ワンパンマン ~日常ショートショート~   作:Jack_amano

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秋の番組改変期。
スペシャル番組いっぱいありますよね~!
『逃亡中』
好きだったんですが、あのスキンヘッドのハンター、サイタマ先生を思い出します。
またやらないかな~今ならもっと楽しめる!

追記:
あ、番組名『逃走中』でしたね。ご指摘ありがとうございました。



KINGの苦悩

「頼むよサイタマ氏! この通りだ!」

 ピザにコーラ、チキンにポテトにポップコーンシュリンプ、サラダにダメ押しのデザート、アップルパイにアイスまで机に並べて、遊びに来た俺のただ一人の友人、兼ヒーローを拝み()す。

「あ~でもなぁ。俺、B級だし」

 ぽりぽりと指で頬を掻きつつ、若干困った顔でサイタマ氏は好物の並んだローテーブルを眺めている。

「ビールもあるよ」

 ()かさず畳み掛けると、彼の目は空を泳いだ。

「でもなぁ… S級vsA・B・C級なんだろう? 第一、悪名高い“ハゲマント”と共闘なんてキングのイメージダウンじゃねぇ?」

「そんな事ないよ! それに俺が指名すればサイタマ氏が本当に強いってみんなも認めると思うよ」

 俺が本当は弱いって知っているのはサイタマ氏だけだし、俺が安心して全てを任せられるのもサイタマ氏だけだ。彼にバディを断られたら、俺はまた"山籠りの修行"だとでも言って逃げるしかない。

 いい加減、嘘で固めた今の生活をカミングアウトしなくちゃとは思うけど、元来小心者で超ビビりな俺にはなかなか決心がつかない。

 手柄を取られて一番迷惑を被っている筈のサイタマ氏が好きにしろと言ってくれたので、ズルズルと彼の好意に甘えちゃってる自覚はある。

 

 あるんだが―――

 

 今、預言者“シババ”の『地球がヤバい』発言で強いヒーローが求められている時に、ヒーロー全体の信用を落とすフラグなんて立てられない!

 しかも、俺が悩んでいる理由がコレだ!

 

『秋の特番"ヒーロー協会提携S級3vsA・B・C級30サバイバルゲーム"勝つのはどっちだ?!』

 

 くだらない。そんな事に付き合ってられるかと一蹴(いっしゅう)したいとこだが、それがチャリティー番組で、尚且(なおか)つヒーロー協会に圧力を掛けられるアマイマスク氏が関わっているとなると断り辛い。

 

 でも、ムリムリムリ!

 

 S級とは言え、3人対A・B・C級、計30人?! しかも、こっちのボスは実は一般市民で最弱の俺、あっちのボスはS級を目の敵にしてるアマイマスク氏?! どんなムリゲーなのこれ! アマイマスク氏、S級潰す気満々でしょ!

 今回はサイタマ氏がフォローしてくれるならと思ったんだけど―――

 

「って言うかさ~特殊攻撃は使っちゃダメなんだろ? なら面子(めんつ)次第でキングでもイケるんじゃね?」

 ササササ、サイタマ氏! 何言っちゃってんの?! あっさりとそんな事言わないで~! 俺の心臓、ハジけそうだよ!!

「やめてよ! 考えただけでライフが0になる!!」

 ノミの心臓バクバク状態の俺をよそに、"いただきま~す"なんて言いながらサイタマ氏はピザを食べ始めた。

 ほほ袋一杯に好物を詰め込む彼は最強のヒーローなんて面影はなくハムスターのようで可愛らしいのだが、俺の必死のお願いはピザに負けるのかと思うと涙が出そうだ。

 

「でもよう? サバゲー経験者なんだろ? キング、エアガンたくさん持ってんじゃん」

「持ってるけどさぁ、やってたの学生の時だよ? 俺もう三十路(みそじ)だから。GUN担いで走り回るなんて無理無理!」

 短銃から長距離型連発銃まで、形から入るタイプの俺は結構マニアックに収集したが、その大半はもう何年も整備すらしてない。

「相当やり込んだんだろ? キングの事だから。遠距離から当てるくらい簡単に出来るんだろ? S級、ジェノスの他に銃の扱い上手くて接近戦にも長けてる奴、一人くらいいないの?」

 確かにサバゲーはやり込んだし、スナイパーとしては(って言うか、体力上それしか出来なかったんだけど)自信があるけど―――

 …ジェノス氏は確定なんだ?

 銃を使えるとなると、メタルナイト氏か駆動騎士氏。童帝君は子供だから労働基準法に引っ掛るかもだから除外するとして、後は―――

「ゾンビマン氏かな? 彼ならナイフも扱えるし、接近戦もイケると思う。けど―――ジェノス氏、手伝ってくれるかな?」

 不死(ムゲンコンティニュー)なんてチートな技を持ってる割に、意外と常識人なゾンビマン氏は、俺が頭を下げれば素直に参戦してくれると思う。

 けど、ジェノス氏がサイタマ氏以外の人間の命令をちゃんと聞くとは到底思えない。特に俺は目の敵にされてる気がするし―――

「それは大丈夫だろ。対人相手のゲリラ戦の演習だって俺が言えばヤル気になると思うぞ」

 …確かにサイタマ氏の師匠命令ならね。でもだからって―――――――

「現実でそんなバトルミッション、単なる引き籠りオタクの俺が出来る訳ないじゃない! ゲームじゃないんだよ?!」

「ゲームでしょ? 本当に死ぬ訳じゃないんだしさ。"バトルフィールド"とかみたいなオンラインゲームな感じ?」

 

 ――――――えっ?

 …確かに武器はペイント弾にゴムナイフ使用だけど――――――

 

 サイタマ氏はポテトを摘まみながらなおも続けた。

「考えても見ろよ? ジェノスがいればフィールドマップは敵のビーコン付きで手に入る。キングは戦略立てて"MGS"の大佐の立場で遠くからフォローしつつ、ソリッドスネークとネイキッドスネークに指示してゲーム攻略するようなもんじゃねの?」

 サイタマ氏の言葉に、俺の頭には一瞬にして画像が浮かんだ。

 バトルスーツを着るゾンビマン氏とジェノス氏。

 素早いジェノス氏に撹乱させ、敵を罠に誘い込み、外れた敵をゾンビマン氏に殲滅させる。それでも逃れる奴がいれば、俺が上から撃てばいい。それを何回かやれば、自意識の高いアマイマスク氏は絶対に黙ってられなくなって前線に出てくるだろう。あとは――――――

 

 そ、それは―――――― そそる!!ゲーマーとしては!

 

「サイタマ氏! 俺、なんだかイケそうな気がしてきたよ!!」

「おう、ジェノスにはメタルギアの完全攻略映像見せとくから、副賞の『焼肉・叙々苑食べ放題』よろしくな」

 

 

 

 

 




本当はS級相手の『逃走中』やりたかったんだけど、番組古いかな?と思ってやめました。
でも、無表情で爆走するハンターのサイタマ先生、書きたかったかも。
誰も彼からは逃げられませんね。


考えてみたら、S級は防御考えないからサバゲ―は向かない気がします。
ゾンビマンの不死も関係ないしね。
サイタマ先生はまるっきり防御しないし、力加減考えて攻撃遅くなって役に立たないでしょう。
キングさん、頑張ってください。

もし、本編読みたい人がいたら連絡ください。
5人くらいいたら読み切りで別に書こうかな。

感想お待ちしております。


追記:2014/04/27 別枠で続き書きました!
   『ワンパンマン バトルランナー』です。前後編で終わる予定です。


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