リリカル世界を逝く影執事   作:ラッテンフェンガー

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今回と次回は二つに割ったものです。
ちょっと文字数に不均等が生じましたが、勘弁してください。



第五話 まさかの遭遇

俺対クラスメイト(ほぼ全員)の(リアル)鬼ごっこを切り抜けた放課後。

一人、家事を理由に家路についていたら。

 

『主殿。ジュエルシードの活動を関知したが、どうする?』

「もちろん潰す。ただし、基本方針はなのは達に気づかれないように」

『承知した。なら、反応があった場所まで案内しようかの。なお、あちらの方もおそらく気づいているはずじゃ。作戦時間は主殿の到着時間しだいじゃから、気をつけよ』

「・・・・・・それは、徒歩の話か?」

『そうじゃな。目的地まで主殿の足で普通に歩いてここから15分ほどの距離にある神社じゃ』

「あそこか」

 

思い当たる神社までの道をイメージ。

最短経路を算出し、

 

「なぁ、お前らの中に、足を早くする奴っていないの?」

―――いないこともないんだが。<マー・ハー>っていう、人力車引っ張って機関車に追いつけるくらい神速を発揮する奴が―――

「いるんじゃん! なら、そいつを使えば!」

『落ち着かんか! 先に言っておくが、おぬしには使えんからな!』

「なんで!?」

 

そんな移動チートが使えるなら、楽にジュエルシードを確保できるのに!

憤慨する俺に気まずそうに、だがどこか笑いを滲ませて<クフ・リーン>が応えた。

 

―――お前が今使える能力は前に俺が言った奴等の能力だけだ。それ以外にもいるがそいつらの使用は制限を受けている状態ってことだ。一応言っておくが、全身を強化できる<デル・ドーレ>でも足は速くなるからな―――

「それを先に言え!! <デル・ドーレ>!」

 

能力を発揮した。

俺はこのときになんで<クフ・リーン>が笑っていたのか疑問に思うべきだったんだ。

瞬間、

ゴウッ!!! と耳元で風が渦を巻いた。

というか、地面を踏み割り衝撃を撒き散らしながら、走るというより吹き飛んだ。

 

「な、なんじゃこりゃぁああああ!!?」

『落ち着かんか!! 全身を強化しすぎじゃ! もっと軽い強化にしておかんとソニック・ムーブだけで周囲を薙ぎ払いかねんぞ!』

「ヒイィィイイィィィィ!!!」

 

 

「ゼハッ、ゼハッ、ぜー、はー、や、やっとついた・・・・・・」

 

息も絶え絶えになりながら目的地の神社に着いた。

足元には大笑いする山犬の姿をした影が広がっている。

構っても無駄なので、蹴りつける程度で済ます、うん済ましているんだ!

正直座り込みたかったが、時間もないから石段を駆け上がって境内に入った俺の前に現れたのは、

 

―グルルル―

「六本足の犬? とか、なんぞこれ?」

『犬をベースにジュエルシードが改変したようじゃが、どんな願いに反応したのやら』

 

凶悪そうな見た目に巨大化した身体をあきれながら見上げると、

 

―ガァッ!―

 

四肢(六肢?)を踏みしめると飛びかかってきた。

 

「ちっ! <バーラ・ル」

『っ!? いかん!? 下がれ、主殿!』

 

咄嗟に広範囲への攻撃らしい<バーラ・ルー>で迎え撃とうとしたが、カナメに止められる。

サイドステップで犬をよけて、何事か、と視線を動かそうとした際、先ほどまで犬がいた場所に女性が横たわっているのが見えた。

近くに首の部分が千切れたリードが転がっていることから、おそらくこの犬の飼い主だろう。

 

「そういうことか」

『左様。それどころか、<バーラ・ルー>のような広域系の能力は周囲に与える影響が大きすぎる』

「だったら、今回も<クフ・リーン>で」

『待たんか。せっかくじゃ。他の能力も試してみればよいのではないかの?』

 

こいつ、もう相手を俺にぶつける試金石程度にしか思ってねえのか!?

突っこもうとしたが、再度飛びかかる犬に今度はさばこうと腕を動かすが、さばききれず爪で腕が切られる。

痛みに呻くが、すぐに血が沸立ち傷が消える様に癒えた。

 

「な、なんだ今の!?」

―――落ち着け! いちいち騒ぐんじゃねえよ! これが<デル・ドーレ>の使い方だ。血を変質させる能力で、驚異的な回復力や筋力、感覚を発揮させる。それこそ、腕を切り落とされようが再生できる代物だ―――

「なんだよ、その回復チート!!」

 

コレで、回復の目処が立ったのはありがたかったけど。

だが、このままでは埒があかない。

だったら、

 

「動きを止めるか」

 

手頃な大きさの石ころを複数手に取り犬を睨むと、眼鏡の青年と戦う赤毛の女性の姿が過ぎった。

口が自然に動いていた。

 

「ぶっ飛ばせ、<ルー・グー>!」

 

斥力で撃ち出す。

石は、こちらに飛び掛ろうとしていた犬の鼻面に当たり、その体躯を吹き飛ばした。

 

―ギャンッ!―

 

鼻への衝撃と叩きつけられた痛みに犬が悲鳴を上げる。

そこへ追撃に、

ドドドドッ!!

 

―――ガァアアアアッ!!―――

 

遅れて放たれた石ころが四肢を撃ち抜いた。

 

『終わりのようじゃな』

「ああ。カナメ、封印を」

『よかろう。<Sealing>』

 

犬から青い宝石が引き出され、カナメの文字盤が収納する。

 

「まず一つ。昨日のも確保できれてればカードが一枚増えていたのに」

『私が来たのがその件の後なのだから大人しく諦めよ。それよりも、私から言わせてもらうのなら、バリアジャケットや封印以外の魔導も使ってみて欲しかったのじゃが。まぁ、そのあたりは次回に期待しようかの? 過ぎてしまったことを考えても仕方ないしな。それより早くここを離れよう。はやくせねば』

「着いた! なのは、レイジングハートを・・・・・・?」

「うん! ・・・・・・あれ? 雄一君? 何で、ここに?」

 

石段を上がってきたなのは達とはち合わせた。

 

『遅かった、ようじゃな』

「・・・・・・orz」

 

早速予定が台無しだよ、チクショウ!

 

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