八神が当たり前のようにおかずボックスと書かれた箱を机に置いて引けと言わんばかりの顔をしている。俺達の方は全員アウトの弊害で尻にダメージが入って集中できないんだよなぁ……。
武蔵と修一郎様も絶対に食べ物じゃない何かが入っているだろうなぁ、なんて表情でボックスを眺めている。あんまり悩んでいたらまた尻を叩かれる可能性があるからなぁ……一番槍は自分で行くか……。
ボックスに手を入れて中身を確認する。ドッキリグッズの類は入っていないようで紙が底の方にあるという感じだ。
「これでいいや」
『18番』
「いや、番号制かよ!?」
「「ぷっ……あぁ!?」」
え、こんなツッコミで笑うのか二人!?
『武蔵・修一郎アウトー』
二人はシバかれた後に即座に危険性が無いと思ってくじを引いた。さて、この番号で何が出てくるのやら……。
「輝夫が18番で武蔵が5番、修一郎くんが10番やね」
八神がそそくさと番号のおかず? それを出前とか入れる鉄製の入れ物から取り出して手渡す。
『コミックLO』
『快楽天』
『ペンギンクラブ』
「「「ぶぐっ!! エロ本じゃねぇか!?」」」
『全員アウトー』
よくよく考えるとはじめての三人同時アウトなので叩く担当が追加されるのかどうなのか気になる。
――高町とヴィータに混じって……誰?
「ミホちゃん! なんでミホちゃんがいるの!?」
「……え、誰よ西風」
「武蔵のセフレだと思う」
この企画の企画者どんだけ顔広いんだよ……。
武蔵のセフレまで加わって俺達のお尻を攻撃して出ていく。
武蔵は妙にソソルレイプ目で蛍光灯を眺めはじめた。
「じゃあ、おかずとお弁当を美味しく食べてな」
普通の幕の内弁当を置いて八神が帰っていく。おかずいらねぇじゃん……。
とりあえず有名過ぎるエロ本三冊をゴミ箱に捨ててため息を一つ。
このままだと会話なく食事することになりそうなので無言でDVDをセットして再生してみる。
「「――何やってんの!?」」
「俺、飯ってテレビ見ながらしか食えないのよね」
武蔵と修一郎様の強烈な拒絶反応にほくそ笑んで(アウトにならない程度)内容を確認する。
映像が映し出されるがバニングスと犬が戯れる動画が垂れ流されるだけだ。どんな仕掛けをしているのかわからないが……あ、次は月村か……月村は猫だな……。
あれ? なんかBGMが不穏な雰囲気に……。
『猫派のドンはオメェか月村組の頭ぁ!』
『ナンジャボケ! 犬派風情がじゃあぁかしいのぉ!!』
「「「唐突なヤクザ物!? ぶぐっ……あぁ」」」
『全員アウトー』
尻を叩かれた後に再度抗争をはじめたバニングスと月村の動画を眺める。この二人のぎこちない広島弁がすげー笑いを誘うのやめてもらえませんかね……。
『死ねおや! 猫派ぁぁぁ!!』
『ぐごっ!?』
デデーンという音と共に月村が射殺される。いや、虫の息ではあるが何か言い残そうとしてるな……。
『……もし、ワシの願いが叶うなら! 修一郎……タイキック……!』
「おれぇ!?」
「「ぶっ! ふふっ」」
修一郎様の渾身のツッコミで笑ってしまった……やはりツッコミ担当のキレは違うぜ……。
ヴィータと武蔵のセフレと同時にさっき腕を折りかけたタイ人くんが入ってくる。俺達は早々にお仕置きを受けてタイキック炸裂を心待ちにする。
「ちょっと待ってよ! 俺って仕掛け人だったんだよぉ!!」
「男なら、背負わないかんやろ! タイキック!!」
「だって怖いもん!!」
『修一郎逃亡』
「わかったから! 逃亡罪なしで!!」
修一郎様は歯を食いしばってタイ人くんにお尻を向けて強烈な一撃を受ける。そして地面で強力な殺虫剤を直撃させられたゴキブリのようにもがいている。これは撮れ高すげーや。
2
幕の内弁当を食べ終えて少しだけ思い当たる節がある。よくよく考えるに修一郎様の机も部屋の片隅に置かれていたとはいえ仕掛けが設置されている可能性は高い。そうなると見てみたくなるのが企画モノの引き出しというものだ。
「修一郎様……中身見ようぜ……」
「食えない物が入った闇鍋に箸を伸ばす理由がありません」
「でもよぉ、修一郎様の机に俺達に対する攻撃符があるかもじゃん」
修一郎様は少し考えて俺のことを覗き込んだ。いや、どうして俺に対する攻撃符があると仮定しているのかな? 俺にだけの攻撃できるアイテムって結構出揃ってるからなぁ……。
修一郎様は静かに上段の引き出しを開けて中身を確認する。
【週間少年マガジン】
「マガジンだ……俺ジャンプ派なのよね……」
「「ぷっ……あぁ!?」」
またもや武蔵のクロスカウンターによって陥落された俺と修一郎様はお尻イタイイタイなのだ……。
それ以外の引き出しには何も仕組まれておらずコンビニや書店に普通に売ってあるマガジンが机に上に置かれるだけだった。
「おうおまえら! お昼ごはんを食べて腹ごなししたいところやろ!!」
「「「……嘘だよね、流石に鬼ごっこは無しだよね!!」」」
「おう! 知ってたならよかったわ」
「「「のぉー!! ん!?」」」
3
無駄にだだっ広い中庭、金持ちの家って凄いよね! 普通に中規模の公園レベルの庭があるんだからさ!! 鬼ごっこやりやすいね!?
