どうも、輝夫です。
今日は珍しく朝早く目が覚めました。
カーテンを開いて日光を感じると素晴らしく気分がハツラツで窓を開けると新鮮な朝の空気が肺いっぱいに入ってきて冷ややかながら心地がよきよき。時刻を確認してみると六時半と書かれています。自分も朝型のライフサイクルになろうかな、なんて思いはじめています。あれ?
「……日曜日だ」
心地の良い感情が即座に不安な気持ちになってしまいました。夏休みが終了してヒロイン達の絨毯爆撃の頻度が物凄く減ったのはいいのですが、こと土日に限っては溜まっているストレス的なものを発散するべく家に押しかけては俺にスケベをしようとしてきます。私はね、アレなんですよ……十八歳からがスタートラインなんですよ……。
「修一郎様の家に頻繁に出入りしたら感づかれるよな……」
最優秀な避難先、修一郎様のお家に押しかけることも考えたのだが、毎週毎週休みの日になると修一郎様の家に通い詰めると高町に遭遇してヒロイン達に伝令が伝わる。そうなると安息の地を危険地帯にしてしまう。それは絶対にいけない……。
なら、この朝早い時間からフラリと逃げ出し、九時頃に帰ってきたら安全安心な月曜日がやってくるという寸法だ。
「よし、武蔵も巻き込んで温泉にでも行くか」
部屋の扉を開いて武蔵の部屋に移動する。
部屋の扉を開くと武蔵と大学生くらいの女性が恋人繋ぎをしながら眠っている。床には大量の使用済みコンドームが散乱しており、昨日の夜は激しかったですね、なんという声に出したくない日本語が頭の中を通り過ぎるのだ。例えるならニコニコ動画のコメントのような感じで……。
「むさしくん……だいすきだよ……」
「おれもさ……みかちゃん……」
「……死にたい」
この男、完璧にこの世界を満喫してやがる……! 俺がどういう因果関係かしらないが嫌われていた筈のヒロイン達に追いかけ回されてる影で、こいつは美人率が高いこの世界を縦横無尽に股間のマンモス奮い立たせて暴れん坊将軍してやがるぞゴラ!?
なんででしょうね、目から汁が出てきやがる……いい出汁でるわ……。
「この世界は腐ってる。俺は逃避行に走るぞ……」
歯を磨き、顔を洗い、髪を整えて、自室に戻って服装を整える。
この世界の片隅でヒロインに怯える俺は踏み台なのでしょうか?
2
みさきーめぐりのーばすはーはしるー
昭和の名曲、岬めぐりを鼻歌しながら適当に乗り込んだバスの行く先は温泉街の近く、長期休暇ではない限り知り合いは絶対にやってこないであろう場所です。どうせ管理局三人娘は仕事があるからとか言って神様もお休みになられる日曜日に働いてるんでしょうね、罰当たりですね、キリスト教になりなさい。
「今日は自由を手に入れる」
「おまえ、言ってること支離滅裂じゃねぇか?」
隣に座っているヴィータの頭を撫でていたらバカにしているのかという顔で睨まれた。
温泉に行く準備をしている時に目が覚めたのか俺のプチ温泉旅行に同伴しているヴィータ、八神に連絡を入れないという条件付きで連れて行っている。正直、ヴィータは言動と行動以外は比較的には良識的なので約束は守ってくれるとは思う。
「それにはやては生理痛で今日は家で休養中だぞ」
「男の子に女の子の日のことを教えちゃ駄目でしょ……」
「わたしも生理痛は酷い方だからわかるんだよ……シグナムとシャマルは軽いみたいだけど……」
「体が小さいと生理痛が重いって聞いたことあるけど……男の俺が言っちゃだめだな……」
よくよく考えると女の子って辛いよな、生理やら化粧やら男より時間がかかることが多い。男尊女卑と言われたくはないが、男は女性より率先して色々なことをしないといけないと思うのだよ。男は女にくらべてどんな時でも行動できるんだから……。
「家のロキソニンは好きに飲んでいいんだからな……」
「うん」
バスを降りると温泉の香りが漂う。
一度も来たことのない温泉街なのでどの温泉宿がいいのかわからない。とりあえず一番デカイ建物に入って万札を叩きつけたら温泉くらい入れるだろう。
