あの問題児少女がペンギン村から来るそうですよ? 作:dr.スランプ
ゲンゴロウ島ペンギン村モモンガ一番地。
此処はかの有名な問題児が住む家であるが…丁度問題児が山奥から帰ってきたようだ。
「キーン」
両腕を飛行機の主翼の様に広げるポーズで走って来る。
辺りの物をぶっ飛ばして走るソレは──天災であったとされる。
「あらゃ?やっちったけどいいや」
笑いながら言う問題児の少女の後ろには──頭可笑しいほどぶっ壊れていた。
すると、家の中から声が聞こえて来る…彼女の産み親である則巻千兵衛の物だ。
「ほーい。今行くよ博士ー」
問題児少女が家に入る瞬間目に留まる不思議な手紙をポストから取り出し太陽に掲げる。
「ほよぉ?なにこれ」
誰かが三十五度角度を付けでも、百七十三度角度を付けでも手紙である。
「うほほーい。かっくいー手紙だ」
問題児少女も手紙だと理解したようだが笑い方も喋り方も独特な──アラレ語である。
「けひゃけひゃ。おもしろいから開ーけよ」
手紙を開けた瞬間には既に視界は変わり果て問題児少女は特に慌てること無く平然と…
「ありゃりゃ。此処つおいの居るかな?」
余裕な表情よりふざけたの方が強く見られるのは可笑しいだろうか。
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。その才能ギフトを試すことを望むならば、己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、我らの“箱庭”に来られたし』
高さにしておよそ4000メートルもあろうかという場所に、問題児少女は現れた……否、放り出された。
開けた視界一杯に映るのは未知の光景。自然から建造物に到る一つ一つが現実世界じゃ到底知りえなかった御伽噺のものだが少女は気づかない!
あの手紙は〝招待状〟であり、呼び出されたここは────完璧なまでの異世界なのだとも知らない!
*
「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺り込んだ挙げ句、空に放り出すなんて!」
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」
「………いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」
「俺は問題ない」
「あたしもへっちゃら!」
「そう。身勝手ね」
二人の少年少女はフン、と互いに鼻を鳴らして服の端を絞る。その後ろに続く形でもう一人の少女が岸に上がる。同じように服を絞る隣で猫が全身を震わせて水を弾く。
「ここって、どこだろう?」
アラレの見たことが無い世界。
「さあな。まあ、世界の果てっぽいものが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねえか?」
アラレの呟きに金髪の少年が応える。何にせよ、彼らの知らない場所であることは確かだった。
適当に服を絞り終えた金髪の少年は軽く曲がったクセっぱねの髪の毛を掻き上げ言う。
「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」
「そうだけど、まずは〝オマエ〟って呼び方を訂正して。―――私は久遠飛鳥よ。以後は気をつけて。それで、そこの猫を抱きかかえている貴女は?」
「………春日部耀。以下同文」
「そう。よろしく春日部さん。最後に、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」
「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃った駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれよお嬢様」
「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」
「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様んで…お前は?」
「あたしアラレ。イザヨイってつおいの?」
身も蓋もない疑問に可笑しかったのか笑い出す十六夜。
「どうだろうな…だが俺の世界じゃ敵うものなんて居ねえよ」
ふーんと言って十六夜に付いているゴミを払おうとしたが十六夜は飛ばされた。
それから十六夜は数十分戻って来なかったと言う。
アラレちゃんってパンチ一発で惑星破壊に体当たりで他の惑星まで飛ばしたり逆に地球割るほどの攻撃でも耐えれる。
パンチの風圧で太陽破壊などのチートがあるんで充分生きていけますね。