「今から鬼ごっこしてもらうんやけどただの鬼ごっこやったら面白くないから謎解きゲームを取り入れてみたんや!」
「いや、ただの鬼ごっこでいいです……逃げ足には自信あるんで……」
「なんとなんと! 鬼に捕まったら罰ゲーム!! 捕まった後は開放されてまたまた鬼ごっこや!!」
「「「お決まりじゃないですかやだー」」」
特番鬼ごっこのルールなんて常識、そんなの今更説明されてもなぁ……。
「謎解き頑張ってな、じゃあ――」
八神がスタートと言った瞬間にとんでもない殺意を感じた俺と武蔵は速攻でローリング回避、殺意に鈍感な修一郎様はどうしたという表情で背後に立っている鬼(高町のお兄さん)に肩をトントンされている。確認した後に全力疾走で逃げたのだが、恐怖しながら絶命している何かのような声がコダマしたのだけは……何も言わないほうがいいか……。
「で、謎解きって何なんだろうな」
「わからん。鍵でも探すんだろうさ」
自身の脚力で庭を駆け巡っているのだがどうにも三人から殺意の波動、つまりは鬼三人? 三匹? それらに追われていることだけは感じる。俺達の脚力についてこれるのって高町一家の父と息子、娘さんだけだよね? 殺意高いなぁ……。
壁を駆け追ってきてる鬼を見るに予想は的中していて高町武闘派が獲物を見つけた猟犬のように追いすがっている。
おーこえー……。
「輝夫……スカートって走りにくいね……」
「しらねぇーよ」
そのまま屋敷の中に入って宝箱的な物が無いか確認するがどうにも安直な場所に隠す良心は奴らには無いらしい。
到底人間の出せないスピードで迫ってくる高町武闘派を避ける為に空いている扉の縁に捕まって減速、そのままスピードを殺せない鬼を避けて窓から庭に戻ろうとするが右足が何かに掴まれた。そして武蔵は悲しそうな瞳で飛び降りていくのだ……。
「……死ぬなよ」
「……多分死ぬ」
鬼(高町お父さん)に捕まった俺は今日は腐るほどに見たしなやかな棒、それを振り抜こうとする鬼にお尻を向ける!
――表現し難い炸裂音と体が浮き上がる感覚、
「いってぇ!? ヴィータの30倍くらいいてぇ!!」
悶絶していると鬼(高町お兄さん)が攻撃を仕掛けてきた! なんで!? クールタイム無しなのかよー!!
タッチをローリングで回避して突き進んだ階段を転がり落ちてそのまま逃走する。
「……もうやだ……この親子」
そのまま庭に出ると段ボール箱が設置されていることに気づく。企画的に宝箱に入っているのが普通だろうがダンボールは気になる。後方を確認すると修一郎様が二度目の高町フルボッコに苛まれているのでダンボールの中身を確認してみる。
「……拾ってくれ」
「いらないです」
ダンボールに入っていたのは悲しい瞳をしたザッフィーだった。アルフだったら少々考えたがザッフィーはいらん。ダンボールをそっ閉じして謎解き(条件不明)の探索を再開する。
3
「おう、おまえら謎解き準備したのに解かないってどういうことや!」
ボロ雑巾のようになった俺達を蔑んだ目で眺めている八神をジト目で眺める。
戦闘民族に一時間も追いかけ回されて服はボロボロ、武蔵に至ってはスカートが破れ落ちてトランクスパンツをさらけ出している。修一郎様は地面に刺さっている。
「……なんとなくだけどさ、おまえのポケットに鍵入ってたりしねぇ?」
「え……?」
八神はスーツのポケットをモソモソとしている間に鍵と小さな箱が出てきた。中身は案の定【終了】と書かれた紙切れだった。
俺と武蔵は地面に埋まっている修一郎様を掘り起こして事務所に帰る。
「……植物になりたい」
「「二分前までなってたよ」」
笑いの地獄はまだまだ続く。
マキオンとクロブやってました。
少しずつ書いていくのでお兄さんゆるしてぇ!
投稿ペース
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一秒でも早く書いて♡
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ネタの品質を重視してじっくり!
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冨樫先生みたいでええよ~
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絵上手いから挿絵積極的に