第一戦:高町なのはVS八神はやて
「頑張ろうね、はやてちゃん!」
「・・・・・・あれ、私死ぬん? もしかして、私死んでまうん!?」
「はやてちゃん、はやてちゃん? 心配しなくても非殺生設定ついてるからね?」
「「「「・・・・・・はやて(ちゃん)」」」」
「やめて! 洒落になってないから! 手を合わせるんは、洒落になってないから!?」
「というか、なんで雄一君もフェイトちゃんもアリサちゃんもすずかちゃんも、それどころかシグナムさん達まで皆して手を合わせて祈ってるの!? しないよ、私はそんな酷いこと!」
思わず合掌する雄一達に、必死に訴えるはやてとなのは。
しかし、
「だって・・・・・・」
「ねえ・・・・・・」
「・・・・・・(ガタガタガタガタ)」
「フェイト、大丈夫だから落ち着け」
「雄一、フェイトのやつはどうしちまったんだ?」
「ヴィータ、無闇に触れてやるな」
「はやてちゃん、即死でなければ、なんとしても助けますから!」
「・・・・・・」
顔を見合わせるアリサとすずか。
そして、何を思い出しているのか、危ない感じで身体を震わせるフェイトを雄一は宥めた。
フェイトの様子を訝しんだヴィータをシグナムが押し留め、シャマルが危ない決意を燃やし、ザフィーラはただ黙して語らず。
(まあ、無理もないかもしれないが)
なにせ、フェイトのみがこの場で唯一なのはの
シグナム達やアリサ達、雄一は防いでいたため、その威力を身を持って知っているわけではないので、その恐怖は如何ばかりだろうか?
「けど、まさかはやてが一戦目、それもなのはが相手か・・・・・・」
「それがどうしたのよ?」
「いや、はやてが不利だな、と思ってな」
「ん? けど、はやてだって弱くないんでしょ?」
疑問を呈するアリサに、雄一はいいか、と前置きを入れ、解説する。
「まず、なのはの戦い方は、シューターやバスターを中心とした中・長距離からの一撃だ。対するはやては同じく中距離から遠距離なんだけど、こっちは広範囲を一斉に制圧するタイプなんだ。もちろん、使う魔法にもよるだろうけど基本的にこのタイプで流れる。ただそうすると、はやての攻撃となのはの攻撃で競り合った場合、なのはの攻撃が打ち勝つんだ」
「? 打ち消しあう、とかじゃないの?」
「それがそうでもないんだ。例えるなら、はやての攻撃が広範囲を押し流す波なのに対して、なのはの攻撃は一点に圧力を掛ける鉄砲水みたいなものなんだ。だから、一点突破でって条件でならなのはに軍配が上がる、ってことだ。逆に、はやてが有利になるのは、フェイトやシグナム達みたいな接近戦を中心とする相手だな。このタイプなら近づかれる前に封殺できる。離れられたり近づかれたりする間もなく広範囲を薙ぎ払えるから回避どころじゃないんだ」
「けど、雄一。魔法は相性だけじゃないんだよ」
フェイトの指摘に雄一も頷く。
というか、相性だけで勝てるなら近距離から遠距離まで使える雄一に勝てる相手がいないことになってしまう。
(ついこの間負けたばかりなんだから、そこまで天狗になれるわけがない)
「雄一?」
「ん? ああ、フェイトの言うとおりだ。前に説明したように、デバイスの有無や魔法の選択も重要になる。それに、今回は模擬戦でもあるし、はやて側からハンデとして制限も加えられる。結局のところ、どうなるかははやての作戦次第だな」
(せやけど、どうしたもんかな)
雄一達が離れ、なのはと向き合うはやては内心、流れる冷や汗の冷たさに身を震わせた。
旅行の間に、なのはやフェイトから先んじて模擬戦の相手をしてもらったが、アリサやすずかと三人がかりで負けた。
その戦いの中で、はやては雄一がアリサ達に説明している弱点に気がついていた。
そこで、リインフォースやシグナムに頼み、なのはやフェイトと戦う方法を一緒に考えてもらったのだ。
「<申し訳ありません、我が主。融合機としての機能を喪失していなければ、御役に立てたでしょうに>」
「<リインフォース、それは何度も言うけど気にしすぎたらあかんよ。デバイスについては考えなあかんけど、それはリインフォースの所為やないんやから>」
