ポケの細道   作:柴猫侍

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第八十四話 足を挫いた時の痛さは尋常ではない

 

 フーディンと同様、進化の殻に包まれたハッサムは瞬く間にその風貌を変化させていく。丸みを帯びた体はどんどん尖ったようなフォルムに変貌していき、数秒もしない内にメガシンカは完了した。

 

 メガハッサム。

 

 リザードンのメガシンカほど体色の変化などは見受けられないものの、メガシンカ前より攻撃的な形に変わった鋏を見れば、嫌でも攻撃力が上昇したということは窺える。

 忙しなく羽ばたかれる翅は、メガシンカにより生まれた過剰なエネルギーで上がった体温を調整する為。

 有り余るパワーは、メガシンカしたフーディンと一緒だ。

 

 違う部分を挙げるとすれば―――。

 

(仕掛けるなら……短期決戦!)

「“バレットパンチ”!!」

 

 身体に非常に負担を掛けるメガシンカ。有り余るパワーを筋力を失わせることによって調整しているフーディンと違って、ハッサムはあくまでパワーをそのまま身に宿している。

 過剰な負担が掛かる状態で戦える時間は少ない。

 

 室内に響き渡る声と共に、フィールドを疾走していくハッサム。目に見えて速くなった動きでフーディンに肉迫するハッサムは、そのまま鋏を振りかぶって、細い胴体を狙う。

 だが、

 

「“テレポート”」

「ッ!?」

 

 一瞬にしてフーディンの姿がハッサムの目の前から消え失せる。それに伴い、ハッサムの渾身の一撃も空振りに終わる。

 ハッサムが相手はどこかとキョロキョロと見渡している間、既にライトは消え失せたフーディンの居所を発見した。

 

「後ろ! 右に避けて!」

「ッ!」

 

 ライトの指示に、ほぼノールックで回避行動をとるハッサム。直後、先程までハッサムが佇んでいた場所には巨大な橙色の光球が降ってきて、大爆発を起こす。

 見たことのある技に、ライトの表情は幾分か険しくなった。

 

(“きあいだま”か……!)

 

 ジュカインにも覚えさせようとしている【かくとう】タイプの特殊技。凄まじい力と引き換えに命中率は低いものの、当たれば致命傷は避けられない攻撃だ。

 【あく】タイプや【はがね】タイプの対策として覚えさせていたのだろうと軽く予想したところで、ライトは先程の一連の流れに眉を顰めた。

 

(“テレポート”からの“きあいだま”……中々危ない組み合わせだなァ!)

 

 超能力によって移動する技である“テレポート”。本来であれば、街から街に移動する為の技という風なイメージを持っていたライトであったが、今の攻防でそのイメージは間違いであることに気が付いた。

 戦闘中、相手に移動の軌跡を見せることなく四方八方に動ける。それが、どれだけ恐ろしいことなのだろうか。

 

 【ひこう】ポケモン同士のドッグファイトのような事も出来なければ、近接攻撃が主体のハッサムでは近付く前に逃げられてしまう。

 どうしようものかと思案を巡らせる間、ここは相手を一撃で伸せるだけのパワーが必要だと判断し、とりあえず指示を飛ばすライト。

 

「“つるぎのまい”!」

「ならば、“リフレクター”」

 

 剣舞のオーラを纏うハッサム。

 しかし、その一方でフーディンの周囲には透明な防御壁が張られる。

 自分の指示に対し、順次対応するかのような指示を出すゴジカに、やや難色を示すライト。

 無理やり攻めるのは可能ではあるが、それでは反撃されるのが目に見えている。

 ならば、と一度“つるぎのまい”を終えたハッサムを見遣ったライトは、再びこう叫ぶ。

 

「もう一度、“つるぎのまい”!」

 

―――例え、“リフレクター”を張られていたとしても、一撃で倒せるだけのパワーを。

 