ヴィータとダラダラと温泉街を歩いていると雰囲気のいい温泉宿を発見する。
「ここにするか……」
「予約とかしてるのか?」
「風呂に入るだけだったら予約とかいらんだろ」
こういう温泉街の温泉なんぞ数千円出せば入れるものだ。長期滞在するつもりも無いわけだし風呂に入ってブラブラしてたら一日なんてすぐに終わる。俺は日曜日を安全に過ごしたいのだ。
温泉宿に入ると背筋が凍った。
「あら、輝夫も温泉に?」
「……俺は来てはいけない場所に来たのかもしれない」
浴衣姿のプレシア・テスタロッサ、つまりはテスタロッサ姉妹のママンがいる。このことから結論が出る。あのパツキン姉妹もこの温泉街にいる! あの姉妹は俺のことをヒロインズ達の中で一番際どい目線で狙っているのだ。だから、だからこそ……他の温泉旅館に行かなくては……。
「輝夫くん」
「輝夫」
「……あ、わかった。俺の携帯電話にGPS付けられてるな!?」
ポケットの中に収められていた携帯電話のカバーを外してみると小型の機械が取り付けられており、これは確実にGPSの類だ。そしてこんなものを取り付けて監視出来るのはお嬢様コンビの一人……月村すずかその人しかいない……。
お嬢様コンビはニンマリ笑顔で俺に詰め寄ってくる。
「俺には人権はないんですかね?」
「「ないよ」」
「あァァァんまりだァァアァ」
バニングス様の燃える右手が突き刺さり一瞬でダウンを取られる。そのまま何発もの蹴りが飛んでくるのだ。俺は泣きました。ええ、泣き叫びましたよ! 基本的人権という言葉は所詮は言葉でしかないということを完全に理解しました。行動の自由は監視されたら意味をなさないのですよ!!
これから、携帯電話は裸で携帯しよう……。
「なんでヴィータちゃんは誘ったの……?」
「だって……ヴィータは本当に怒らないと殴らないから……」
「4の字固め!」
「いだだだだ!? ギブ! ギブアップだから!!」
バニングスが4の字固めで俺の足を破壊しようとしている。俺を旧八神スタイル、つまりは車椅子スタイルにしたいのかこいつらは!? 俺はね、自由に走り回る自由人なのになんでロックされないといけないんだよ!!
「謝れるよね……?」
「俺は悪くない! 冤罪だ!! 逆に裁判起こしてやるぞ!?」
「アリサちゃん! あれもやって」
「エビ固め!」
「ギャアアア!? 背骨がぁあああああ!!」
非常に虚しい気分です。女の子にプロレス技をかけられて悶絶する超絶美少年って何なんでしょうね? ぼっくんは君達に嫌われていた存在の筈なのにどうして好かれてるんですかね? ぼっくんはね、ぼっくんは! 君達に囲まれるより女子大生だとかOLだとかと4Pとかしたいんですよ!!
「アリサ……そのくらいに……」
「フェイトたん……ぼっくんに情けをかけてくれるんだね……」
「手錠持ってきてるから」
「情けという言葉を辞書で引いてこいボケ!?」
懐かしくもないし嬉しくもない冷たい手錠の感覚が両手に……。
バニングスはわたしも用意してきたのよ! そんな風なハイテンションで大型犬用の首輪を無理やり装着さしてリードを思い切り引っ張って転ばせる。
「このバカ犬! わたしを差し置いて他の子に色目使うなんて……しんじられない……!!」
「あーしはバニングスの犬になった覚えはありませんことよ……」
どこのゼロの使い魔のご主人様ですかとツッコミを入れたくなる気分になるが、俺はこいつの使い魔でもなければ恋仲でもない。なんでこんな仕打ちを天下の日曜日にされるんですかね……神様もお休みになる日曜日なんですよ……。
「あ、輝夫ー!」
「アリシアお姉たま……助けて……」
「家族風呂が借りられたから一緒に入ろ♡」
「お願いだからぼっくんをリンチするのやめていただけますか?」
ヴィータは売店でソフトクリームを買ったのかペロペロしながら俺の惨状を眺めている。あ、今笑ったね!? その心笑ってるね!!
