賛否両論あるでしょうが堪忍してください・・・・・・。
さて、なのはたちと出くわしたわけだが。
Q:足元には気絶した犬とその飼い主。周囲には戦闘痕。その中、フツウに立っている俺は、この状況の目撃者(友人)にどう対応するべきか。
俺の回答。
「よう、なのは。こんなところにどうした?」
「え? えと、こっちに、ユーノ君が走ってっちゃって、それを追いかけてきたの」
「そうか。なら、気をつけて帰れ。また明日」
A:しらを切ってさっさと立ち去る。
カナメをポケットにしまい込むと、なのはの横を通り過ぎて、
「ま、待ってください! ジュエルシードをどうするつもりですか!?」
「ユーノ君!?」
なのはの肩に乗っていたフェレットに呼び止められた。
なのはが慌てて振り返っている。
「へぇ? しゃべるフェレットなんて珍しいじゃないか」
しらばっくれながら振り返ると、ユーノと呼ばれていたフェレットがこちらを睨んでいる。
「あなたがポケットにしまった懐中時計はデバイスですね」
「け、けど雄一君が魔導師なんて本当なの、ユーノ君!?」
「間違いないよ。おそらく、ううん! 彼も魔導師だ」
なのはが信じられないという視線を向けてくるが、俺はそれよりも余りな対応をするフェレットにため息をついた。
「ユーノだったか。質問に答える前に言わせてもらうが、おまえはバカか?」
「なっ!? どういうことですか」
「俺がジュエルシードを持っていることを確信しているから肉声で話しかけたんだろうが、もし俺がジュエルシードを悪用しようとしてる人間だったらどうするつもりだった? この状況で魔導師、しかもジュエルシード関係の人間であることを明かしたら、ジュエルシードを持っているのではないか、と襲われる危険もあったはずだ。少なくとも俺なら、なのは自身に魔法を使わせずに確認させるようにするな。そうすれば、なのは自身に、俺が敵だという心構えを作る時間を用意した上で、敵かもしれない相手の情報を集めてより優位な状況を築くか、相手を避けることもできる」
「そ、それは・・・・・・」
うろたえるユーノの思考を<クフ・リーン>が教えてくれた、読心能力を持つ精霊<ハヌ・マーン>で覗く。
・・・・・・。
幸い、見えたユーノの意識には、なのはを利用するなどの思考はないようだ。
「(まぁいい。こっちの確認したいことは見れたし)さて、質問に答えるが、俺は魔導師じゃない」
「なんですって!? で、でもそのデバイスは」
「デバイスこそ持っている、というやつだ。このデバイスを得たのは偶然(らしいん)だ。紹介しよう、俺のデバイス、カナメだ」
『お初にお目にかかる。こやつのデバイスであるカナメじゃ』
「そして、俺は先日とある家からこの地、海鳴の管理を委託された『契約者』榊雄一だ」
「「けいやくしゃ?」」
首を傾げる二人。
そもそも、『先日云々から管理を云々』はデタラメなのだから、まぁイメージできんわな。
「『契約者』は、何らかの代償を払って超常の能力を得たものたちだ。世が世なら魔術師とでも呼ばれていた連中だよ」
「ま、待ってください! この世界には魔法技術がないはずです!」
「ユーノ、それは、そっちの調査能力の問題・・・・・・と決め付けるのも乱暴か。おそらく、表向きの情報を拾ったんだ」
「表向き、ですか?」
「それは、魔法に対する扱いの違いで説明できる話だ。お前達にとって魔法というものはずいぶんオープンなもののようだが、こちらの世界では文字通り『魔の法』、つまり魔に連なるものが使う外法だ。だからこそ、それを異端とされてきた歴史がある。なのはなら分かるだろうが、魔女狩りや異端審問とか。だからこそ、魔術の原則は表の世界から身を隠し続けること、隠匿だ」
「・・・・・・なるほど、それなら、納得です」
「えーと、質問いいかな?」
ユーノに代わって、なのはがおずおずと手を挙げた。
苦笑しつつ空気を読んで、促してみる。
「なんだ?」
「雄一君もその契約者、ってものなんだよね? さっき、能力の代わりに代償を払うって言ってたけど、どんなものなの?」
「そうだな・・・・・・。例を挙げれば、『影を操る代わりに日光で火傷を負うようになる』、『視界に入ったものを灰に変えることができる代わりに目に映る色がすべて灰色に見える』、『物を引き寄せたり飛ばしたりできる代わりに声を失う』、とかだな」
俺が教えた契約者の姿に、二人は言葉を失っていた。
「そ、そんな!それじゃあ、雄一君も何かなくなってるの!?」
「落ち着け。俺は例外だ。対価は払っていない。俺は元々魔力量に恵まれていたようでな。そのスペースを契約精霊が埋めた形だ。強いて言うなら、魔力運用が対価になっている」
本日のデマカセ、パートツーwww。
唸れ、俺の口車!
しかし、視界の端、足下で<クフ・リーン>がげらげら笑っているのが見えた。
うるせえよ、ちょっと醒めたけど。
「あれ? ということは榊さんは「雄一でいい」雄一は魔法は使えないの?」
「その為にカナメがいる」
『そういうことじゃ。契約者である雄一が私を使うのは、残った少ない魔力で魔法を有効に使うためなのじゃ。私がいなければ障壁を張ることさえできんじゃろう』
カナメが引き継いだ回答に一応頷いておく。
「ねえ、雄一君」
「なんだ?」
「えっと、雄一君。それで提案なんだけど、よかったら雄一君もジュエルシードを集めるのに協力してくれないかな?」
なのはが切り出した提案を吟味する。
昨日思っていたほど、介入もまずいことにはならないかもしれない。
どうなるかなんて分かるはずもないんだから、仲間はいた方がいいかもしれない。
もちろん、なのはが仲のいい友達だという考えもあるし。
だが、
「俺は協力者というより第三勢力といった形を選ぶよ」
選んだのは、前に<クフ・リーン>とカナメと話し合った『第三勢力』の道。
この後何が起こるにせよ、今はまだ、選択肢に幅を残しておく時期だろう。
「え? どういうこと?」
「『契約者』は契約を破らない。『海鳴の管理を引き受ける』契約をしているから、『海鳴を守ること』、つまりジュエルシードの起こす事件については協力するよ。けど、ジュエルシードは封印した陣営が所有権を主張できる、ということだ」
咄嗟に、さっきのデマカセにつなげてデタラメを広げる。
なのは達には確認のしようもない情報だから、ウソと断じることはできない。
「そんな!?」
「ま、待って! ジュエルシードはもともとユーノ君の物で」
「だったら昨日の槙原動物病院の件もユーノに請求するけど?」
ぐ、っと口を閉ざす二人。
そんな恨みがましい目で見られてもな。
「あそこも施設の破壊で運営が少し傾いたそうだ。動物達もショックを受けていたしな。所有権を主張するなら、それらにも責任を持ってから言え」
「う、はい・・・・・・」
ぐうの音も出ないようだな。
「それじゃあ、なのは、また明日学校で」
今度は呼び止められることなく、さっさと石段を下りていった。
『「契約者」は契約を破らない、か』
「なんだよ。何か言いたいことでもあるのか?」
『いや? だったら、あの娘にした「契約」は今回のことで破れた事になるのかの、と思っただけじゃが、』
どうかの? と問うカナメに俺はただ、鼻を鳴らし視線を背ける事で応えるのだった。