リリカル世界を逝く影執事   作:ラッテンフェンガー

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パソコンとんで、データの復旧に時間かかりました・・・・・・。
投稿遅れてすみません。
ではお楽しみください。


第二十五話 危険物の情報と違和感

ユーノはジュエルシードの発掘から海鳴で起きたことを順に語っていった。

一頻り話を聞いたリンディさんは確認するようにユーノに聞いた。

 

「なるほど、そうですか。あのロストロギア、ジュエルシードを発掘したのはあなただったんですね」

 

リンディさんの問いにユーノは沈んだ表情で頷き言う。

 

「・・・・・・それで僕が回収しようと」

「立派だわ」

「だが、同時に無謀でもある」

 

リンディさんが送った賛辞をクロノが切り捨てる。

だが、忘れていないか?

 

「迅速に事態の収拾に努めたユーノの行動は認められこそすれ、責められるものじゃないと思うけど? それとも、執務官に初動捜査の重要性の説明も要る?」

「ぐっ、いや不要だ」

 

指摘されて、クロノが矛を納める。

激発しかけたクロノをリンディさんが嗜める。

 

「クロノ。ごめんなさいね、頭の固い子で」

「いえ」

「それで、なのはさん達の理由は分かったけど、君は何故この件に?」

 

リンディさんの矛先がこちらを向く。

既になのは達やフェイト達にした回答をもう一度繰り返す。

 

「・・・・・・契約者に精霊」

「それに、対価ですか」

 

話を聞いたリンディさんとクロノが難しい顔で考え込む。

 

「何か問題でも?」

「問題というか・・・・・・君のその能力はこちらにも例を見ない能力だ。ある種のロストロギアといえるんじゃないかと思って」

「そもそも、そのロストロギアの定義はどうなっているんだ?」

 

言い難そうに答えるクロノに質問を返す。

 

「遺失世界の遺産、って言っても分からないわよね、えっと」

「何らかの理由で滅んだ世界の技術の内、何らかの理由で別世界に流れ着いたもの、といったところですか?」

 

口にすると、リンディさんが感心するような眼を向け頷いた。

 

「そう。いくつも存在する世界の中で、稀に進化しすぎた世界が自分の世界を滅ぼしてなお残った技術の遺産」

「それを総称してロストロギアというんだ。使用法は不明だけど使いようによっては世界どころか次元世界も滅ぼす力を持つこともある危険な技術」

 

クロノが説明に思い出すのは昨日のジュエルシードの暴走。

暴走だと思っていたが、もしあれがただ力を吐き出しただけなら、クロノの説明にも信憑性が生まれる。

 

「然るべき手続きをもって、然るべき場所に保管されていなければいけない代物」

「その保管場所が管理局だと?」

「そういうことだ」

 

頷くクロノには悪いがそうは思えない。

 

(確かに、それも一面だと思うが、同時に不用意に蜂の巣に手を伸ばしているような印象もあるな。誰の手にも渡らなければ存在を知ることもなかった技術を人の眼の届く場所に置き続けるんだから。それに)

「その定義なら問題ないだろ。契約は別に失われた技術じゃないし、別にこの世界を滅ぼして残った技術じゃない」

「それはそうなんだが・・・・・・いや、いまはいい。それより、なんでこの件に関わっているのか、理由をまだ聞いていないが」

「俺が結んだ契約に海鳴の守護もあるんだ。だから、あの街に害を及ぼすジュエルシードの排除に動いている。これが理由だ」

「なるほど。一応聞いておきますけど、依頼人については?」

「守秘義務がある」

「・・・・・・分かりました」

 

これ以上は無駄と判断してか納得を示すリンディさん。

一つ頷き、軌道を戻す。

 

「ですが、十分な理由でしょう。ジュエルシードは時空干渉型のロストロギア。いくつか集めて特定の方法で起動させれば空間内に次元震を引き起こし、最悪の場合次元断層さえ引き起こす危険物」

「次元震に次元断層?」

「彼女とあの黒衣の魔導師がぶつかったときに発生した振動と爆発のことだ」

 

新たに登場した単語に首を傾げると、クロノの解説が入った。

なるほど。

あの爆発的な魔力はそんな影響を持っているのか。

ところで、気になった点があるんだが、

 