 傍から見ればそう取れる行動を目の当りにしたゴジカは、どこか引っかかるような違和感を覚えながら、腕を伸ばす。

 

「“テレキネシス”!」

 

 ゴジカの指示を受けたフーディンは、両腕をハッサムの方へと突きだす。瞬間、ハッサムは自分を覆うかのような超能力に目を見開いたまま、フィールドの上へと浮かび上がっていく。

 必死に羽を羽ばたかせるも上手く飛ぶことができないのか、酷く不安定である飛行を続けるハッサム。

 

 相手を超能力で浮かび上がらせる技である“テレキネシス”だが、いまいちピンと来ていないライト。

 だが、何となくどのような技であるかは想像したようであり、ハッと顔を上げた。

 

「“きあいだま”」

「“バレットパンチ”で弾いて!!」

 

 浮いて上手く動けないハッサムに対し、躊躇なく両手を翳して橙色の光弾を発射するフーディンに対し、弾くよう“バレットパンチ”指示を出すライト。

 本来であれば、威力に差があり過ぎて弾くことなど到底無理な話だと思えるが―――。

 

 しかし、次の瞬間ゴジカは目を見開いた。

 彼女の瞳に映っていたのは、“きあいだま”を弾くハッサムの姿ではなく、“きあいだま”を殴ることによって自分の体を弾くハッサムの姿。

 

 成程、そっちの意味だったか。

 超能力で不安定な飛行しかできない状況の中、寧ろその状態を利用するかのような行動。ジムバッジを六つ集めていただけはある機転の利きようだ。

 面白いと言わんばかりに微笑むゴジカは、スッとハッサムを指差す。

 

「“サイコキネシス”」

 

 刹那、何とか“きあいだま”を回避して天井から吊るされる電灯を挟み、なんとか体を安定させていたハッサムが、突然凄まじい速度で地面に落下した。

 まるで、ハッサムに掛かる重力だけが数倍になったのではないかという程の落下速度。

 余りの衝撃に室内は揺れ、ハッサムが落ちた場所には大きな砂煙が巻き起こっていた。

 

「くッ……!」

 

 一方的なバトルの運びに険しい表情を浮かべるライト。

 矢張り、メガシンカの熟練度とでも言うのか。同じメガシンカであっても、ここまで違うものなのか。

 それはクノエジムでも実感したことであるものの、それでもどこか納得できないという感覚がライトの胸中にあった。

 

 既に“つるぎのまい”は二回積んだ。一撃でも当てれば、かなりのダメージを与えられることは期待できる。

 しかし、当てられなければ―――。

 

「なら……」

「……?」

「ハッサム! 当たらなくてもいいから“バレットパンチ”だ!!」

「ッ、“テレポート”!」

 

 直後、砂煙を突き破るように飛び出してくるハッサムを目の当たりにし、すぐさま回避の為の“テレポート”を指示するゴジカ。

 すぐさまフーディンの体はハッサムの目の前から消え失せ、ハッサムの突撃は無駄に終わった―――かに思えた。

 全力での突進が空ぶった事によって、壁際までやって来たハッサムは、体を打ちつけまいと壁に足を着ける。

 

 余りの衝撃に壁には罅が入るものの、ハッサムは一向に怯んだ様子を見せはしない。

 位置的に、ライトが居る側の壁にやって来たハッサム。帰ってきたパートナーを見たライトは、『へへっ』と笑いながら鼻の下を指で擦る。

 

「偶にはいいよね……猪突猛進なスタイルもさ!! もう一回“バレットパンチ”!!」

 

 壁を蹴り、再びフーディンへと突貫していくハッサム。凄まじい脚力で蹴られた壁は、先程入った罅から砂煙を噴き出させるほどであった。

 一陣の風となったハッサムは、フーディンにもう一度鋼鉄の鋏を振るおうとするも、またもや“テレポート”によって回避されて空振り、再び壁に足を着けて停止する。

 

「まだだ! もう一回!」

 

