狩人は迷宮に立つ   作:かるて卍

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月華のステイタス

 

「着いたよ。ここが我らが【ロキファミリア】のホーム黄昏の館だ。」

 

そう言ってフィンが指したのはかなり大きな西洋風の建物だった。正直言ってかなりでかい。うちの集会浴場より広いかも。

 

「みんなおっかえりーー!」

 

黄昏の館の入口から甲高い声を上げながら中性的な顔つきの男性?がアイズに飛びついた。

 

「ふへへへへ久々のアイズたんの匂いっ!僥倖やわ〜クンカクンカ」

 

「……」ピキッ

 

アイズの額に静かに青筋が浮かぶのが見えた。俺はご愁傷さまとでも言わんばかりに合掌した。

 

「クンカクンカフヒヒジュル……ゴフッ」

 

案の定中性的な顔つきの男性はアイズに腹パンで軽く吹き飛ばされていた。

 

「いたた……相変わらず辛辣やなぁアイズたん。それはともかくみんなお疲れ様や。みんなホームに入ってゆっくり休みや。」

 

とその男性?は手を叩いてここにいる者に入るように促す。

 

「ロキ、ちょっと話があるんだ。」

 

ロキと呼ばれた男性はフィンの方に顔を向けた。

 

「どうしたフィン。なんか問題でも……誰やそいつ。」

 

「この子について話がある。遠征の結果はその後にしてくれないかな。」

 

いや子って年齢じゃないんだけど。俺もう23よ?

 

「ほーん、分かった。じゃあそこの少年、それにフィンもついてきな。」

 

俺に訝しげな視線を向けた後自分のあとをついてくるように言った。

 

 

 

 

ロキは館の中の部屋に入り俺をソファに座らせるとこちらに視線を向けてきた。

 

「それで?君は誰や?」

 

「俺の名前は護堂月華だ。あなたは?」

 

「うちはロキ。ここのファミリアの主神をしとる。」

 

「主神?神さま……なのか?」

 

俺が問うとその問にフィンが答える。

 

「そのあたりの説明やこの都市での常識は僕が説明するよ。」

 

そう言ってフィンは話し始めた。

 

 

フィンから聞かされることは全てが俺の予想を超えてくるものだった。ダンジョンのこと、神のこと、ファミリアのこと、冒険者という職業についてなどについて説明された。

 

正直かなり驚いている。神が下界に降りてきて子供たちに力を与えてその力を授かった子供たちは人間離れした力を発揮する……と。いろいろ言いたいことはあるがこれがこの世界での常識のようだ。

 

「とまあ、僕から説明できるのはこのくらいかな。……じゃあ君のことを教えてくれないかい?」

 

フィンがこちらを見定めるような眼差しで見つめる。少なくとも子供のする目じゃねえ。

 

「分かった。少し長くなるが説明しよう。」

 

俺はハンターやモンスター、ギルドのことなどについて細かく説明した。

 

ロキは所々普段の細い目を時に見開いて聞いていた。

 

「月華はこの世界のことについて驚いとったけどそっちの世界も大概やないかい……なんよ空飛ぶ飛竜とか雷を纏う竜とか……しかもそれを武装した恩恵(ファルナ)も受けとらん月華を含めたハンターとかいう人間が倒すって。」

 

ロキは軽く引いている。やはり世界が違うと常識も認識も違ってくるのだと思った。

 

「……月華はハンターでそういったモンスターを狩ってきたんだよね?」

 

それまで黙っていたフィンが口を開く。

 

「ああ、一応それなりに腕前に自信はある。少なくともあのミノタウロスだったか?あの程度には負ける気がしないな。」

 

「そうか……君はこれからどうするつもりだい?」

 

「そうだな……とりあえずそのギルドってとこに行って冒険者として登録するかな。あ、ファミリアも探さないといけないのか。」

 

俺みたいな世間知らず誰が入れてくれるのか多少不安だがどうだろうか。できればそれなりに強いところがいいなーとか考えてるとフィンがこちらを見据え口を開く。

 

「君さえよければ僕はうちのファミリアに招待しようと思う。君は聞く限りでは優秀な人材だ。実を言ってかなり欲しい。」

 

