といっても、作者の低い英語力なので、無理が有るかもしれませんが、そこは勘弁してください。
「くっ!?」
桃色の閃光が弾けると同時に広がった衝撃に、雄一達は結界の出力を全力にして耐える。
衝撃が走ったのは数秒のことだったが、続けざまにもう一度衝撃が結界を揺るがした。
もちろん雄一達は、解かずにおいた結界を緩めず再展開した。
しかし、多大な魔力を込められた砲撃の余波は、予想以上に結界に負荷を与えたらしく、雄一達の結界は罅割れ砕け散った。
しかし、その甲斐あってか、本来の結界は無事に済んだ。
「まったく、なんてバカ魔力だよ」
『末恐ろしい限りじゃな』
衝撃が収まって、漸く顔を覆っていた腕を下ろした雄一は、周囲を見渡して関心半分呆れ半分のため息を零した。
結界内は惨憺たる有様だった。
衝突点を中心に走った衝撃で、放射状に建物が倒壊している。
これが、結界内の光景でなければ、大勢が巻き込まれていただろう。
それを想像し、雄一は背筋を冷たくした。
雄一の想像と同じものを思い描いたカナメも同意する。
そんな二人に、エルミナは注意を促した。
『それより、急いだ方が良いのではないかね?』
「『ん?』」
『彼女達はもう限界のようだが・・・・・・』
エルミナの言葉に、雄一はなのは達へと目を向ける。
星光の殲滅者の姿はないことから、なのはの勝利のようだが、なのはも身体を折っていた。
「確かに、危なそうだな。カナメ」
『うむ。<Flier Fin>』
星光の殲滅者が消えるまでどれほどの時間が在るかは判らない。
だが、なのはも余裕が在るようには見えず、雄一は飛行魔法を展開させると、なのはへと飛んでいった。
「・・・・・・、っはぁ、はぁ」
二発目のスターライトを撃ち、星光の殲滅者を捉えたことを確認して、漸くなのはは知らず止めていた息を吐いた。
一撃目が防がれることを見越したスターライトブレイカー二連撃。
魔力は大量に拡散するだろうから、二発目を撃つには十分な量は確保できる。
だが、反動も大きかった。
「・・・・・・うぅ」
なのはは顔をしかめると、痛む腕や肩を押さえた。
しかし、痛む箇所はそれらだけではない。
やはり無茶が祟ったのか、痛まない場所の方が少ないだろう。
それに、反動の影響を受けたのはなのはだけではなかった。
<Are You Alright,Master?>(大丈夫ですか?)
「うん・・・・・・なんとか、ね。レイジングハートこそ、大丈夫なの?」
<No,Plobrem>(問題ありません)
レイジングハートを心配するなのはだが、レイジングハートはいつもどおりに答える。
だが、その実杖の各所に大小様々な皹が入り、本体である宝玉も点滅が弱弱しい。
言葉通りではないことはなのはにも察しがついた。
すぐにでもメンテナンスを行わなければならないだろう。
もっとも、レイジングハートもなのはに対して、同様の思いを抱いているのだが。
そのとき、なのはが体勢を崩した。
「あ、あれ・・・・・・?」
突然視界が回り、呆然と零すなのは。
<Master!?>
レイジングハートが慌てて姿勢制御を行おうとするが、すぐに飛行魔法が途切れ、なのはが重力に引かれ始め、
「っと、危ないな」
飛び込んできた雄一に受け止められた。
「・・・・・・。・・・・・・? あ、あれ?」
「よ、なのは」
「ゆ、雄一君!? あれ、なんで!?」
気がついたら雄一に抱きとめられていたなのはは目を白黒させる。
そんななのはの様子に、雄一は首を傾げるが、なのはの様子を確かめる。
(不味い傷はなし、さっき少し意識が飛んだのは、魔力の急激な消耗が原因か?)