「それを知っているってことは、昨日の時点で管理局は既に俺達をマークしていた、と。そういうことでいいんですね?」

「「うっ!?」」

 

指摘すると、管理局の面々は目を逸らした。

特に、クロノは顔をしかめている。

なのはは展開についていけず困惑しているが、ユーノは警戒を抱いたらしい、二人に注意を払っている。

 

「<ユーノ、相手を監視するのにうってつけの魔法って>」

「<たぶん、サーチャーだと思う。小さな監視用の魔法で、ばら撒いて情報収集に使ったりするかな>」

 

それを聞いて、早速探し出す。

海鳴に<バーラ・ルー>の視界を向ける。

さっきまでならいつもどおり、と判断していただろうが、今はなにか異物が混じっているのを感じる。

<バーラ・ルー>の力は灰にするだけではなかった。

他者の視界を通して周囲を見ることもできるようだ。

その異物の視界を奪う。

 

(やっぱり、いろんな方向に向けられた監視がある。いくつだ・・・・・・?)

 

そうやって次々にサーチャーの視界を奪うことしばし。

 

「(俺やなのはの家の回りにもあるな。あとで潰すか)それはいいでしょう。それより、その次元震が公園で貴方が言っていた『理由』ですか?」

「ええ、絶対に防がなければならないわ」

 

真剣な顔で頷いたリンディさんは、茶碗を引き寄せると、傍に置いていた砂糖壺から角砂糖を入れた。

 

「<ゆ、雄一君!あれって!?>」

 

飲んでホッと一息ついているリンディさんに動揺するなのは。

なのはを落ち着けるため念話を返すことに。

 

「<落ち着け。別におかしなことじゃないから。紅茶に砂糖を入れるようなものだ・・・・・・場所によっては邪道だけど>」

 

後半は小さく付け加えることにする。

 

「たった一つのジュエルシードの、全威力の何万分の一の発動でもあれだけの威力があるんだ」

 

クロノの言葉で、リンディ茶(でいいや)に向いていた意識が修正されて、話題はジュエルシードに。

ユーノがかつてあった次元断層の被害を思い出し、クロノ達が同意する。

話が進むにつれて、なのはは動揺している。

話の大きさに迷いつつあるのか?

世界の終わり、といわれたわけだから、おかしくないか。

俺としても、海鳴に被害が出るだろうことだから防ぐために動くかと思ったが、何か違和感がある。

 

「これより、ロストロギア、ジュエルシードの回収については時空管理局が全権を持ちます」

 

茶碗を置いてリンディさんが告げた宣告に我に返る。

 

「君達は今回のことは忘れてそれぞれの世界に戻って元通りに暮らすといい」

「待った。それは聞けない。いきなり横から来て、全権を持つ、といわれて受け入れるわけがないだろう。そもそも、さいざん言ったがここは管理外世界だ。管理局が権力を持つ場所じゃない」

「そのための理由を今説明しただろうが! ロストロギアの回収は管理局の最優先の任務だ! 次元干渉に関わる事件だ。民間人に介入してもらうレベルの話じゃない! いいから、僕達に任せておけばいいんだ!」

「ああ、そうかよ! こっちも日常に戻った上できっちり海鳴を守るためにジュエルシードを回収するのをやめる気はねえぞ!」

「それじゃあ意味ないだろうが!!」

 

ギャーギャー言い合う俺達。

そこへさも名案というようにリンディさんが提案する。

 

「急に言われても気持ちの整理がつかないでしょう? 今夜一晩ゆっくり考えて、三人で話し合って。それから改めてお話しましょう?」

「え、ああ。そうです、ね?」

 

落ち着こうとしながら提案に乗ろうとして、より大きな違和感が脳裏に引っかかった。

 

(待て! なんで、リンディさんはああ言った? それじゃあ、さっきの言葉と矛盾する・・・・・・そうだ、<ハヌ・マーン>!)

 

違和感に従って、<ハヌ・マーン>でリンディさんの思考を覗き、

 

(!? そういうことかよ!)

 

理解した瞬間、<ルー・グー>で自分の身体を飛ばし、リンディさんの首筋に袖から抜き放ったナイフを突きつけていた。

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