ポケモンbwの世界で   作:ochimarupo

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特訓

どうも、トウヤです。いつもお世話になっております。ただいま3番道路でレベル上げをしています。朝飯を食べて、野生のポケモンとバトルして、昼飯を食べて、野生のポケモンとバトルして、夕飯を食べて、ポケモン達の基礎トレーニングをして、ハッサムのハサミを磨いて、プルリルに柄杓で水をかけてやって、寝る。こんな生活をもう1週間続けてます。正直飽きた。先に進みたい。

レベルは着実に上がってる、と思う。ハッサムは大体レベル45、プルリルは40近くってとこかな。旅に出てからたった数週間普通にトレーニングやバトルしてるだけなのに、ものすごい速度でポケモンのレベルが上がっていくように感じるぞ。なんだこれ?いや、そもそもこんなもんなのか?こんなに短時間で育つなら、そもそも育成歴の長いトレーナーならレベル100のポケモンを持っててもおかしくないだろうに。カノコタウンにもトレーナー歴の長い人はけっこういたが、どいつのポケモンも大して育ってなかったように感じるが・・・。そういえば最近プルリルの様子がおかしい。なんとなくそわそわして落ち着いていない。たぶんだけど進化が近いんだろうなー。大丈夫大丈夫、心配ないよ、プルリル。

 

てゆーか、3番道路でのレベルじゃないよね。はっきり言ってレベル上げすぎィ!なんで先に進まないかというと、トウコら主人公組がまだ3番道路を通りすぎていないからだ。おいおい、ゲームだとサクサク進んでたじゃないか。3番道路で主人公組は、子供のポケモンがプラズマ団に奪われてそれを取り返すために色々やってるはず。というか、さすがにもうそのイベントは終わってるだろ。クソッ!こんなことなら主人公組を見張ってればよかったッ!

どれどれ、様子を見に少し戻ってみるか。

おや、主人公3人組が揃ってポケモンをトレーニングしてるぞ。こんなイベントなかったはずなのに・・・。まさかチェレンに話をしたことで、チェレンの意識改革が成され、それに触発されたトウコ、ベルと一緒になってずっとトレーニングしてるってわけか?なんてこった!ちょっとお話しただけだと思っていたが、ストーリー進行に遅れが出るほどに影響を与えてしまったってことか!?

うーん、これはどうなるんだ?シッポウシティではシッポウジムでのプラズマ団窃盗イベントがあるはずだが、それに間に合わなくなってしまうんじゃないか?ゲームでは主人公がいるところで事件(イベント)が起こるのが当然だったが、この世界ではそんな補正、修正力的なものが働くのか?・・・知らね。

 

そもそも俺がいる時点で原作のストーリー進行なんてどうなるかわかったもんじゃないしな。バタフライエフォクトで滅茶苦茶になるかもしれないし、そもそも軽くとはいえ介入までしちゃったし。うん、大丈夫!主人公がいなくても世界は廻るさ!くよくよ悩んでてもしょうがない!

 

つーわけで、主人公組に声かけてみることにする。今はトウコとチェレンがバトルしているので、ベルに話しかけた。

 

「おっす、しばらくぶり。みんなでトレーニングしてるのか。精が出るな。」

 

「あ、トウヤ君、久しぶりぃ~!」

 

「はっはっは、ベルは元気だな。お、そいつはもしかしてあの時のムンナか?」

 

「そうだよ~!ムンちゃん、かわいいでしょ?」

 

「きゅー!」

 

「かわいいなぁ。よしよし。」

 

「きゅーん」

 

ムンナを撫でてやる。気持ちよさそうに目を細めるムンナ。かわいい。

 

「それにしてもずいぶん長いこと3番道路にいるじゃないか。みんなで特訓でもしてるのか?」

 

「そうだよ~。なんでもチェレンがトウヤ君から色々教えてもらってからすごいやる気出しちゃって、あたしたち、特にトウコが負けじとやる気出しちゃって。」

 

「なるほどな。お、バトルはチェレンの勝ちみたいだな。お疲れ様、チェレン、トウコ。ポケモン達もなかなか育ってきてるようじゃないか。」

 