少なくとも命に関わるものがないことを確かめ、悟られない程度に安堵の息をもらすと、雄一はレイジングハートに念話を繋いだ。
「<それで、そっちは大丈夫か? 一応真面目な方向で>」
『<・・・・・・Frames are distorted.It interferes with use of a cartridge.(フレームに歪みが有ります。それにより、カートリッジの使用に障害が有ります)>』
念話で問い詰めると、レイジングハートも観念したのか、あっさりと白状した。
だが、その内容は思った以上に深刻なものだった。
どうしたものか、と思い雄一はなのはを落ち着かせに掛かった。
「え、え、ええ!? な、なんで、私、雄一君に抱き、抱き!?」
「なのは、とりあえずまず落ち着いてくれ」
「お、落ち着く!? 無、無理だよ無理だよ無理だよ!?」
「どれだけ難易度高いの!? とにかく落ち着いて飛行魔法を使ってくれ!? いや、レイジングハート、頼んだ!」
何故か落ち着かせようとすると却って落ち着きをなくすなのはに、釣られて雄一も落ち着きをなくしてしまう。
そこで、落ち着きを取り戻させることを後回しにして、レイジングハートに飛行魔法を使わせると雄一はなのはを抱きとめていた腕を放した。
「あ・・・・・・」
「ん? 落ち着いたか」
「う、うん・・・・・・」
雄一が離れると、名残惜しそうにしながらも静かになったなのは。
なのはが落ち着きを取り戻したのを確認し、対処に入る。
「それで、なのは」
「う、うん。何?」
「なのはもレイジングハートもダメージ大きいようだから、バリアジャケットを解いてレイジングハートを待機状態に戻してくれないか?」
「判ったよ。レイジングハート」
まだ挙動不審な様子のなのはに首を傾げながらも、雄一は指示するとなのははレイジングハートを宝石に戻した。
これで、レイジングハートは大丈夫だろう。
後は、なのはを下がらせればいい、と思っていると、なのはが身を震わせた。
「どうした?」
「さ、寒くて」
「・・・・・・あ」
バリアジャケットを解除した弊害だった。
バリアジャケットは魔法や打撃のダメージだけでなく、温度など周囲の環境による影響も遮るものである。
そのため、温度が保たれた状態から冬の寒空の下に放り出されたのと同じ状態になるのだった。
もちろん、なのはも黄色い上着を着ているのだが、上空を飛んでいるため風を遮るビルもなく、寒風が絶えず体温を奪う現状では焼け石に水でしかない。
<Do you wear BalierJacket Once Again?>(もう一度、バリアジャケットを展開しましょうか?)
「う、ううん、大丈夫、だよ。レイジングハートは休んでて」
<But・・・・・・>(しかし、)
申し出るレイジングハートに、しかし断るなのは。
そんな主従の遣り取りを見かねた雄一は、会話に割り入った。
「待った。レイジングハート、バリアジャケットは展開しなくていい。アースラに連絡して、なのはを収容してもらえばいいから」
<・・・・・・Ok.Please>(判りました。マスターをお願いします)
「レイジングハート!? だ、だけど、あの娘と話もしなきゃいけないし!」
「なにも、収容してもらうのは連絡してからだから、すぐにとは行かないよ。それまでは、そうだな」
なのはの問いに答えると、雄一はバリアジャケットを解除する。
何事か、となのはが目を瞠る間に、雄一は着ていたコートを脱ぐと、再度バリアジャケットを展開し、
「ほら」
「えっ?」
手に持っていたコートを、なのはへと差し出した。
なのはは差し出されたコートと雄一の顔を交互に見るばかりだ。
その様子に苦笑しつつ、雄一はなのはにコートを掛けた。
「バリアジャケットに比べれば、冷えるだろうけど、生地が厚いものだから一度温まれば楽になると思うぞ」
「あ、ありがとう・・・・・・」
雄一の説明も半分に聞きながら、なのはは掛けられたコートの袖に腕を通していく。
コートは雄一の体格に合うものであるため、なのはの身体には大きいものだ。
そのため、袖は掌まですっぽりと覆っている。
雄一は苦笑しながら、コートの前を閉じてやる。
「・・・・・・暖かいね」
「それは良かった」
体が温まり始めて、落ち着いてきた様子のなのはの言葉に、雄一が笑むと、なのはは紅くなりながらコートの袖で顔を隠した。
「? どうかしたのか?」
「な、何でも、ないの」
なのはの行動が判らず、首を傾げる雄一。
なのはも、雄一が深く追求しないことに胸を撫で下ろそうとするが、
<Congraturation,Master>(おめでとうございます、マスター)
突然の言及に、なのはには思わぬ相手が敵に回ったように思えた。
「レ、レイジングハート!? そそそ、そんなことない、よ?」
<Your reactions are very suspicious.・・・・・・Goodjob,Mister>(挙動不審すぎです。御見事です、榊様)
「レイジングハート!」
「何をやっているのか判らんが、落ち着いたら星光の殲滅者に話を聞きに行くからな」
雄一に聞こえないようにしながら喋るなのはとレイジングハートに、雄一は真意を悟ることなく、先を促すのだった。
以前、提案のあったなのは回、ということでいいですかね、これ?
次回は星光の殲滅者とのお話と、ラスボス登場まで持って行きたいところです。
ではまた。