リインフォースの恐縮しながらの言葉のとおり、この模擬戦で、はやてが使えるデバイスは夜天の書本体と剣十字のみである。
それらを繋ぎ魔法の使用をサポートする、リインフォースに代わるデバイスが必要となるのだが、その目処はまだ立っていない状態なのだ。
「<それは・・・・・・判りました。ですが、どうなさるのですか? 虞ながらデバイスの有無を覆すだけのハンデが必要になるかと思われますが>」
「<ぐうの音もでえへんけど、そのとおりやな。せやけど、一応考えてることがあるから、見とってな!>」
「<畏まりました。御武運を、主はやて>」
「それで、はやてちゃん。どんなハンデをつけるの?」
「・・・・・・せやな。色々考えてみたけど、
バインドの使用禁止と出力の六、いや七割までの制限。この二つをつけさせてもらうわ」
「っ・・・・・・あー、そうきたんだ」
はやての提案に、むむ、と唸るなのは。
観客である雄一達も、ハヤテの要求に感心を見せた。
誘導式のバインドを使い、動きを止めたところで本命の砲撃が火を噴く、というなのはの十八番を封じることで、生存率の向上を図っている。
だが、雄一達の感心となのはの思惑は若干の温度差も見せていた。
なのはにとって厄介なのはむしろ後者の出力制限だった。
「<七割、かー。レイジングハート、そっちから制限できるかな>」
<I'm Sorry,Master.The thing of whether to be able to do does,but・・・・・・>(申し訳ありません。できる限りのことはやってみますが・・・・・・)
「<ううん、レイジングハートの所為じゃないよ。私も頑張って抑えるから>」
レイジングハートにフォローを入れるが、なのはの表情は晴れない。
なのはの魔力運用は、一言で言えば「全力全開」といえる。
もちろん、ペース運用はする。
だが、一撃一撃に、その許容量までの魔力を注ぎ込んでいる。
それは、コップに水を縁一杯まで注ぐようなものだ。
もちろん、普通であれば水を溢さないように、縁の手前で止めるか注ぐ量を抑えつつ調節をする、といった行動をとるだろう。
だが、ここでなのはの持つ「収束」のスキルが有効になる。
たとえ、魔力を溢れさせても、溢れた魔力は再びなのはの魔力として使われる。
だから、なのはは一撃を強くはしても、加減をすることには不慣れだといえた。
そして、はやてはその加減を意識し続けろ、と要求したのだ。
「・・・・・・ま、あまり考えすぎても良くないよね! いくよ、はやてちゃん!」
「(思ったよりも冷静やな)ええよ! ほな始めよか!」
「うん! ユーノ君、お願い!」
「判ったよ。封時結界展開!」
なのはの指示に、ユーノの裂帛の気合と共に彼の足元に浮き出たミッド式の魔方陣が広がると、その円の内部の風の動きが止まった。
ユーノが張った結界の効果だ。
「これで、思う存分戦える・・・・・って言いたいところだけど、結界が壊れないように注意して。もし、結界が壊れたら、その余波が一気に広がるから」
「・・・・・・判った、注意しておくし、最悪俺が結界を補強するから」
ユーノの注意に、思わず結界が解けてしまった場合を考えてしまい、雄一は固唾を呑むと真剣な表情で頷いた。
最悪、一戦目からそのような事態になりかねないのだから。
雄一は念のため、フェイト達を心持ち下がらせると、手近な石を手に取った。
「それじゃ、今からこの石を投げるから、地面に落ちたら開始だ」
言うと、雄一は石をなのは達の真ん中に落ちるように投げた。
石は放物線を描き、トス、と小さな音を立てて落ちる。
瞬間、
「レイジングハート!」
<Setup,Flier Fin>
「羽ばたけ、スレイプニール!」
<Anfang>
なのは達はそれぞれバリアジャケットや騎士甲冑を展開すると、飛行魔法を展開し、空へ舞い上がった。
あと十話、二週間で二百話、一周年記念回がやってくる。
けど、ネタが無え……orz
書けるかどうかはともかくとして、リクって求めていいものですかね?
16:59 追記:リクがあったら、メッセージにお願いします