狩人は迷宮に立つ   作:かるて卍

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プロローグ

巻き起こる嵐、止むことの無い雨、その渦中に男は血濡れの太刀を持って立っていた。そしてその目の前には満身創痍の嵐竜が宙に漂っていた。

 

誰がどう見ても嵐竜の劣勢、そしてその男の優勢が見て取れた。しかし異様なのはその男の様子だ。

 

男にはあまり目立つ傷は無く、あると言っても顔に入った切り傷だけだった。息もそれほど上がっていない。傷だらけの嵐竜に対しこの男はまだ余裕が残る顔で目の前の嵐竜を見据えていた。見る限り重装備ではなく深編み笠を頭に被り和装の動きやすそうな防具を身につけていた。

 

最後の抵抗と言わんばかりに嵐竜の口から水のブレスが迸る。

 

しかし男は横にステップして躱し、太刀を真横に振った。

 

「これで終わりだ。アマツマガツチよ。」

 

その言葉と共に嵐竜・アマツマガツチは地面に倒れた。

 

それに呼応するように先程まで荒れ狂っていた嵐は消え去り雨も止み、空には蒼天と爛々と輝く太陽が顔を覗かせていた。

 

「これで……全てが終わったのか……」

 

男は呟きアマツマガツチを背に踵を返してその場を立ち去った。

 

 

 

アマツマガツチの依頼を終え、俺はユクモ村に戻って来た。村の最大の脅威であった嵐竜を討伐し、暫くは休めるなと思いつつ村の門をくぐる。

 

「お帰り旦那!」

 

「おお、無事に帰ってきやがったか兄ちゃん!」

 

「おかえりなさい月華さん。無事で本当に何よりです。」

 

村の住人から次々と感謝と祝福の言葉がこの月華と呼ばれた男に浴びせられた。

 

「ただいまみんな!嵐竜を倒して……俺は帰ってきたぞ!」

 

その言葉を皮切りに村中から歓声が響き渡り、宴が始まった。

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様でした月華さん。この度のアマツマガツチの討伐、本当にありがとうございました。」

 

「いえいえ、これが依頼でしたしこれが俺の仕事なので。しかし今回ばかりは少し疲れましたね……」

 

この少年の名は護堂月華。ユクモ村に所属する上位ハンターでありギルドから《迅速の狩人》とまで言わしめたハンターである。

 

そして彼に感謝していたのはこのユクモ村の村長だ。美麗な浴衣を着ており、種族は竜人族でその特徴に耳の先が尖っている。

 

「そう言えば先程ギルドから連絡が入っていましたよ。『嵐竜の討伐御苦労様である。嵐竜討伐の報酬として貴殿に暫しの休暇を与える。戦いに疲れた体をゆっくりと休めるといい。貴殿の休暇の間はギルドの方からハンターを送っておく。では暫し休暇を満喫するといい。』だそうです。」

 

村長はギルドからの通達を読み上げ月華にニコリと微笑んだ。

 

「そうですか……ではお言葉に甘えて。」

 

そして月華は酒を一気に酒を飲み干した。

 

宴はそこから三日三晩続いたそうな。

 

 

 

side月華

 

そして休暇を言い渡されたその晩、俺は自室に居た。

 

「これで目下のアマツマガツチも討伐した事だししばらくはゆっくりと出来るかねえ。」

 

俺は感慨深く武器の入った箱を撫でる。この箱には俺が今まで使ってきた様々な武器が入っている。武器を鍛えモンスターを討伐してその素材でより強い武器を作ってここまで来た。

 

「もう以前の様に慌ただしくなる日も無くなるかも知れないな。今までありがとう、武器たちよ。」

 

俺は今までの記憶を思い出しながら呟いた。

 

その瞬間

 

「ッ!?なんだ……急に頭痛が……ガァ!?」

 

俺は暗転する意識の中それ迄の戦いの記憶が走馬灯のように流れながら武器箱の上に倒れた。

 




まずは短めここから徐々に長くしていく予定(あくまでも予定です)
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