マグロの一本釣りのごとくバニングスに引っ張られて呼吸困難で酸欠ながら家族風呂の方向に引き寄せられる。これは人生最大のピンチ、確実にてるをたんのてるをたんがぱっくんちょされてしまう……。
「だびじょぎっぎぶ……はがどどぼがごごご……(大丈夫、まだどうにかなる)」
逆レイプなんて絶対にさせない! 俺はこんな逆境を何度も回避してきた歴戦の猛者! ガンダムで例えるとゲルググに乗ってる頃くらいのシャア・アズナブルだ!!
「ララァ……私を導いてくれ……」
「……うぅ、お腹痛い」
久しぶりに見る剣がリードと手錠を切り裂いてくれた。何度か咳き込んで剣の主を見るとシグナムだった。俺は思ったね、これはシグナムの姉御が俺の童貞を貰ってくれる! それなら胸に飛び込んでいいんだね!!
「……わたしが居ないところで輝夫を食べちゃあかんって言ってたやろ」
「なんだ。八神が助けてくれたのか……シグナムの姉御が自発的にやってくれてたら今晩OKだと思ったのに……」
「不潔なことを考えるな……」
そういうのに耐性のないのか顔を赤くするシグナムの姉御、これはア●ルが弱いタイプですなぁ!
でも、生理中の八神が来たことによって事態は収束する。生理中にSEXは出来ない。つまりは八神が俺に性的な何かをすることはない。それに付け加えて前言で言った自分が俺のことを食えないタイミングで抜け駆けは許さないという発言、これは今日一日のアタックが弱くなる! 俺の勝ちだ!!
「八神……いや、はやて……ありがとう」
「――ッ!?」
「おまえが居てくれなきゃ酷いことになってたぜ……」
「……ええんよ」
八神の額にキスをしてやると生理の貧血と興奮の混乱で顔を真赤にして倒れる。これでテトリスの四角くらいの障害も消えた。ゆっくりと男湯に入ってその後はMGSチックに逃げ出せば終了だろう。俺は生きてこの場所から生還する!
「「「「………………」」」」
「そんな不服そうな顔するなよ……八神が俺のことを助けてくれたのは事実なんだし……」
ムスッとしている四人を後に男湯に向かう。打撲に効く温泉だったかな?
3
どうも、輝夫です。
男湯に入っているのですが体中の傷のせいで筋者の人間と勘違いされて一番気持ちがいいところを占拠しちゃっています。やっぱり温泉はいいですね、荒んだ心が浄化されているような気がします。
え、男湯の尺これだけ?