その言葉に少し驚いた。この世界のことを何も知らない怪しさMAXの男をファミリアに迎え入れるとは何を考えているのだろう。

 

「君は今なんでこんなに怪しい自分をファミリアに入れようとしているのか……とか思ってるね?」

 

ーー何で分かるんですかねぇ……

 

「その顔は図星だね?大丈夫。話してる限り見た目の割にはちゃんとした人間のようだしね。」

 

「見た目の割にってなんだ。俺は23だぞ?そんなに子供っぽく見えるか?」

 

と少し不機嫌そうな顔で返す。すると二人とも目をパチクリさせながらこっちを見た。

 

「いや……自分、どう頑張っても16くらいにしか見えんで?」

 

その言葉にフィンも頷く。

 

いやいやいやいやそんなことはないはず。俺は自分で言うのもなんだが結構顔は大人びてる顔だったはずなんだが……

 

少々パニクってるとフィンが手鏡を手渡してくれた。その手鏡をのぞき込むと想像より若々しい自分の顔が写っていた。

 

……はい?

 

「若返ってるぅ!?」

 

世界を移動した弊害なのかどうなのかよく分からないがとにかく自分は見た目15〜16歳くらいの少年になっていた。

 

 

 

「落ち着いたかい?」

 

「あ、ああ、一応な。凄く驚いたけど。」

 

いや普通思わないでしょ鏡に自分の若返った顔が写ってるなんてさ。

 

「それでどうする?【ロキファミリア】に入るか他を当たるか……」

 

正直言ってかなり嬉しい申し出だわざわざ探さなくてもここオラリオで最強クラスのファミリアに入れてもらえるのだ。答えは決まっていた。

 

「どうぞ不束者だがこれからもよろしく頼みたい。」

 

こうして護堂月華はロキファミリアの一員となった。

 

 

 

フィンが用事があるからと言って部屋を去り、部屋には俺とロキの2人になった。

 

「それじゃあフィンも行ったことやし早速恩恵(ファルナ)を刻もか。」

 

確か神が力を与える的なやつだったか。人によっては最初から魔法やスキルが発動しているらしいが俺はどうなんだろう。今までの経験が反映されるようなスキルでも発動したりするのだろうか?

 

「じゃあ上半身裸になりや。」

 

「えっと俺そっち系じゃないんだけどな。流石に男に裸になれと言われるとは思わなかった。」

 

「いや、うち女神よ?」

 

「えっ……あっ……なんかすまない。」

 

「ねえうち泣いてもええんちゃう?てか泣く1歩手前やで?」

 

涙目になって訴えるロキ。

 

罪悪感を感じながらも鎧と上着を脱ぎベッドに仰向けに寝転がる。

 

神の血(イコル)を月華の体に注いでエンブレムを刻めば契約完了や。」

 

ロキが指から血を背中に垂らしそこからが浮かび上がる。

 

「よっしゃこれで終わりやで。これで月華はうちの家族や。ステイタスはどれどれ……はぁ?」

 

「む?ロキ様どうかしたか?」

 

「いやいや何やこれ……こんなん見たことないで!?」

 

 

護堂月華

 

Lv4

 

力:126(G)

耐久:56(I)

器用:338(E)

敏捷:410(D)

魔力:0(I)

 

《魔法》

 

【】

 

【】

 

《スキル》

 

【狩人の吟志】

・今までに習得した技使用可能

・好きなスキルを2つ自身に付与できる。ただし常に付けておくことができるのも2つだけ。着脱可能。

・今までの経験を経験値としてステイタスに反映する。

【天啓精進】

・自身の経験や技能を反映させやすくなる。

・敵が強いほど効果増大

・集中するほど効果増大

 

 

(いやなんやこれ!なんでもう既にレベル4なんや!前代未聞やでこんなの!?……このスキルの効果か……【狩人の吟志】の3つ目の効果、『今までの経験を経験値としてステイタスに反映する。』これが原因か…それでもチートやでこんなの……)

 

ロキは新しく出来た悩みの種に頭を抱えた。

 

 

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