踏み台だった野郎共の後日談。   作:蒼井魚

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04:日常

「あー鳥みたいな敵が強すぎる……」

「そいつは突っ込んで来た後に硬直するから直射ミサイルを大量にぶち込めば即死するぜ」

「マジ? そうするわ」

 

 〜五分後〜

 

「うへぇ、またこの鳥野郎が出てきた……」

「直射ミサイルは万能だからどうとでもなるさ」

「ああ、頑張る」

 

 〜五分後〜

 

「このAC強すぎ、アドバイスよろしこ」

「誘導ミサイルにバトルライフル。まあ、ミサイルがあれば武器は何でもいいよ」

「了解、誘導ミサイルな」

 

 〜五分後〜

 

「クリアした〜」

「おめでとう」

「感想言っていい?」

「どうぞ」

「ミサイル強すぎ……」

「現代社会の戦術を思い知らされただろ」

「ミサイルで戦争は終わるらしいからな……」

 

 

 流石に堪忍袋の緒が切れた。

 バルの財布を取り上げ、その場に正座させる。

 人差し指を重ね合わせてカワイイふりをしているが、おまえが一億人の人類を虐殺した事実を知っているから感情すら薄れてまうわ!

 

「バル、おまえのアセンを背広を着れないようにフラジールに変更する」

 

 そうしないと俺の命の危機に駆けつけてこない。こいつを特典にした理由は低い能力をカバーする為なのに何一つカバーしないじゃないか!? それなら娯楽、快楽を奪い去ってやる! そして俺を守ることに生きがいを見出させてやるしかない……。

 

「嫌や! このアセンやないと背広が着れんのや!!」

 

 駄々をこねる熟年夫婦の旦那かよ……おまえは……。

 

「わかった譲歩してやる。アリーヤにしてやる」

「それもダメや! 背広が着れへん!!」

「なあ、これはお前に対してのお仕置きなんだ……わかるよな?」

「ワイが何をしたんですか!?」

 

 わかっとらんのか……君は高性能だったじゃないですか……。

 一昔前に流行ってた犬型ロボットの方が賢いんじゃねぇか? 機械でペットなんだから同類だろ!

 

「帰ってこいと命じても命令無視。仕事に行くと言った一時間後にホールに並んでいた。俺が拉致された時に助けに来たのは従者であるお前ではなく武蔵だった。なあ、おまえが俺を助けた姿を最近見ていないのだが?」

 

 バルは生まれたての子鹿のようにブルブルと震えながらゆっくりと立ち上がる。

 誰が立っていいって言ったよ! お仕置き――

 

「……死ね!」

 

 ご自慢のムーンライトを駆使して俺の首を狙う。だが、

 

「甘い!!」

 

 体制を低くして攻撃を回避、立ち上がる瞬間にアッパーカットを繰り出しす。

 

「ガハッ!?」

 

 三メートル程度吹き飛んで、またブルブルと震える。

 こいつを犬型ロボットに例えるのは流石に犬型ロボットが可愛そうだ。

 

「おまえなあ、そんなにパチンコが好きなの? 俺より?」

「断言します。パチンコが好きです」

 

 断言しましたよ、ご主人様よりパチンコが大好きですって……。

 確かに俺も前世ではそれなりに楽しんでたけどさ? 過剰な仕事から現実逃避する為だけの遊戯だったぞ、こいつは本気で楽しんでるぞ、この違いわかる? 他人の幸福は苦い味って昔から言われてんの!

 

「最後に言いたいことは?」

「ご主人はん……パチンコが打ちたいです……」

「アセンを変更しようねぇ〜」

 

 こいつに情けは必要ないということらしい。

 

 

 携帯電話の着信音が響き渡る。確認するとヴィータからだった。

 無視したら絶対に窓ガラス割られるから出ないとなぁ……。

 今年に入ってから何枚割られてんだよ俺の家ぇ……被害届だすぞ?

 

「もちもち何だよ?」

「はやてと喧嘩したから迎えに来い」

 

 また喧嘩したんですかこの子? もう、週三ペースで俺の家に転がり込んでるぞ……。

 というか、八神の躾が厳しすぎるんだろ。将来は教育ママになりそうな予感がムンムンですわ、それか結婚せずに認知症であぽ~んしそう(笑)

 

「なんでお迎えに行く必要が?」

「はやてが女の子がこんな時間に一人で外に出たらいけないって、だから迎えに来いよ」

「一理あるが、それなら八神と仲直りした方が早いんでねぇの?」

「喧嘩した理由がアイスだから」

「さいですか……」

 

 通話を終わらせ、武蔵の肩を叩く。

 

「お姫様からのお迎えのご命令か?」

「いや、性格の悪い赤毛のアンからのご命令だ」

 

