平凡な俺と巫女のきみ【完結】   作:うたたね。

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ほい、遅れてすいません。ちょいとスランプにはまってました。なので、今回は自信がありません。
ですが、楽しんでいただけると助かります。


第四話 紅葉と臆病ときみの笑顔

「秋だね」

「秋ね」

 

 縁側から宙を舞っている紅葉を見ながら、俺と霊夢はそんな事を呟く。

 秋といったらやっぱり紅葉だ。紅葉が紅くなったり黄色くなったりすると、やっと秋が来たかと感じれる。秋の代名詞といっても過言ではないかもね。

 

 俺は秋が好きだ。因みに二番めは春。何故秋が一番好きかと言うと、秋は俺が好きなものが多いからだ。食欲の秋、というように木の実なども沢山生るし、紅葉みたいな綺麗なものも見える。気温もちょうど良いしね。

 春も秋も似た者同士だけれど、俺から見れば、秋は春よりちょいと勝ってるんだ。だから俺は秋の方が好きなんだ。

 

「でも、もう秋も終わっちゃうんだよなぁ」

 

 秋から冬へ移り変わり、冬から春へ、春から夏に、移り変わる。そしてまた、秋に巡り回ってくる。

 そうやって季節はいつも回ってきた。

 

 ふふ、此れを口に出してたら、霊夢は「格好付け」って言うんだろうね。俺もそう思うよ。

 この前、紫さんにも言ったけれど、俺ぐらいの年頃は大人の真似をして格好付けたがるもんなんだよ。背伸びをしたがるお年頃なんです。

 

「そういや奏は秋が好きだったわね」

「うん。特に秋の終わり頃はね。もうすぐ好きな季節が終わるってのは、少し悲しい事だけど、秋の終わり頃は綺麗なものも沢山見れるから」

「ふーん。あんたって、意外と儚いものが好きよね。もっと派手なものが好きだと思ったわ」

「ん、派手なもの好きだよ。花火とか、きみ達の弾幕ごっことか」

 

 でもやっぱり、儚いものが好きです。

 桜は散り際が一番綺麗だというし、紅葉も同じだ。派手に爆発する花火も好きだが、俺は線香花火の方が好きだったりする。あのパチパチなったあとにポトンと落ちるのは大好きだ。

 

「霊夢は……春夏秋冬どれがすきなんだい?」

「うーん……」

 

 霊夢はちょいと考える素振りする。そんなに難しく考える必要はないのにね。

 

「私は春、ね」

「へぇ……其れまた何で?」

 

 暖かい季節だからかな? 其れとも花見とかがあるからとか。春も良いところは沢山あるもんね。

 そういや、俺の誕生日も春だった。完全に忘れてました。

 

「何となく。何故かは分からないけど、春が好きなの」

「そうかい。ま、好きな理由なんて無くても良いか。其れが好きだったら其れで良いと思うし」

「ええ、そうね」

 

 俺は軽く笑い、霊夢の口も小さく弧を描く。

 まあ、アレだな。いつもと変わらない日常ってやつだ。縁側でお茶を啜ってお話をして、二人で笑うそんな日常。

 そんな日常を、俺はかなり気に入っています、

 

 

「そういやあ霊夢。今日、秋の幸を持ってきたんだが──「寄越しなさい!」

 

 うんうん、分かったから身体をぐらぐらするのを止めて下さいな。そんぐらいじゃ気分が悪くなったりはしないけれど、食材を渡せないからさ。

 まあ気持ちは分からんでもないけどね。俺も秋の幸は大好きだし。特に栗は最高です。

 

「ちょいと落ち着けよ、霊夢。食材を渡せないじゃないか」

「ご、ごめん。ちょっと正気を失ってたわ」

 

 ちょっとどころじゃなかった気がするけどなぁ……。気がついてないのだろうか? 其れ程までに此の食材達が欲しいのかい? 恐るべし、秋の幸達。

 

 俺は霊夢の真剣さに内心若干引きながらも、包に入った食材達を渡す。其れを受け取ると、霊夢はパァと光が灯ったとような明るい顔をしてました。ホントに嬉しかったんだね。其れはわざわざ採ってきた甲斐がありました。良かった良かった。

 

