夢の跡地に着いたぜー。おおー、なかなかいい感じの廃墟だな。野生ポケモンもたくさん住み着いてる。
どうも、トウヤです。原作に少しだけちょっかいかけることに決めました。やっぱり主人公組の活躍は見てみたいしね。タイミングがいいことに、廃工場内でトウコとベル、そしてプラズマ団の下っ端が言い争ってる。ムンナをいじめてるプラズマ団と、それを止めようとしてる主人公組っていう図式だったな、たしか。よし、そろそろ割って入るか。
「何やら騒ぎが起きてると思って来てみたら・・・。久しぶり、トウコにベル。お困りのようだけど?」
「トウヤ!いいところに!あたしはコイツと戦うから、そっちをお願い!」
「おk」
「なんだお前は?われらプラズマ団の崇高な行いを邪魔する気か?いいだろう、かかってこい!」
なんだかんだでバトル開始。ベルをちらりと見ると、あわあわしてる。うは!テラモエス!
主人公組とは同じクラスだったから、まあ顔見知り程度ではあった。いきなりバトルの手伝いを頼まれるほど仲が良かったわけではないが、緊急事態だしな。
「プラーズマー」
勝った。弱いぜぇ、プラズマ団の下っ端。他人から奪ったポケモンを使ってるらしい。ポケモン達と下っ端の息が全然合ってなかった。かわいそうに・・・。
どうやらトウコも勝ったようだ。主役が負けるわけないよね。おお、主人公オーラが出てる。
と、ムシャーナが作ったゲーチスの幻影が下っ端達を追い払った。すごいな、あれが幻影かよ。全然わからんかった・・・。
「ふぅ。ありがとうトウヤ。助かったわ。」
「いやいや、当然のことをしたまでだ。それにしてもあいつらってプラズマ団だろ?あいつらの目的ってポケモンの解放とか言ってたような気がするんだが。」
「そのはずなんだけどね・・・。どうもキナ臭いわね。」
「プラズマ団の目的か・・・。」
「ふええ、トウヤ君、ありがとねぇ。それにしてもプラズマ団ってひどいよね!あんなに可愛いムンナをいじめるんだもん!」
ベルはぷんぷん怒ってる。かわいい。
「じゃ、俺はもう行くよ。今度会ったらバトルしよう。」
「ええ、ありがとう。それじゃあね。」
「またねー!」
はー、原作イベント介入成功!なんか感動するな。ベル可愛いし。チェレンってベルに惚れてるんだっけ?二次創作での捏造だっけ?どちらにしろ、その気持ちはわかる!なんか守ってあげたくなるよね。あ、トウコは主人公オーラがパなかった。まだまだポケモン達は育てが足りないようだが、英雄の資格は十分伝わってきたわ。
ただいまシッポウシティに向かうため3番道路を歩いてます。お、あれが育て屋か。俺はこの世界ではしばらく育て屋を使う予定はないけどなー。となると、ここがbwの廃人ロードだな。と、感慨深く歩いていると、見たことある顔に出くわした。
「きみは・・・トウヤか。久しぶりだね。」
「おうチェレン、久しぶり。お前も旅してたのか。調子はどうよ?」
「調子はまずまずだね。・・・それはサンヨウジムのバッジだね?実は僕もサンヨウジムのバッジは手に入れたんだ。同じバッジを持つもの同士、バトルしないかい?」
「ああ、いいぜ。よし、バトルだ!」
ちなみにバトル描写は割愛する。現時点ではレベル差が半端ないから勝負にならない。
「なぜだ?同じバッジを持つ者同士なのに・・・。」
チェレンは落ち込んでるみたいだ。まー圧倒的に勝っちゃったからなー。
「チェレン、落ち込むなよ。実はこのハッサムだけどさ、俺が8歳の時から育ててるから現時点では相当強くなってるんだよ。それに野生ポケモンと戦いまくって経験も積んでるしな。」
「8歳から?それじゃあ強いはずだね。でも・・・。」
ずーんと落ち込んでるチェレンを見てるといたたまれなくなってくる。なんか罪悪感が・・・。しょうがない、ちょっとだけポケモン育成やバトルについてアドバイスするか。
「あのさ、チェレンは強さを求めてるんだったよな。クラスでもそんなことを言ってるのが毎日聞こえてきたし。」