 財布と携帯をポケットに収納して八神宅にダラダラと向かう。

 三十分程かけて八神宅に到着、インターフォンを鳴らして返答を待つ。

 

「ワガママなお姫様の回収に参りました〜帰っていいですか……」

「おう、行こうぜ」

「ヴィータを頼むよ」

「出来ればそっちで甘やかしてください……」

 

 どうにも甘やかしてくれる気が見えない。

 ヴィータの手を握ってスーパーでアイスの残弾を増やして帰った。なんというか、性格の悪い赤毛のアンの手でも、温かいものですね……。

 

 

 ミッドチルダの女性刑務所、そこで一人の女性と面会する。これは一ヶ月に一回の恒例行事となっている。その女性というのは、まあ、顔見知りと悪友の母親だ。

 にしても、面会室って空気は綺麗だが雰囲気はドンヨリしてて嫌いだぜ……。

 

「よぉ、プレシア元気? 自殺してない?」

「生きてるわよ……」

「そら結構、結構。フェイトは知らんがアリシアは元気だぞ」

 

 細い声だ。吹けば今にも消えてしまいそうな細い炎のような、そんな儚さを感じさせる。

 まあ、この人は愛ゆえに狂った人さ……でも、本当の愛は自分が授けるものじゃなくて、他人から与えられるものだって最近になって気がついたらしい。

 ――俺はイミフで困惑したんだが! 輝夫に聞かされた時は本当に困惑したね!!

 

「そう……」

「会いたい? 連れてこようか」

「いいえ……私に母親の資格は無いもの……」

「母親の資格はガキを孕んだ瞬間に国から発行されるんだ。資格はあるだろ母子手帳貰わなかった?」

「武蔵、貴方は本当に馬鹿ね……」

「自覚あるから痛くねぇぞ」

「そう……」

 

 プレシアは俺のことを睨みつける。だが、表情は非常に悲しそうで、鋭い瞳よりはその悲しそうな表情に視線が向いてしまう。

 なんでだろうね? 人間って捨てた物や者が大切であればある程に後悔しちゃいうのか……。

 

「……アリシアが会いたがってる。いや、厳密にはアリシアはアンタのことを話題に出せば絶対に会いたがる。でも、フェイトの方は口を閉ざす。だから俺達は二人をずっと連れて来なかった。会いたがってるアリシアすら、一度もな?」

「何が言いたいの?」

「ちょっち、仕事でフェイトと話す機会が出来たんだが、その時におまえの話題を出した。そしたら、執務官になれたことを褒めてもらいたいだってさ。まあ、褒める褒めないはどうでもいいとして、口を閉ざさなかった。つまりプレシア? 母親の面を見たいってことさ」

「……ッ!?」

「アンタの了承なんて聞き受けない。俺は勝手に連れてくる。俺はバカで、横暴な男だからな――ほらよ、人にやさしくする本ってのを買ってきた」

「……ありがとう」

「そこは死ね! 悪魔!! だろうが……」

 

 面会室から出て行く。すると輝夫が足を組んで静かにソファーに腰掛けていた。

 

「終わったか?」

「ああ、言いたいことは全部言った」

「美人だったか?」

「熟女の趣味は無ぇよ!」

 

 俺は馬鹿だから、親友と馬鹿やってる方が性に合うね。

 まあ、バカの演技をしてるだろって……相棒によく言われるがな……!




【アリシア・T・ハラオウン】
 バルのコジマエネルギーと輝夫の降霊術、そして、武蔵の声援によって生き返った少女。輝夫と武蔵に懐いている。妹やその友人と一緒の中学ではなく、輝夫と武蔵を追っかけて、同じ市立の中学に通っているが、二人がテストの日以外は現れないことを嘆いている。明るい性格でクラスでも人気。友達関係も円滑らしい。

【プレシア・テスタロッサ】
 ミッドチルダの医療技術により、健康体になった彼女、だが、自分がやって来たことを悔いて、輝夫と武蔵の力添えで刑罰を免れる筈だったが、刑務所に入った。(もし、入っていなかったら、輝夫と武蔵は管理局魔導師になっていた)それ以来、輝夫と武蔵が一ヶ月に一度面会に来て、欲しいものを購入して持ってくるという行為を繰り返していたが、姉妹二人の意見が合致したのを確認した輝夫と武蔵が二人を連れて来て、会わせたところ、ギクシャクしていたが、まあ、普通に母子の会話をしていたらしい。

投稿ペース

  • 一秒でも早く書いて♡
  • ネタの品質を重視してじっくり!
  • 冨樫先生みたいでええよ~
  • 絵上手いから挿絵積極的に
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