「ね、ねぇ、ホントに良いの? ホントに貰って良いの? 私、貧乏だから、大した御礼はできないわよ?」

「いやいや、いつもお邪魔してるからさ。其れの御礼だと思ってくれよ」

「あら? そう考えたら、御礼を持ってるくるのは当たり前ね。いつもお茶と茶菓子をあげてるんだから、感謝しなさいよ」

「ははは……手のひら返しがすごいな。ま、感謝してますよ、ホント」

 

 ホントに、感謝してますよ。家族がいない(、、、、、、)俺は、そうやって温かく迎えてもらうだけでも十分満足です。

 

 

 だからいつもありがとう。

 

 

 なんて事は、少し怖くて言えないや。

 感謝の気持ちなら伝えられる。でも、いつも一緒にいてくれてる事の感謝の気持ちを伝えるのは、ちょっぴり俺には無理そうです。俺はやっぱり、どこまで行っても臆病だなぁ。

 

「どうしたの?」

 

 霊夢がこてっと首を傾げる。俺は「何でもないよ」と本心を隠す。霊夢が人の好意を踏み躙るような奴だとは思っていないが、心の何処かで俺は不安なんだろう。そうでもなきゃ、本心を隠したりはしない。

 

 どこまでも臆病で、自信がない俺の逃げだ。自分の想いからの逃避行。

 

「あんた、さっきから何だかおかしいわよ? 表情が何処か暗いし……なんか悩み事でもあんの?」

 

 おっと。表情に出てたみたい。危ない危ない。

 

「言いたくないのなら詳しく聞かないけれど……何かあったら話しなさいよ? 相談ぐらいは乗ってあげるから」

「そりゃあ良いね。だけど、遠慮しておくよ。此れは俺が解決しなくちゃいけない問題だし」

 

 きみもその問題に関わってるしね。寧ろ、中心近くにいると言っても過言ではない。

 尤も、そんな悩み事は大したもんじゃあないんだけれど。

 

「なら良いわ。精々頑張りなさい」

「ああ、頑張るよ」

 

 あの白黒魔法使い程頑張る事はできないけれど、其れでもまあ、僕なりに努力していこうと思う。

 

「あら? もう日が沈んできたわね……そろそろ夕飯でも食べましょうか。折角あんたが秋の幸を持ってきたのだし、今日はご馳走ね!」

「料理は何方が作る? 俺が作ってもいいのだけど、折角だし二人でやるかい?」

「うーん……そうね、一人でやるのも面倒臭いし、一緒にやりましょう。私も一応、あんたのお世話になってるわけだし」

「んじゃ、二人でやろうか。ほら、さっさと台所に行こうぜ」

 

 俺が歩き、その後ろを霊夢が付いて来る。なんか妹みたいで可愛いです。

 案外俺は、妹好きなのかもしれないね。フランちゃんからお兄さまって言われた時、嬉しかったしね。やっぱりさ、妹がいないからこそ、兄と呼ばれると嬉しいんだろうね。

 

 なんて莫迦みたいな事を思考していると、台所に付いていた。

 

「なあ霊夢」

「なによ」

「一緒にご飯作るってさ。夫婦みたいだよね」

「あ、あんたなに言ってんのよ!?」

「ふふ、顔赤くしちゃってさ。恥ずかしがるなよ、これぐらいで。ただの冗談じゃないか」

 

 そう言うと、霊夢は真っ赤な顔で俺を睨んでくる。俺はそれを見て笑う。

 そんなに恥ずかしがる事はないだろうに。そんなにムキにならないでよ。昔はね、『奏と結婚する〜』とか言ってたのにね。まあ子供の頃だから霊夢も覚えていないだろうし、子供なら結婚なんてすぐに口走る。

 

「ささ、早く取り掛ろうぜ。今日はいつもより夕飯を作るのが遅いんだから、これ以上時間を無駄にするわけにゃいかんだろう?」

「誰のせいだと思ってんのよ、ホント」

 

 誰のせいだろうね? 全く心当たりがありません。

 

 霊夢はちょっと怒ってるような口調だったけれど、少しだけ笑っていた。

 

 きみはやっぱり、笑顔が似合ってると、俺は思います。

 

 

 




さて。次話からは魔理沙出すか。
今の所、東方キャラは霊夢とゆかりんしか出てないしね。
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