 ライトの声に従い、ハッサムは再び駆ける。

 その指示を聞いたゴジカは、一瞬の内にして相手の思惑を頭に浮かび上がらせた。

 

(“リフレクター”が切れるのを待っている? ならば……)

「“サイコキネシス”!」

「ッ!!」

 

 超能力によって途端に動きが鈍くなるハッサムは、表情を険しくさせる。

 あと一歩という距離にまで近づいたのにも拘わらず動きを止められたハッサムの表情は、苦心に満ちているかのような表情だ。

 だが、それを見ていたライトは違った。

 まるで、これを待っていたかのような瞳で―――。

 

「“かわらわり”!」

 

 響く少年の声。

 同時にハッサムの目の色が変わり、その巨大な鋏を、フーディンを守る防御壁へと振り下ろした。

 直後、ガラスが割れるかのような甲高い音が鳴り響くと同時に、フーディンを守っていた“リフレクター”は粉々に砕け散る。

 

(成程。これが狙いか)

 

 当たらなくてもいいという指示。

 それに伴う、“バレットパンチ”でのフィールドを縦横無尽に駆けて行く行動。

 それらは一見、“リフレクター”の時間切れを狙う為に攪乱のように見えた。だが実際はそれを読まれた上で“かわらわり”を“リフレクター”に叩き込むのが狙い。

 “かわらわり”は、“リフレクター”と“ひかりのかべ”を叩き割ることのできる技でもある。

 

 これで、フーディンは一撃でもハッサムの攻撃を喰らえば耐えられない状態になったが、

 

「近付けば、それだけ自分を危険に晒すことと同義……フーディン、“きあいだま”!」

「ッ!」

 

 “かわらわり”を放った直後で無防備なハッサムに対し両手を翳したフーディンが、“きあいだま”をハッサムに解き放つ。

 “テレキネシス”で浮いている時とは違い、“かわらわり”で“リフレクター”を砕くために踏み込んだハッサムは、その尖った足がフィールドに突き刺さっている。

 その為、すぐさま回避行動に移れなかったハッサムは、真正面からやって来た“きあいだま”を受けた。

 

「ッ……くッ!」

 

 ハッサムを中心に巻き起こる爆発は凄まじい爆風を巻き起こし、フィールドの端に立っているライトやゴジカにまで届いた。

 巻き上がる砂煙は視界を急激に悪化させ、真面にフィールドを眺めることさえ難しくさせる。

 

 傍から見れば、絶体絶命のピンチ。

 ハッサムは既に瀕死に陥っていてもおかしくはない。それは、観客席から眺めていたコルニも感じていた。

 

 しかし、一人だけは違う。

 

 吹き荒ぶ爆風を腕で防ぎながら、一心に砂煙の中を見つめる少年。

 爆発の中心が一体どのような状況になっているのかも満足に窺えない中、ライトはただ指示を出した。

 

―――“バレットパンチ”、と。

 

 

 

 ゴッ

 

 

 

 鈍く室内に響き渡る殴打音。

 すると、砂煙の一部から飛び出す物体が一つ。煙の尾を引きながら再びフィールドへと落ちていく物体は、ドンッと音を立てて落下してから倒れたままだ。

 一瞬、光ったかと思えば、その後もピクリとも動かないまま床に横たわったままである。

 そして、砂煙が晴れて少ししてから、審判の澄んだ声が室内に響き渡った。

 

「フーディン、戦闘不能! よって勝者、挑戦者ライト!」

 

 勝利を告げる声に、ライトは肺の中を満たしていた不安を吐き出すかのように深呼吸した。

 フッとフィールドを見れば、振り上げるように“バレットパンチ”を放ったままの状態で佇んでいるハッサムの姿が見える。

 それは一瞬、勝利を勝ち取った事を表すポーズにも見えた。

 

