踏み台だった野郎共の後日談。   作:蒼井魚

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34:喫茶店

 どうも、輝夫です。

 今日は放課後と呼ばれるような時間帯に高町の両親が経営している喫茶店、翠屋にやってきました。

 奥のカウンター席に腰掛けてメニュー表を眺めます。

 

「むさしきゅんさぁ、最近トレーニングサボりすぎじゃね? 体が中年太りしますよ」

「てるをたん、中学生は代謝が高いから滅多なことで太らないのよ」

 

 気だるい表情の武蔵がカウンター席に突っ伏す。今朝の五時頃に帰ってきたのでセフレと腰振りダンスを楽しんでいたのでしょう。ぼっくんには出来ない運動ですね。

 

「決まったかい?」

「「ストロベリーパフェ特盛」」

 

 高町のお父さんに裏メニューのストロベリーパフェ特盛を頼んでくだらない話しに戻る。

 

「むさしきゅんさぁ……もう少し真面目に生きたら? 性病になりますよ」

「コンドームはちゃんとしてる。基本的に三箱は携帯してる」

「中学一年生がコンドームとか……おまえは病気だよ……」

 

 こいつは本当にどうしてこうなった? 俺と一緒に原作ヒロイン達のサンドバッグにされていた男とは思えない言動で脳みそが壊れそうですよ。言うならばNTR系作品を寝取り側ではなく、寝取られ側に感情移入して見ているような脳みそが壊れる感覚がね、するんですよね。

 あれ、もしかしてNTRって正しい愛の形なのかな? つまり夫婦になったら他の男に奥さんを奪われるのが正しい夫婦の形……いや、そんなわけねぇよ! 目の前でグラス磨いてる高町のお父さんは絶対に浮気されてねぇだろ!!

 

「おまえさぁ、セフレ作り過ぎたら修羅場になるぞ? セフレでもないヒロイン達と修羅場をしている俺を見て思うことないのですかね……」

「バカ言うなよ! あんな小便臭いガキ共じゃなくて俺は大人のレディーとエロエロしてんだ。理解してくれてんだよ、ホレホレ」

 

 武蔵がにんまり笑顔で三人の女性と行為をしている写真を見せつけてニマニマしている。

 頭にゲンコツを落として自分の相棒の堕落っぷりに目から汗ですわ……。

 別に俺は武蔵の保護者でもないし親友というだけで女性関係をとやかく言う権利は無いのだが、ここまで来ると中学生でパパになってしまう可能性があるからマジで怖い。武蔵が成人してるなら別にいいのだが、この場合は中学生の武蔵とチョメチョメしてる女性達が逮捕案件になるのよね、日本の法律的に。

 もし、このゴミクズのせいで人生を駄目にされる人が現れたら俺は懺悔しても懺悔しきれねぇよ、唯一このバカを止められる立場なのに……。

 

「むさしきゅんね、ぼっくんはむさしきゅんのことを心配はいっさいしてないのよ。でもね、セフレの人達のことは心配してるのよね」

「大丈夫! 厚めのコンドーム使ってるから!!」

「そういう問題じゃねぇんだよ!?」

 

 こいつ……猿より頭悪いんじゃねぇのか……?

 自分の親友で相棒がここまで堕落して男としてゴミになってしまうとは、俺は、保護者的な立ち位置の俺はどうしたらいいのでしょうか? この男を改心させる方法があったら教えて下さい。割とマジで切実にこいつをどうにかしないと未来がヤバイことになるから絶対に。

 

「いいか、君は中学生」

「ああ、俺は中学生だ」

「で、セフレは成人してる」

「ああ、全員成人してるぞ」

「もし警察が来て逮捕するならどっちを逮捕する?」

「……いや、逮捕されねぇだろ」

「駄目だこりゃ……」

 

 ああ、神様……こいつの脳みそを猿にしないでください……。

 こいつの理性というものはどこにルーラしたのだろうか? バトルジャンキーでSEXジャンキーとか男としてカッコイイけど人間としては最高に格好悪いぞゴラ……。

 万年発情期で三人相手でも萎えない息子を持ってるこいつはマジで人間じゃなくて雄だぞ、動物ならキングだけど人間だから犯罪者予備軍だ。強いてマシなのは幼女に手を出してないところくらいだわ。

 

「むさしきゅん……君は人生楽しんでるね……」

「人生は楽しむものだろ! 楽しんでなんぼだろ」

「うん、そうだね」

 

 俺はこの男を人間としての最低限の道徳的思想を持たせることをやめた。

 この世界には救えないバカがいるのです。

 十月十日後がすごく怖いですね。

 

「はい、ストロベリーパフェ特盛」

「ありがとうございます」

「裏メニューすげー」

 

 ボールの中に溢れんばかりに盛られている生クリームやアイス、紅白のグラデーションが最高に食欲をそそる。男の子ならこれくらい食べないと元気でないからね。

 パフェ用の細いスプーンではなく普通のスプーンで生クリームとアイスをすくい取って口の中に入れる。ああ、甘い物は最高だぜ……。

 

「で、輝夫は誰とゴールインするつもりなんだよ?」

「藪からスティックやめてくださいよ」

「気になるんだよなぁ、輝夫は結局のところ誰を選ぼうと考えてるのかって」

「聴いてどうする……壁に耳あり障子に目ありだぞ……」

 

 別にヒロイン勢の中で一番好きだと思ってる子はいる。でも、それを口にしてどうするよ? 色々な紆余曲折があって、今現在の関係性をギリギリ保ててるが、一人を選んだら他が暴走する可能性がある。NTRを模索する程度ならいいのだが、最悪の場合は拉致監禁もありえるしなぁ、あいつら行動力の化身だし。

 

「俺にだけ教えろよ~」

「……耳かせ」

 

 小声で誰にも聞こえないように告げた。

 

「……まあ、妥当だな。おまえらしいと言えばおまえらしいか」

「はぁ、言いふらすなよ」

「言うわけないだろ。墓場まで持っていくさ」

 

 武蔵の表情はそれもそうだよな、そう考えているようだ。

 

「よく考えるとこうやって二人で会話するの家以外だと久しぶりだよな」

「いや、夜になるとおまえはセフレの家に行くから超久しぶりだぞゴラ」

「え、何連続で行ってるっけ?」

「えーっと、今のところは六日連続だな」

 

 俺と武蔵のダラダラ生活がグダグダ生活になってますね。俺はヒロイン達の暴力、武蔵はフリーダム、昔は二人ともフリーダムだったのに武蔵だけがフリーダム&ジャスティスになってますよ。デスティニーは俺のことをどうしたいのでしょうか?

 

「この数ヶ月で色々と劇的に変わってるからなぁ。もしかしたら俺がおまえの立場で、おまえが俺の立場になってたかもしれないよな」

「それは無いよ……俺は頭が悪いからさ……」

「さいですか」

 

 武蔵の表情は優しい温かみを含んでいる。

 結局のところは俺と武蔵は相棒で親友だ。一番理解し合えてる同性の友人、人生でここまで仲のいい友達というのは安々と作れないだろう。時にバカをして、時に喧嘩して、時に共闘して、こうなったら一生の友情だ。絶対に切れない関係性ってやつなんだろうな。




 久々の輝夫&武蔵、短いけど男の会話ってこんな感じだと思うんだよね。

 毎週月曜日に週一だったらモチベが下がらなくてよさそうだから検討します。

投稿ペース

  • 一秒でも早く書いて♡
  • ネタの品質を重視してじっくり!
  • 冨樫先生みたいでええよ~
  • 絵上手いから挿絵積極的に
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