐスピードなんかも全然ダメだった。だがアイツが他と違っていたのは、トレーナーが居たことだ』

『トレーナーって……』

『俺の主の事だ。俺が手持ちに入る前より知り合いらしくてな、長い事一緒に遊んでたらしい』

『でも……それが何だって言うんですか?』

 

 半ギレであるかのような口調で問いかけるキモリに対し、ストライクはフッと笑って、過去を思い出すかのように瞼を閉じた。

 

『俺の主は変なところで頑固でな……俺が手持ちに入ってからも、そのコイキングを鍛えてたんだよ。力もダメで、泳ぎも全然ダメなアイツをな。だが、ある時アイツは進化した』

『進化……ですか?』

『ああ……さっきの虫の二倍大きさはあるような、水色の竜にな』

『えええッ!?』

『信じられないか?だが、そのポケモン……ギャラドスは、ちゃんとしたコイキングの進化形だ』

 

 あの最弱の魚が、ペンドラーよりも巨大な竜になるという話に、キモリは顎が外れるのではないかと言う程驚いた顔を浮かべる。

 そのようなリアクションを面白がるかのように鼻で笑った後、ストライクは『よっこらしょ』と立ち上がった。

 

『俺も最初は目を疑ったよ……だが、それは現実だ。がむしゃらに頑張ってきたからこその結果だったんだろうな……』

『がむしゃらに……』

『ああ。訊くがお前……今までがむしゃらに頑張った事はあるか?』

『なんですか、藪から棒に……まさか僕が弱いのは、努力をしなかったからって言うんですか?』

 

 突拍子もない問いに、キモリはビクビクと震えながらも、苛立っていることを伝えるかのような声色で返答した。

 

『さあな。お前の今迄なんて、俺は知らない。だから俺は、お前の限界なんて知らない』

『僕の……限界?』

『……俺達の夢を聞いてくれるか?』

 

 真摯な眼差しで見つめてくるストライクに、キモリは呼吸も忘れてその瞳を見つめ返す。鋭い眼光の奥底には、メラメラと燃え盛る炎のような闘志が籠っており、キモリはそれを見た瞬間自分の心の奥底で何かが点ったような感覚を覚えた。

 

『……ライトはポケモンリーグのチャンピオンになる事。俺はライトをチャンピオンにさせる事。そして、俺達の夢は―――……チャンピオンの相棒として、殿堂に名を刻むこと』

『殿堂に……』

 

 俺達―――つまり、ライトの手持ちのポケモン達の事であるのだが、ライトの知らぬところで立てた誓いがある。

 それ即ち、主をチャンピオンにすることであり、同時に自分達もそんな誇り高い頂点の檀上に足を揃える事だ。

 『殿堂』と言う言葉に目を輝かせるキモリ。

 そんな彼に、ストライクは『最後に……』と強い口調でキモリに問いかけた。

 

『どっちかを選べ。俺達と共に、未来のチャンピオンの相棒になるか。若しくは、ここで燻ったまま指を咥えて惨めに生きるかだ』

『チャンピオンの……相棒?』

『因みに俺は、是が非でもお前をライトの下へ連れて行く心算だ。元々、その為に此処に来たんだからな』

 

 何と誉れ高い選択肢を入れてくるのであろうか。

 今の自分にとっては、余りにも遠すぎて口にすることすら気が引けてしまう言葉だ。しかし、ストライク達の熱意はトレーナーに捨てられたことにより延々と燻っていたキモリの心を、かつてない程に焚き付けていた。

 

―――あと一押し……あと一押しがあれば……

 

 今にでも彼らの下に行きたいという願望に駆られるキモリであったが、臆病である自分には中々踏み出せない一歩があった。

 だが、そんな彼を見かねたストライクが叫ぶ。

 

『行くぞ、()()()! 光射す頂点に……お前も来い!!』

『――――ッ!!』

 

 

 

 

 鋼の意志を持つポケモンの言葉は、熱い想いをくすぶらせていたポケモンを再び立ち上がらせたのであった。

 

 

 

 

 

 


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