してしまいました……orz。
では、本編どうぞ。
はやてとリインフォースを救い、事件に区切りが訪れた頃。
年の瀬も迫るある日、雄一達は予てからの案件を解消することにした。
それは、
「さ、きっちり話を聞かせてもらうわよ!」
「・・・・・・お手柔らかに頼む」
仁王立ちで宣言するアリサに雄一は苦笑しながら両肩をすくめた。
あのクリスマスイブの夜に、魔法がバレてしまったアリサとすずかへの説明だった。
なのはとフェイトには二人の追求を凌いでいてもらっていたが、元々素直で嘘の苦手な二人だけあって、アリサの激しい追及に、早々に受けきれなくなったらしい。
それでも、なんとか過去視が済むまで待っていてもらったのだ。
だが、待たされ続けたことでアリサも我慢の限界だったらしく、逃がすか、と目がはっきり言っていた。
「お手柔らかにすむわけないでしょ!? というか、雄一。あんた今どうしているのよ!? あんまり待たされるからあんたの家に行ってみたら、崩れて家がなくなっているし!」
「分かった分かった! まったくなんでそこまで必死なのやら」
「だ、だって・・・・・・
強い剣幕から一転して、赤い顔でそっぽを向きながらアリサが呟いた言葉が聞き取れず、首を傾げた雄一はしかしそれ以上詮索せず話を続ける。
「それで、何が聞きたいんだ?」
「っ、全てよ。あの時、なのは達が何をしていたのか。あそこに人がいなかったのはなんでなのか。あの時何があったのか。それに何より、なのは達は何をしたのか?」
雄一に問われ、すぐに落ち着きを取り戻したアリサが端的に問う。
その様子に、頭を掻きつつ、雄一はすずかにも問うた。
「・・・・・・すずかもか?」
「・・・・・・うん。だって、四月中のなのはちゃんの態度も無関係じゃないんでしょ?」
「正解だ」
すずかに水を向けると、控えめにだが鋭く指摘してみせた。
その指摘に雄一は舌を巻きつつ頷いた。
「それなら、なのは・フェイト・はやて・俺の順に話した方がいいだろう」
「なんでなん? 雄一君が纏めて話せばええんやない?」
雄一の提案にはやてが首を捻る。
だが、雄一は否定する。
「俺だけが話しても、納得しないだろうからな。それに、俺が知らないこともある」
「それも、そうね」
「うん。分かったの。それじゃ、私から。私が魔法に関わり始めたのは、ユーノ君に出会ったのが始まりだったの」
雄一の説明にアリサが納得したのを確認して、なのはは四月に始まった魔法との付き合いについて順に話していった。
ユーノ、そしてレイジングハートとの出会い。
そして始まったジュエルシードの回収。
そして、事件の背後で動いていた雄一の存在。
「・・・・・・あんた達、そんなことしてたのね」
「うん。始めはユーノ君に頼まれて、だったけど」
「俺もなのはも関わり始めたくらいで余裕なかったからなぁ」
「そういえば、あの時のなのはちゃんって、いつもよりふらふらしてたね」
そして、フェイトとの出会いと敗北。
自分と同じくらいの魔導師と分かり合おうとぶつかって行く中、日常が疎かになってしまい、アリサ達と喧嘩になったこと。
「あの時、あんたはそんなことを考えていたのね」
「うん。ごめんね、アリサちゃん。すずかちゃん」
「私からもごめんね。アリサ、すずか。なのはもあの時はごめんね」
「ううん。大丈夫だよ、なのはちゃん、フェイトちゃん」
そんなある日、現れた管理局という組織。
そこで知ったジュエルシードの危険性と雄一が暴いた管理局の思惑。
雄一の機転で対等の状態として関わるなか、ジュエルシードを強引に手に入れようとしたフェイト。
その様子を静観する管理局と助けに向かった雄一達。
だが、ジュエルシードを封印した後、フェイトの母プレシアによる奇襲を受けた。
「プレシアさんも魔法使いなの?」
「うん。魔導師っていうんだけどね」
「凄く強いんだよ」
「ああ。あれはまともな状況だったらもっときつかっただろうな」
「そんなに、だったの?」
そして、明かされたプレシアの目的とアリシアの存在、そしてフェイトの出自。
だが、プレシアの行動とその裏にあったフェイトへの思いを知り、プレシアを救助。
その後、管理局で身を預かる中、プレシアとアリシアの治療が行われた。
だが、その結果雄一が姿を消すことになった。
その後、管理局のほうで裁判を受けることになったフェイト達はミッドチルダへと戻り、なのはは日常へと戻っていった。
「え? それで終わりなの!?」
「って、どういう展開よ!?」
「え、と、雄一? 話してもいい?」
「少し待っていてくれ。後で説明するってことで」
「えっと、ここからははやてちゃんがお願いね」
「はいはい。それじゃ、私の誕生日から話すわ」
六月三日の夜。
誕生日を明日に控える中、図書館で借りた本を読みながら夜更かししていたはやて。
そのとき、突然光りだした闇の書と突然現れた守護騎士を名乗るシグナム達。
そして、もう一人、雄一がいたのだ。
「何よ、あんた! はやての家にいたの!? なら、なんで戻ってこなかったのよ!?」
「そうだよ、雄一君! 心配してたんだよ!?」
「ちょっと事情があって、皆の前に出られなかったんだよ。それも後で説明するから、今は勘弁してくれ」
「絶対よ? 絶対に説明してもらうからね!」
始めは雄一を警戒していたシグナム達だったが、次第に垣根が取り払われていき、毎日が楽しかった。