「久しぶり、トウヤ。君に話を聞いてからずっと特訓してきたからね。やっぱりポケモンを強くするにはバトルして経験を積むのが1番だからね。」

 

「ああ、そうだな。ん?どうした、トウコ?そんな思いつめた顔をして。」

 

「・・・お願い、トウヤ!あたしにもポケモンのこと教えて!あなたに話を聞いてからチェレンはすっごく強くなったわ。あたしも負けてられない。強くなりたいの!だからお願い!」

 

おお、すごいやる気だな。たぶんチェレンに負け越してるんだろうな。こんなに負けず嫌いな性格だったのか、トウコは。さっきのバトルは最後の方しか見れてないけど、どちらのポケモン達も原作の3番道路時のレベル状況よりは少し上のレベルまで育っているように見えた。でも、1週間で俺は10以上レベルアップしたのに、トウコ達はちょっとしかレベルアップしていないように見える。確かに強く放ってるみたいだけど。あぁ、ポケモン図鑑が欲しい!といってもこの世界のポケモン図鑑にはレベルや詳細ステータスの把握機能は付いていないがな・・・。俺もトウコ達も同じ1週間トレーニングを続けてたはずなのに、ここまで成長に違いがあるのはどういうことだ?

 

「落ち着けよ、トウコ。教えるったって何を教えればいいのさ?チェレンに話した内容はチェレンから聞いてるんだろ?今は小難しいこと考えるより、しっかり自分のポケモン達と向き合ってじっくり地力を育てる時期だ。毎日バトルして基礎トレーニングを続けていけば強くなれるよ。焦るなって。」

 

「でも・・・。」

 

トウコは俯き下唇を噛み締めている。え、こんなにチェレンに負けたのが悔しかったの?マジかー。ちょっと焦ってるように見えるな。

 

「うーん、じゃあちょっとだけ話すけど、その前にお前らのトレーニングについて少し聞かせてもらえるか?どんなことをやってるのかとか。」

 

「うん、と言っても毎日野生のポケモンとバトルして、あたし達の間でもバトル練習して、終わったら技の練習をしてるだけよ。」

 

「なるほど。1日に何回くらいバトルするんだ?」

 

「えぇっと、そうね、野生とは10回くらいかな。あたし達の間では2~3回ってとこかしら。」

 

これは驚いた。これがこの世界の一般トレーナーの感覚なのか。“バトルすることで経験値という数値が入る”っていう感覚を持ってないからか、バトルの回数がめっぽう少ない。野生とのバトルをただの練習と思ってるからこうなるのか?というか、国民性というか、今世界の住人はものすごくのんきというか、なんというか。特訓でそれじゃあ成長速度がこの程度なのも頷けるな。なるほどな、俺は野生と1日それぞれ1000回以上はバトルしてるから、そりゃあレベル上がるのも速いわな。しかし、この情報をどこまで伝えていいのか・・・。下手に伝えるとなんか問題になりそうだ。経験値システムについてはこの世界の誰かが気づいても良さそうなシステムなんだけどな。まあ現実に生きている生き物だから、「バトルで勝つ」→「経験値が入る」ということが成長の1番の要因になってるってことになんて気づかないかもなー。そう考えるとポケモンって不思議な生物だよなー。ポケモンの成長についてはもしかしたら前に考えたポケモン魔力的なものが関係してるのかもしれないな。

 

「そうだな・・・。じゃあ1つだけアドバイスするか。もっと野生やトレーナーとのバトルの回数を増やしたほうがいいな。たくさん戦うことで経験を積むとポケモンも強くなるだろ。1日に50回以上は野生と戦ってみるといいよ。」

 

経験値システムについてはかなりぼかして伝えてみた。これくらいなら数値としての経験値について気づいてしまうこともないだろう。

 

「えぇ~!?そんなにいっぱい戦わなきゃダメなの!?」

 

まあベルはそんなにバトルジャンキーって感じじゃないからなー。でも、強くならないとヒウンシティでムンちゃんをプラズマ団に強奪されちゃうぜ?