 石像のようにジッと動かなかったハッサムであったが、直後光に包まれて元の姿に戻れば、ガクッとその場に膝を着くように崩れ落ちる。

 体力に限界が来たのだろう。大急ぎで駆けて行くライトは、倒れたハッサムの肩を担いで『大丈夫?』と一声かけた。

 

 少々息は切れているものの、自分の声に反応するように頷いて見せる辺り、それなりに元気であることを察したライトは、ホッと胸をなで下ろす。

 そして、

 

「ナイス」

 

 短い言葉を投げかけ、拳を差し出してみる。

 すると、迷わずハッサムは自分の鋏を、差し出された拳にコツンとぶつけてみせた。

 

 多く語らなくとも伝わる想いはある。

 

 ある種、最もパーティの中で絆が強いと思えるパートナーに対しての、最大の言葉だった。

 そのようなやり取りをしていたライトとハッサムであったが、そこへフーディンをボールへ戻したゴジカがしゃなりしゃなりと歩み寄ってくる。

 

「……いいバトルでした。私に勝った証にバッジを……と思いましたが、一ついいでしょうか?」

「はい?」

「何故、“きあいだま”をハッサムが喰らった直後、迷わず攻撃の指示を?」

 

 疑問に思った事を、率直にライトに問うゴジカ。

 あの時の指示は、まるでハッサムが“きあいだま”を絶対に耐えるという確信があったかのような速さだ。

 一体、何を持ってそのような確信を抱いたのか。

 それを問われたライトは、ハッサムを一瞥した後、少しはにかんだ。

 

「それはえっと……信頼してたから、です?」

「信頼と?」

「はい。耐えてたら絶対に指示を聞いて動いてくれるし……適当かもしれないけど、意地っ張りなハッサムだったら、意地でも耐えてるだろうなぁ……って。それでです」

「……成程」

 

 案外適当であった理由を耳にしたゴジカは、少しクスりと笑った後に、既に用意していたバッジをライトに差し出した。

 湾曲した線の端に、一つの丸い紫色の宝玉のようなモノが付いているバッジだ。

 

「貴方達の信頼によって勝ち取った勝利を証明するバッジ……このサイキックバッジを授けましょう」

「ありがとうございます!」

 

 七つ目のジムバッジ。

 それを受け取ったライトは満足そうに眺めた後、ジムバッジケースを取り出そうとする。

 だが、

 

「一つだけ」

「へ?」

「貴方には水難の相が見えます。水辺には気を付けて」

(なにそれ怖い)

 

 

 

 ライト、サイキックバッジ獲得。

 

 

 

 ***

 

 

 

「ふぅ~! 外の空気はいいね!」

 

 ジムから飛び出したコルニは、背伸びをしながら外の空気を目一杯に吸いこむ。

 

「そんなに走ったら危な―――」

 

 コケッ。

 

 ガクッ。

 

 ベシャア。

 

(遅かった)

 

 注意しようとした矢先に、段差に躓いてこけるコルニ。ライトは『大丈夫?』と労わるような声を掛けながら近寄るも、コルニは右足首を手で押さえたままジッと動かない。

 全く反応を返さない少女を目の当たりにしたライトは、スッと回り込んだ顔を眺めてみる。

 

「あッ」

 

 思わず声を上げてしまうライト。

 彼が見たのは、涙目になりながら唇を噛み締めているコルニの顔であった。

 『絶対に痛いやつだ』と確信を持ったライトは、痛みでピクリとも動けないコルニを前に少し考えた後、引き攣った表情で問いかける。

 

「……歩ける?」

 

 フルフル。

 

「じゃあ背負うから。ほら」

 

 コクン。

 

 無言のままライトの問いに頷いたコルニは、向けられた背中に覆いかぶさり、そのまま背負われる。

 ポケモンセンターまで背負うとなると少し距離があるが、これも一つの体力作りだと一人納得して、足を進めていく。

 

「もう……小さい子じゃないんだから」

「……ゴメン」

「まあ軽いからいいんだけど……ゴローンとかよりは」

「【いわ】タイプと比べないで!」

「イダダダッ! 首絞めないで!!」

 