「ああ、僕は最強になりたいんだ。チャンピオンを目指しているからね。」
「あー、チャンピオンね。なるほど・・・。それはわかりやすいな。でもさチェレン、チャンピオンは置いといて考えてみてよ。そもそも強さってなんだ?哲学的な話じゃなくてさ、ポケモンバトルで強いってどういうことか考えたことあるか?」
「それは・・・単純に言えばバトルに勝てるってことだろう?」
「ふーむ、なるほどね。それだったら、長い時間をかけてポケモンを育てればどんなポケモンでも強くなれるよな。日々の基礎トレーニングに、野生ポケモンとのバトルに、トレーナーとのバトルを繰り返していけば強くなるってことはこれまでの旅でわかってきた頃だろう?」
「ああ、そうだね。それがポケモンを育てる基本だろう?僕のミジュマルだって旅の最初の頃と比べたらずいぶん強くなってきた。」
「それでもまだまだ育成途中だろ?それでさ、今この瞬間に現チャンピオンであるアデクさんとお前がポケモンバトルをすることになったとしたら、それは対等なポケモンバトルだと言えると思うか?ご存知の通り、アデクさんのポケモンは相当鍛えられている。長い時間をかけて十分に育てられたポケモンを使ってくるだろうな。片やこっちはまだトレーナーになったばかりでミジュマルはまだ進化さえしていない。パーティだって6匹は揃えてないだろ?」
「・・・待て、一体何の話だい?」
「まあ聞けよ。それでさっきの質問だけどさ。答えとしては“対等”なんだよな、これが。少なくともこの世界では」
「話が見えないな。どういうことだ?」
「うーん、伝えるのが難しいな。なんていうかさ、まだ育てきれてないポケモンと十分育ったポケモンのバトルでは、相性とかトレーナーのバトル中の技量とかじゃ勝敗は絶対に覆らないだろ?そもそもその時点で、今のこの世界のバトルっていうのは破綻しているんだよなー。」
「でもそれがポケモンバトルだろう?」
「それが正しいとすると、つまり強さの指標ってのはポケモンの育ち具合ってことになるな。最強ってのは成長限界まで達したポケモンを6匹連れていることなのか?」
「・・・」
「お互いに成長限界に達したポケモン6匹を従えたトレーナー同士のバトルだったら、トレーナーの技量とかパーティ構成が重要になってくるだろうけど、そもそもこの世界では成長限界に達したポケモンを従えてるようなトレーナーなんていないんだよ。」
「え?アデクさんのポケモンは十分育っているだろ?」
「いやいや、それでもまだ成長の余地はあるんだな、これが。本当にこれ以上は強くなれないっていうまでポケモンを育てるのは実は凄く難しいし手間暇のかかることなんだよ。仮に厳密な意味での成長限界を迎えたポケモンをレベル100だとして、生まれたばかりのポケモンをレベル1だとすると、アデクさんのパーティは平均50ってところかな。」
「え!?50だって!?成長限界の半分じゃないか・・・。」
「ま、そういうことなんだよね。ちなみにそのレベル制で言うと、今の君のミジュマルは大体レベル15、さっき俺が使ったハッサムはレベル35ってところかな?取り敢えずポケモンの育ち具合の違う者同士の戦いについての話は以上かな。話を変えて、今度はポケモンの種族と強さの話をしようか」
「種族?」
「そう、種族。例えばさ、最弱と言われるポケモンにコイキングなんてのがいる。進化したらギャラドスになって強いんだけど、コイキングのままじゃ確かに弱いよな。仮にコイキングを進化させずにさっきの話で言うレベル100まで育てたとしよう。そいつと、レベル50のオノノクスが戦ったら、どっちが勝つと思う?」
「レベル的にはコイキングが勝つと思うけど、話の流れ的には違うんだろ?」