4
「フェイトちゃんもおっぱい大きくなってきたね」
「すずかには負けるよ……」
中学一年生の少女達の成長は著しく女湯の中で一際目立つ美少女達。
なお、八神はやては生理中の為に借りている部屋で痛み止めを服用して休憩中である。
「うーん、わたしが一番小さいかも……」
自分の胸を確かめるアリサの表情は少しだけ寂しさのようなものを含んでいる。だが、彼女も中学一年生とは思えないくらいの発育スピードだ。
「ブラジャーがすぐに使えなくなるのって辛いよね」
「二人は大変そうよねぇ~」
アリサの視線の先には爆乳と呼べる程の山、プレシアの胸に視線がある。この胸が遺伝するとするならテスタロッサ姉妹はこれから何回ブラジャーを買い換えることになるのかと思ってしまう。
「輝夫はおっぱいが小さい方が好きなのかな……」
「「「え?」」」
「だって、今日はヴィータだけ誘ったし……」
「「「…………」」」
少女達は自分の胸を見てどうしようという困惑の表情を見せる。もし、輝夫が貧乳好きだった場合は自分達は恋愛対象に選ばれないということになる。そうなると大好きな彼は絶対に振り向かない。
フェイトとアリシアは涙を流して母親に抱きついた。
「どうしておっぱい大きくなるように生んだの!?」
「え、ええ?」
「お母さんが貧乳だったらわたし達は……」
「ど、どうしたのよ……」
プレシアは困惑の色を隠せない。胸が大きいのはステータスだと思っていた彼女だが、自分の娘二人に胸が小さい方がいいなどと言われたら困惑もする。確かに胸が大きいと肩がこるが肩こり程度で女性の魅力を捨てるなんてもっての外だ。
「……大丈夫よ、輝夫は絶対に巨乳が好きだから」
「「……本当?」」
「ええ、嫌いだとしても巨乳の良さを教えてあげればいいのよ」
この母親、娘達に意味不明なことを吹き込んでいる。
だが、娘達は納得したようでお母さん大好きと抱きついた。よくわからない。
「あ、輝夫ならバリバリの巨乳好きだぞ。エロ本も巨乳しか買わないし」
ヴィータの一言で全員が胸を撫で下ろしたのは言うまでもない。巨乳だけに!
5
「……暇やわ」
「じゃあ、話し相手になってやるよ」
「ッ!? ……輝夫」
八神が借りている部屋に無断侵入すると優しい笑顔で迎え入れてくれた。
とりあえず八神が腰掛けている反対側の椅子に座って足を組む。彼女は不思議そうに真っ先に自分の部屋にくるとは思わなかったと言った。
「助けてくれたわけだし、お礼くらいは言わないといけないと思ってな……痛み止めは飲んだか?」
「うん、飲んだよ……」
「そうか、なら話し相手になるから好きな話題出せよ」
八神の他愛もない世間話に相槌をうって適度に返事を返す。それの繰り返し、女という生き物は話しを聞いてくれる優しい男性が好きだとプレイボーイだった先輩から教わったことだ。
八神の表情が少しだけ渋くなる。
「なんで……なんで輝夫は好きな人をつくらんの?」
「……八神、俺はおまえ達が思っているより綺麗な人間じゃないんだ」
「それでも!」
「八神、俺はさぁ……人の命を何度も奪って罪悪感一つ感じないような極悪人なんだ。そんな極悪人が愛する人を作ったらどうなると思う? 弱肉強食の世界は弱い、つまりは狙いやすい奴から標的にするんだ」
俺が原作ヒロイン達と付き合わない理由は二つある。一つ目は守備範囲が十八歳(高校卒業済み)から二十九歳までってことと……。
二つ目は今まで殺してきた奴らの残党が愛している人を標的にするかもしれないという可能性に怯えているからだ。俺みたいな極悪人が愛されるのは嬉しい限りだが、選んでしまったら獲物にされる。それが一番怖いのだ。怖いんだ……。
「それでも――わたし、八神はやては西風輝夫を愛しています!」
「……もう少し大人になったら考えてやるよ」
唇を重ねた。
激しくない、たた、唇と唇が触れ合うだけの優しいキス。
「でも、俺よりいい男はこの世界、この宇宙にいっぱいいるからそっちを見つけた方が早いぜ……」
部屋から出て他のヒロイン達に見つからないように帰った。
ニートには時間が無限にある。
みんなはギャグ輝夫とシリアス輝夫どっちが好き?
私はギャグ輝夫が大好き! でも、シリアス輝夫は心に来る言葉が書けるから嫌いじゃないよ。
投稿ペース
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一秒でも早く書いて♡
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ネタの品質を重視してじっくり!
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冨樫先生みたいでええよ~
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絵上手いから挿絵積極的に