 後にライトが思ったのは、リザードンかコルニのバシャーモに背負わせればいいのではないかということは言うまでもないだろう。

 

 

 

 ***

 

 

 

 終の洞窟。

 18番道路に存在する閉鎖された炭鉱である。閉鎖された理由としては、洞窟の奥深くに化け物が潜んでいるという噂であるからだが、真偽のほどは定かではない。

 だが、そのような洞窟を訪れているポケモントレーナーが一人。

 

「ふぅ……大分奥まで来ましたね」

 

 薄紫色の長髪を靡かせる、洞窟には不似合いのスーツを身に纏った女性。懐中電灯を片手に洞窟を探索する彼女―――リラは、横に付いて来ているマニューラと共に、この終の洞窟に探索に来ていた。

 その理由は、

 

「この洞窟には強力な【ドラゴン】タイプのポケモンが生息していると地元の人が言っていましたが……当てが外れましたかね?」

「マニュ?」

 

 捜索している色違いのラティアス。地元の住民が言う強力な【ドラゴン】タイプのポケモンが、もしかしてラティアスではないかという一抹の希望を抱いていたが、どうやら当ては外れているようだ。ポケモンにとって身を隠すには打ってつけの場所というのもあり、当てが外れた事は少々残念に覚えるリラ。

 

 リラの問いに首を傾げるマニューラ。その仕草にクスりと微笑むリラであったが、すぐに毅然とした様相になって洞窟の奥へと進んでいく。

 元炭鉱と言うだけあって、途中途中にトロッコを走らせるための線路を窺うことができるが、それは最早使われてはいない。

 更に言ってしまえば、この終の洞窟と周辺に生息しているココドラやコドラによって、鉄の部分を食べられてしまっている為、線路としての役目を果たせなくなっている。

 

 閉鎖されたのは数年前だが、人の手が入らなければ短い期間でここまで荒れ果てるものなのか。

 どこか寂しいような感覚を覚えながら進んでいくリラは、懐中電灯一本で暗い洞窟の中を奥へ奥へと進んでいくが、矢張り目的のポケモンは居ないようだ。

 

「ここは一旦外に出て……」

「マニュ!」

「ッ、マニューラ。どうかしましたか?」

 

 突然、鉤爪を構えて臨戦態勢に入るマニューラに、リラの表情も途端に険しくなる。

 

―――野生のポケモンか。

 

 すぐにでも攻撃の指示を出せるようにリラは懐中電灯の光を、マニューラが睨んでいる方向へ向ける。

 と、次の瞬間、

 

「マニュァ!?」

「マニューラ!?」

(ッ……速い!!)

 

 一つの影がマニューラに襲いかかり、為す術なくマニューラは弾き飛ばされて岩壁に叩き付けられた。

 思いもよらぬ強敵の登場を予感したリラは、すぐさま過ぎ去った影に光を当てながら、別のポケモンが入っているボールに手を掛ける。

 その途中に一瞬ではあったが、しっかりと相手の全貌を窺うことができた。

 

 黒と緑の体色の四本足。

 

(ヘルガー? グラエナ? いや、違う……アレは一体!?)

 

 出来るだけ似ているフォルムのポケモンを思い浮かべるも、どれも目に映った相手とは違う。

 相手の正体を掴めぬまま、リラはゾクリと背筋を舐められるような悪寒を覚える。

 

「お願いします、ライコ―――」

「ゼドァァァアアアアアッ!!!」

「ウ……ッ!?」

 

 ボールを放り投げようとした瞬間、暗い洞窟の中を緑色の光が照らし上げる。

 すると、地面に大きく亀裂が入っていき、そのひび割れから止めどなく緑色の閃光が爆ぜ、リラとボールから飛び出してきたポケモンに襲いかかった。

 

 

 

(しまッ……!)

 

 

 

 直後、終の洞窟全体に激震が奔った。

 

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