「そう、オノノクスが勝つんだよ。それだけレベル差があるのにね。ポケモンには種族ごとに決まってる強さがある。それを数値化したものを仮に種族値と名付けよう。HP,こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさがポケモンの強さの基本的なステータスだけど、それはポケモンのレベル、つまり育ち具合ともともと種族ごとに決まってる種族値とに比例して決まるってわけよ。で、コイキングはオノノクスより圧倒的に種族値が低いから、レベル差があっても勝てないんだ。まあ覚えられる技とか別の要因もあるけどね。」
「なるほど。種族値か・・・。」
「種族によって種族値に優劣があるのは現実だよ。だから、高い種族値を持った種族のポケモンでパーティを構成するのが強くなるひとつの道ってとこかな。だからといって種族値に縛られるのはよくない。君も基礎教育過程で習った通り、タイプや特性、覚えられる技の威力、多様性など他の要素もたくさんあるわけだから。なにより、種族値の低いポケモンを種族値が低いからと見下すようになるのは、それはもう外道だよな。」
「・・・それはわかるよ。好きなポケモンで勝ちたいって気持ちを失ったらトレーナーとしては終わりだ。」
「さて、強さの話からどんどんずれていったけど、何となく言いたいことは伝わったかな?」
「いや、まだよくわからないよ。それどころかますますわからなくなってしまった。強さとは一体なんなんだい?」
「お前が求めてる強さを端的に言うと、ズバリ“レベルの高さ”ってことになりそうだな。じっくり時間と愛情をかけてポケモン達を育てていけばたどり着ける領域だな。タイプ相性や特性を考えた戦術などトレーナーの技量ってのはその過程で得られるだろうしな。あとは、さっきちらっと話した種族値を基にした技構成を考えることも大事だな。そもそもポケモンの技で、威力と精度を実践レベルで保ち続けることができる数は、そんなに多くないだろ?練習する技を絞ったほうが威力も精度も保つのは簡単になるし。覚えていられて使える技の数は少ない。だからこそ、そのポケモンにとって効果的な技構成にするのが重要となってくるわけだ。」
「種族値を基にした技構成、か。」
「俺のハッサムを例にして考えようか。ハッサムはこうげきの種族値が高い。それに比べてとくこうは大して高くない。そんなポケモンがむしのさざめきという特殊攻撃を覚えることは正しいか?少ない技の枠を、得意じゃない特殊攻撃技に割くのは効果的と言えるだろうか?こうげきが高いんだから、物理攻撃であるシザークロスを覚えさせておいて、残りの技枠は補助技や別のタイプの技を覚える方がいろんな状況に対応できるようになってバトルで活躍できるんじゃないか?」
「たしかに。なるほど、そういう観点から技構成を考えたことはなかったな。」
「そういうことをじっくり考えて、あらゆる局面に対応できるパーティを組むことが大事だな。種族値については、似たようなことを基礎教育課程でなんとなく習ってるはずだ。ヨーテリーの進化系であるハーデリアはこうげきは高いけどとくこうは低いんですよ、的なことさ。その概念を厳密な数値として表し、種族別でも比較できるようにしたのが種族値ってわけだ。現在は種族値についてはあまり知られていないから、これは経験によって自分で学んでいくしかないな。」
「知識と経験は大事ってことだね。ありがとう、とても参考になる話だったよ。でも、こんな話は誰も知らないはずだよね?僕は聞いたことがなかったよ。君はどうして・・・。」
「その点については黙秘権を行使します。」
「はぁ・・・。ま、いいけどさ。」
「ま、さっき話したのはポケモンの基礎中の基礎だけで、全然厳密な話じゃないんだよ実は。そして、強さについてもまだまだ話すべきことがたくさんある。もっと詳しい話が聞きたかったら、まずは地道にお前のポケモン達を育ててからだな。」
「そうだね。それじゃ、さっそくポケモン達を育てることにするよ。」
「ああ、がんばれ。」
ふぅ、興が乗ってちょいと話し込んでしまったぜ。この世界のトレーナーの知識や戦術のレベルはなかなか低い。今の話だけでも、十分強くなるきっかけにはなるだろう。チェレンが強くなることで、トウコは苦労するだろうな。がんばれトウコ!(ゲス顔)