 

「わかった、やってみる。」

 

トウコはやる気満々だ。チェレンもイケメンな仕草でこっくりと頷いている。ちっ、イケメンめ。

 

 

 

 

そして修行開始。トウコとチェレンは精力的に野生ポケモンとバトルしている。ベルは数回戦ってバテたようだ。

 

「ふぅ~、疲れたぁ。がんばったね、ムンちゃん。」

 

「おいおい、ベルはもうバテたのか。まだ3匹ぐらいとしか戦ってないじゃないか。」

 

「だってぇ~」

 

ベルは良くも悪くもマイペースだな。まあそこが魅力なんだろうけど。ポケモン達もベルにはかなりなついてるようだし。

 

「そういえばトウヤ君はどうして旅に出たの?トウヤ君、成績すごく良かったんだよね?すぐにこうとーきょーいくかてーに進むと思ってたけど。」

 

「ああ、すぐに進学するかそれとも旅をするかで悩んだんだけど、やっぱりポケモンと一緒に世界を見て回りたかったからな。」

 

「そうなんだ~。あたしはね、旅に出るの、パパに反対されてたの。でも、あたしもトウコやチェレンと一緒に旅をしたかったから無理矢理出発しちゃったの。」

 

「そうなのか。でもそれだとパパが心配して夜も眠れなくなってるんじゃないか?」

 

「知らないもん、パパなんて。」

 

バツが悪そうにそう言うベルたんマジテラモエス!ディ・モールトディ・モールト良いぞッ!

 

ベルとしばらく他愛もない会話を楽しみ、気がつけば日暮れとなっていた。トウコとチェレンは言った通り50体以上の野生ポケモンと戦い終えたみたいで、今は対戦中だ。

 

「そこよ!かわしてニトロチャージ!」

 

「フタチマル!ニトロチャージを避けるのは難しい!なんとか耐えてシェルブレードだ!」

 

「ぶー!」

 

「ぴぃッ!・・・きゅう・・・」

 

半減とはいえ、その前にヤナップに削られてたダメージと相まってミジュマルは戦闘不能となった。

 

「よし、勝った!」

 

「ふぅ、負けたか。それにしても今日1日だけでトウコはずいぶん強くなったんじゃないかい?フタチマルとチャオブーじゃ相性が悪いのに倒しきれなかったからね。」

 

「ふふ、特訓の成果が出てきてるみたいね、がんばったわね、チャオブー。」

 

「ぶーっ!」

 

トウコは今日一日だけで今まで負け越してたチェレンより強くなったのか。さすが主人公。オーラでポケモンを強化してるのか?

 

「バトル特訓は終わりでしょ?もうおなかペコペコだよお!ご飯にしようよ!」

 

「そうだね、ベル。そろそろ夕食にしようか。」

 

すっかり暗くなったな。みんなで焚き火を囲んで携帯食料を食べる。この携帯食料、前世でいうカロリーメイトのようなものじゃなく、ちょっとしたお弁当みたいになってる。ちょっと大きいけど四次元バッグを持ってる旅人なら大量持ち運びにも問題はない。日持ちするし美味しいから旅人には人気だ。ちなみにポケモン達には専用のポケモンフーズを与えている。それぞれのポケモンに合った栄養バランスとなっており、味も美味しいらしい。

 

「たった1日特訓しただけなのに、もう結果が出てきてるようだな。無理しない程度でバトルは多くこなした方がポケモンもトレーナーも強くなれることはわかってくれたか?」

 

「ええ、バトル実践訓練がこんなに効果的だと初めて気がついたわ。」

 

「ポケモンに指示を出す時のとっさの判断力も実践的に鍛えられるしね。ポケモンとの連携もこなれてきた。」

 

「あたしもちょっとは強くなったかなあ?どう思う、トウヤくん?」

 

「ベルはまだまだだな。トウコやチェレンを見習ってもっと戦い慣れないとな。」

 

「ぶー、わかってるもん。どうせあたしなんてトウコやチェレンにはかないませんよーだ。」

 

「まぁそう拗ねるなって。ベルもバトルの筋はいいよ。そのへんの鍛えられてないトレーナーにはまず勝てるだろう。それにバトルだけがポケモンとの付き合い方の全てじゃないだろ?」

