上条にハンバーガーとシェイクを、インデックスのついでに自分達にも奢らせて満足する
「とうまー、こっちなんだよ!」
禁書目録さんが机にシェイクを置き、手招きする。どうやらその机が、俺達のためにとってある席らしい。
で。
「……。」
そのインデックスと同じ席で、一人の女性が突っ伏している。服装は見た所巫女服。髪は腰まで届くほど長いようだ。その横には山積みのハンバーガーが置いてある。どう見たって面倒ごとに巻き込まれる、と本能が告げる。それも今回は、
(うわーまた上やんこの少女を救ってフラグ成立パターンだぜ)
一回ぶん殴ってやろうかな、などと思いながら、比嘉宗もその席へと向かう。上条も嫌そうな顔をしながら、そして青髪でさえも若干引きながら近づく。
「……えっと……そこの巫女服着たお嬢さん?どうして机に突っ伏しているのでせう?」
上条が先制のジャブを放って様子を見る。すると、篭った声が帰ってくる。
「……食い倒れた。」
思わぬところからのカウンター。状況が全く掴めない上条達は、関わってしまった以上引き下がれない、しかし話すのはかなり面倒だという最悪の状況に陥ってしまった。
(上やん続きを聞けよ!)(やだよ!俺あんな空気知らねーもん!)(なんでや!せっかくの美少女と話せるチャンスなんやで!)(ならお前が行けや青髪!)(ああいったのは上やんの領分やろ!?上やんが切り崩したところで攻め込むのが僕や比嘉やんなんや!)
結局、女の子を背にしてジャンケンで話しかける役を決める、というとても失礼なことになった。そして。
「あの、食い倒れたって……何?」
やっぱり負けたのは不幸男。とりあえず無難に正攻法で攻め込んでいく。
「……一個百円のハンバーガー。」
対して巫女少女は、先ほどよりもはっきりした声で答える。
「お徳用クーポンがたくさんあったから。とりあえず三十個ほど頼んでみたり。」
「お得過ぎだろ、馬鹿」
上条当麻の意図せぬダイレクトアタック!巫女少女はダウン!まぁ元々ダウンしていたが。
上条が弁明すると、少女が再び口を開く。
「やけ食い。帰りの電車賃。六百円。」「……それで?」
「全財産。五百円。」「……その心は?」
「買いすぎ。無計画。」
『知ってた』。そう思う男三人だが、ダウンしている少女に追撃を喰らわせるのもめんど……かわいそうなので言わないでおく。
「だから。やけ食い。」
ここで話が元に戻ったので、上条が口を挟む。
「そもそも、それ以前に電車賃くらい誰かに借りられないのか?」
バッ、と少女が起き上がる。その顔は、奥まった日本美人の大和撫子。細い目がキラキラと輝いている。比嘉宗はその顔をみて感嘆の声をあげ、青髪ピアスはその顔を携帯の写真に収める。下手すれば
「おお。それは良い案。」
巫女少女は顔をあげると、そのまま一点を見つめる。視界の先には先ほど話しかけた男、上条当麻。
「な、なぜこっちを見る?てか、期待の眼差しを向けるんじゃねぇ!」
巫女少女は対して、可愛らしく小首を傾げて問う。
「百円。無理?」
「無理!貸せないものは貸せない」
上条が突っぱねると巫女少女は露骨に舌打ちする。
「たかが百円も貸せないなんて。」
「その百円持ってないのはどこの馬鹿だ、おい!」
「まぁまぁ上やん成長したなぁ!こんな美人さんと素で喋れるやなんてぇ」
「じゃあ。美人に免じて百円。」
「うるせぇ!こちとら三名にたかられまくって、一切の余裕はねーんだよ!」
上条に金を借りるのは無理だと判断したのか、巫女少女の視線が横に……比嘉宗に行く。
「百円。」「おあ!?こっち来た!」
と思いきや巫女少女の目は比嘉宗をスルーし、青髪へと向く。
「百円。」という声は先の二回よりも力強い。
「なんでこっちにも!?」「写真撮られた。」「ちょっ、有料って……お金取りますのんか?」
そこで、蚊帳の外だったインデックスさんが小馬鹿にした様に言う。
「……ふぅん、この街のミコさんは、顔も売るんだ」
その口調にはいらつきも聞き取れた。大方、上条が他の女子と喋っている事への嫉妬だろう。
ここには巫女少女もムッときたのか、インデックスの方を向き、言う。
「私。巫女さんではない。」
「って、顔も売るとかに反応せんのかい!」
「はぁ?どっから見たって、完璧な巫女さんだろう?」
「私。魔法使い。」
その言葉に、比嘉宗の目が見開かれる。身体が攻撃の構えに移行する。
が、何かを行動する前に、インデックスがシェイクと山積みバーガーの乗った机を叩いた。
「魔法使いぃ?魔法使いって何!?曖昧なこと言ってないで、専門と、学派と、魔法名とオーダー名を名乗るんだよ!お馬鹿!大体、そんな格好をするんだったらせめて東洋系の
本職がお怒りである。対して巫女改め魔法使いの少女は、
「じゃ。それ。」
あっさりと今の立場を捨て、東洋系の占星術師になった。
声にならない声をあげるインデックスを、上条がなだめるように声をかける。
と、ここで青髪が後ろを向く。それに釣られて比嘉宗も背後に目をやった。
そこにいたのは、リクルートスーツに身を包んだ、サラリーマン。ただし、一人ではない。
十数人ものサラリーマンの集団が、地味な色の違い以外はほぼ変わらない服を着て突っ立っていた。比嘉宗達を囲むように。
「誰だ、あんたら?」「いつの間に……?」
と、そこで巫女魔法使い占星術師が立ち上がり、その集団の先頭に立つ男に告げる。
「あと百円。」
対し、男はポケットを漁って一枚の銀色効果を差し出した。
「この人達、お前の知り合いなのか?」
この奇妙さに上条が訊くと、巫女少女はうなづいて答える。
「塾の先生。」
それだけ言うと、巫女少女は上条達に背を向け、去っていく。その後ろ姿を見ながら、青髪が問いかけるような、独り言のような感じで言う。
「けーど、なんで塾の先生が生徒の面倒まで見んねんな?」
なんとなく空気が悪くなったのか、その日は比嘉宗達はそこで解散となった。
自分のハンバーガーを食べていない上条を置いて、比嘉宗は先にバーガー店を出る。そのまま学生寮へと向かう。その途中。
「にゃー」「お、捨て猫?」
そこにいたのは一匹の猫。段ボールに『拾ってください』と書かれている。なんとも典型的な例だ、と比嘉宗は感じた。正直拾ってあげたい、と思う比嘉宗なのだが、
「俺の能力のせいで真っ黒焦げの猫肉になっちゃってもかわいそうだし、ゴメンな」
そう言ってひと撫で。猫はゴロゴロと喉を鳴らし、段ボールの中に戻る。次の人間を待つのかもしれない。比嘉宗は立ち上がり再び帰路につこうとする。そこで、彼に声をかける者があった。
「やぁ、久しぶりだね。サンドバッグ君」
「お、お前は!?いや、アンタは!」
このヒロイン、出番が無さすぎて馬鹿にされまくってますが自分は好きですよ、■■。
今一度彼女がヒロインの物を!……SS3とかでいいから!
そういえば巷で何か話題になってるらしいですね。某アニメが3期決定だとか何とか。とりあえず10月1日を待ちますかね!
今回も読んでいただき、ありがとうございますm(_ _)m
これからもよろしくお願いします!