平凡な俺と巫女のきみ【完結】   作:うたたね。

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バレンタインデー回です。
雑です。理由は後書きに。

時系列的には、奏と霊夢が恋人になったばかりの頃。

ではどうぞ。


番外編
第閑話 チョコが欲しいお年頃


「──バレンタインデー、か」

 

 俺は呟くようにそう言った。

 

 バレンタインデー。

 紫さんから聞いたところによると、どうやら外の世界の風習のようで、好きな人や友人に女の子がチョコを渡す日らしい。

 

 それが、今日の2月14日。

 

 今日も相変わらず俺は博麗神社にいるけれど、何も変わったことはない。いつものように霊夢に挨拶をして、少し駄弁って、今はぼーっと空を眺めている。

 

「……いやまぁ、期待してなかったと言えば、嘘になるんだけどさ」

 

 だって、恋人だし。

 そう言うお年頃だし。

 

 はぁ、とため息を吐くと、白い息が出てきた。冬に息が白くなるのは外の温度との差によるものらしいけれど、きっと今の俺もそんな感じ。

 勝手に期待して、勝手に落胆する。

 どうせ霊夢はバレンタインデーなんて知らないだろうから、俺のテンションが下がってる理由も分からないだろう。この温度差っば何とも言えない。

 

 そう思って、もう一度ため息を吐こうとした時だった。ふと背後に気配を感じて振り向いてみると、そこには紅白の脇が丸見えな巫女服を着た少女が立っていた。

 

 ……もしかして、作ってくれてたの?

 

 少し、期待してしまう。

 

「ため息ばかり吐いてると、幸せが逃げるわよ?」

「ご忠告ありがとう。でも、ここは神社だから幸せが逃げることもないだろうよ──霊夢」

 

 どういう理屈よ、と霊夢が呆れたように笑った。

 

 彼女の名前は博麗霊夢。この神社の巫女で、『博麗の巫女』と呼ばれる存在。そして俺の幼馴染だ。

 

 とりあえず、俺はダメ元で霊夢に聞いてみることにした。

 

「なぁ、霊夢。きみは今日が何の日か知ってるか?」

「……ん? 今日は2月14日でしょ? あんたの誕生日だっけ?」

「いや、違うかな? まぁ、特別な日ってのは間違いではないかな? 俺の誕生日が特別な日かどうかは知らんけど」

 

 うん、この調子じゃ知らなさそうだな。予想はしてたけどね、うん。でも、チョコ欲しかったな。女の子から貰うチョコって、何だか特別な感じがして良いし。

 

「うーん……2月14日──214──あ、西尾さんの日?」

「いや誰だよ西尾さん。きっと西尾さんは関係ないと思うけどなぁ……」

 

 西尾さんの日。

 一体誰なんだ、西尾さん。しかも214だから西尾でもない。ニイシさんだよ。

 

「じゃあ結局何の日なのよ?」

 

 霊夢がお手上げといった様子で答えを求めて来る。もう少し考えて欲しかったというのが本音だけど、流石に情報ゼロの状態からじゃ無理か。

 きみなら勘で解けそうな気もするけれど。

 

 知らないのなら良いさ。正直、説明したところでからかわれそうな気しかしない。

 

『あんた、私からチョコ貰いたかったの? そういうのに興味なさそうな感じなのに、意外な。仕方がないからこの霊夢さんがあんたに作ってあげても良いけれど……ほしい? ほしいの?』

 

 なんて言われそうだから説明したくない。いや、俺の想像の中の霊夢性格悪すぎだろ。恋人だぞ。

 

「いや、特に何ない日さ。こう言えば、今日は何かある日なのかって考えるだろ? そんな心理を利用したひっかけ問題だよ」

「なんかムカつくわね」

「そいつは結構」

 ニヤリと軽く笑うと、頭を叩かれそうになったので逃げた。

 

「避けるな!」

「避けます!」

 

 そう言うと、霊夢はもう面倒くさくなって諦めたのか、はぁ、とため息を吐いて縁側に座った。

 諦めが早くて助かりました。きみの攻撃を避けるのは簡単だけど、疲れるんだよね。

 

「あんたって、結構性格悪いわよね。人を騙すのが好きってほどでもないけど、悪戯が好きと言うか何と言うか」

「? きみの反応が可愛いからつい弄りたくなるだけさ」

「〜〜〜っ!!」

 

 霊夢の顔がたちまち赤くなる。

 そう言うところだと僕は思うんだよ。

 

 すると、霊夢がまだほのかに顔を赤く染めながら、ふと何かを手渡して来た。

 何だこれ?

 

「えっと……」

「紫から聞いたの。今日は外界じゃあバレンタインデーって言う日らしいわ」

「!」

 

 おいおい……知ってたのかよ。てか、紫さんこのためにバレンタインデーを教えたな? ありがとうございます!!!!

 

「その、私もあんたのこ、恋人だから……あげるわ」

 

 恥ずかしそうにはにかむ霊夢。

 そんな彼女の笑顔は、いつにもなく可愛らしく、とても愛おしかった。

 

「……そっか。ありがと」

「どういたしまして」

 

 そして2人で顔を見合わせて、俺と霊夢は笑い合った。

 

 こんな日常がいつまでも続けば良いなぁと、強く確かにそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しょっぱ! このチョコしょっぱ! チョコってしょっぱかっけ!?」

「え!? ……あ、多分塩と砂糖間違えて入れたわ」

「確かめろよ! てか、そんな古典的な間違えすんなよ!?」

「ま、まぁ良いじゃない! 私から貰えるだけでも感謝しなさい!」

 

 

 

 




ほい、バレンタインデー回です。
今日がバレンタインデーだと言うことに気がつき、1時間で書きました。
なので、話はなんか雑ですが、閑話なので許して下さい。

では、またいつかの番外編か、別の作品でお会いしましょう!
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