 

「たしかにそうだよね・・・。ねえ、みんなは将来の夢とかってあるの?」

 

「急にどうしたんだい、ベル?そうだね、僕は強さを手に入れてチャンピオンを超えることだけを考えて旅をしてきたけど・・・最近はちょっと考え方が変わったかもしれない。もちろん強くはなりたいし、チャンピオンに勝ちたいとは思ってるけどね。トウコは?」

 

「うーん、そんなに深くは考えたことがなかったけど・・・そうね、とりあえずポケモンマスター、なんてのはどう?」

 

「とりあえずで目指すものじゃないだろう、ポケモンマスターは。でも、そうか、なんだかトウコらしいな。なんとなくだけどトウコだったらなれるんじゃないか、って思うよ、ポケモンマスターに。」

 

「そうだよお!トウコはとってもバトルが強いし、頭もいいし、きっとポケモンマスターになれるよ!あたしはね、まだどうなりたいかとか将来の目標とかなんて決めれないよ。この旅でなにかを見つけられたらいいな、とは思ってるけどね。トウヤくんは?」

 

「俺は・・・俺も深くは考えたことがなかったけど、ポケモンの研究には興味あるかな。研究者を目指してみるのもいいかも。俺もこの旅でいろんな人やポケモンと出会って、いろいろな経験を積んで、将来のことはそれから考えるよ。」

 

「研究者かあ、なんとなくだけどトウヤくんに似合ってるかも。」

 

なんか根暗でオタク気質だから研究者がお似合いだぜ、って馬鹿にされた気分だなー。前世の僻み根性か?

 

 

 

 

食事を終えて、各々自由に過ごしてる。チェレンはポケモンと技の練習をしてるし、トウコとベルはポケモン達と戯れている。ああ、これはいいものですね。美少女とポケモンのハーモニー。ご飯3杯は軽い。

 

「じゃあちょっとベルと水浴びしてくるね。火の番よろしく。」

 

なん・・・だと・・・!?

 

み、水浴びだと?こんな重要イベント、予想外過ぎて思考がショートしてしまいそうになったぜ。まあベルもトウコもお年頃。身だしなみには特に気を使いたいんだろうけど・・・ちょっと危機意識が足りないんじゃないか?よし、女の子の旅の危険というものを教えてやるのが実年齢30越えの大人である俺の役割だな、そうに違いない。断じて裸が見たいわけじゃない。長旅で汗が染み込んだ服―きっとむせかえるような女の子の香りがする―をこっそりクンカクンカしたいわけじゃあない。フヒヒ

 

と、ちょっと待て。二次転生物の小説では、スケベ根性を出したオリ主ってのは総じて痛い目を見るパターンなんじゃないか?今の俺は曲がりなりにもオリ主状態。

 

『水浴びは視察する』『服もクンカクンカする』「両方」やらなくっちゃあならないってのが「オリ主」のつらいところだな。覚悟はいいか?オレはできてる。

 

 

 

 

 

しかしバレるのは避けたい。一応主人公3人組とはこれまで紳士的(なつもり)に接してきた。紳士な俺のイメージが、バレたら一瞬で崩れ去ってしまう。最初からスケベキャラで接していたらバレてもお約束の折檻程度で済むんだろうが、今の俺の状況ではバレたらドン引きされて追放されてしまう可能性がある。そうなったらもう原作には関われなくなってしまう。クソッ!基礎教育課程の時からスケベキャラとして振舞ってればよかったぜ。さっき「覚悟」したばかりだというのに!

 

落ち着け。なにもチャンスは今日1度きりじゃない。今回は突発的なイベントで、そんなことが起きる想定してなかったから策を練る時間もなかったが、次回までに絶対にバレない策を用意しておけばいい。待ってろ桃源郷、次こそは必ずその姿をこの目に焼き付けてやるからな!




いきなり主人公のキャラ付けエピソードを入れてみました。これまでの主人公の言動からするとちょっと突飛で違和感あるかもしれませんが、もともとこの主人公はスケベでヘタレな策士家気取りです。
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