だが、そんな幸せも長くは続かなかった。
検査の結果、両足を蝕んでいた麻痺が次第に範囲を広げていると宣告された。
そして、シグナム達はその原因が自分達にあると予想した。
そんな彼女達が救いを求めたのは闇の書の完成。
だが、そのためにはリンカーコアを持つ者からリンカーコアを蒐集する必要があった。
はやての禁を破り、蒐集を開始する彼女達に雄一も協力し、はやてに隠したまま蒐集は続けられた。
だが、十二月のある日、事件は明るみに出た。
ヴィータによるなのはへの襲撃だった。
「シグナムさん達となのはちゃんが敵対していたなんて・・・・・・」
「ほんまごめんな、なのはちゃん。家の子が迷惑かけてしもて」
「ううん。はやてちゃん、気にしないで。おかげで皆と仲良くなれたんだし」
窮地に陥るなのはだったが、裁判を終え海鳴に戻ってきていたフェイト達とユーノが合流してヴィータを一度捕らえた。
だが、ヴィータの方にもシグナム達と雄一が合流してしまい、戦況は硬直してしまった。
その中、戦線を離れていたなのはが結界を破ろうとしたが、機会を狙っていたシャマルによりリンカーコアを蒐集されてしまう。
この件を切っ掛けにして、管理局は闇の書事件に踏み込んでいった。
「裏でそんなことをしてたんやな、雄君達は。私に黙って」
「勘弁してくれ。あの時は、どうするべきか必死に考えていたんだぞ」
事件を追う中、管理局は海鳴に拠点を構えると共に、兵員の増加を決定。
白羽の矢が立ったのは、クロノの師の使い魔であり、体術と魔導の師匠達。
やがて、回復したなのはも交え調査する中、二度目の遭遇戦が起きた。
その時存在が明らかになった裏で事件を操る仮面の男の存在。
仮面の男は、闇の書を完成を助けることを目的と公言しており、そのため管理局に敵対するように動いていた。
そんな彼の手により、あるとき、フェイトが重症を負う事態が起きてしまった。
闇の書の完成を狙う新たな勢力に管理局がため息をついている時、同じく八神家でも問題が起きた。
はやての症状が悪化し、入院することになったのだ。
「だから、俺達は海鳴を離れて遠方の世界に行っていたんだ。もちろん、はやてを一人にするわけにもいかないから一人か二人はこっちに残っていたけど」
「そうだったんだ。それで、管理局の包囲に引っかからなかったんだ」
「ああ。だが、なのは達がはやての見舞いにきた時は焦ったもんだ」
だが、その生活は失敗した。
先日のクリスマスイブ。
せめてその日は集まろうと、海鳴に戻ってきていた守護騎士達。
そして、サプライズでお見舞いをしようとしていたなのは達。
両陣営が鉢合わせてしまったのだ。
「それで、あの時あんた達はピリピリしていたのね」
「あの時はなんでギスギスしているのか分からなくて、どうしようかと思ったんだよ?」
「言うわけにもいかなかっただろうしなぁ」
「『だろう』って、あんたはどうしてたのよ?」
「それも後で」
「「また!?」」
解散後、なのは達とシグナム達は一触即発の状態だった。
だが、その状況で動いたのは仮面の男『達』。
彼等はシグナム達を蒐集してしまい、残ったヴィータも蒐集しようとしたが、雄一が乱入し未然に防いだ。
だが、不意を突かれ雄一は捕らえられてしまい、なのはとフェイトに化けた仮面の男達に召喚されたはやては、シグナム達や雄一の姿に、深い絶望を植えつけられ闇の書の闇に囚われてしまった。
「後は、アリサ達を見つけて二人を保護したってわけだ」
「そんな事があったのね。というか、あの凄いのははやてが撃ったものって事?」
「いや、あれは私も知らんことやから。どっちかて言うたら元の持ち主のなの」
「そうだね、あれはなのはの」
「二人とも、何を言うつもりなのかな?」
「「なんでもないです」」
その後、はやてを助けるため雄一達は戦闘を始めたが、雄一も囚われてしまう。
だが、なのは達は心折れず策を立て、一撃を入れることに成功した。
それにより、はやてが管理者権限を発動させ、闇の書から守護騎士プログラムを切り離した上で脱出した。
「それで、その後は各自の最大の技を叩き込むことで、相手を殲滅。エンドロール、ってなった」
「最後随分端折っていたように思うけど・・・・・・まあ流れは分かったわ」
雄一の纏めを、神妙な顔で聞き終えたアリサは難しい顔で腕を組んだ。
その様子に、なのははおずおずと声をかけた。
「えと、アリサちゃん? 怒ってるの?」
「怒っている、というか・・・・・・正直魔法なんてものを知って、その処理に精一杯になっているのよ。ただ」
「ただ?」
「やっと、あんたが抱えていたものを知れたことは、正直嬉しいと思っているわよ?」
「アリサちゃん・・・・・・!」
アリサの言葉に、顔をほころばせるなのは。
そして、二人の様子に微笑むすずか。
はやての見舞いに一緒に来ていた様子から、蟠りはないだろうと考えていた雄一も同じく胸を撫で下ろした。
その様子に、アリサは途端眉を吊り上げた。
「雄一? あんた今何を安心したのかしら?」
「え”!? いや、別に」
「まさか、さっきの説明で省き続けたことを説明せずにばっくれるつもりとか?」
「滅相もございません!」
一瞬考えるも、アリサはもちろん、その背後で凄みのある笑みを浮かべるすずかの姿に一瞬で降伏する雄一だった。