Monster・Hunter・BREAKERS   作:しーちゃn

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失踪しかけてたしーちゃnですこんにちは。
中学生の頃に書いていた作品をリニューアル(?)
させたものとなっていまして、これまた以外と時間がかかりました。
ペースは勘弁してください申し訳ありません。


序章 『破壊者たち』
狩人に向けて Ⅰ


「おいおい、

し、試験って…何するんだよ。」

 

額に汗を滲ませ、不安げにメイを見つめる。

 

「う〜ん、私も何するかは聞いてないなぁ。

多分、知識とか問われると思うんだけど。

でもリオなら大丈夫だよ!」

 

「いや、うん。ありがたんだけど、

それ本当に大丈夫なのか?」

 

すると、会場奥の扉が音を立てて開き、

一人の男が入ってきた。

初老の男で、髪は坊主の如く

剃り上げられていた。

身につけているコートの胸の部分には、

訓練所の教官の証である、

二匹の龍をあしらった紋章がつけられていた。

それと同時に、会場中が静まり返った。

そして、教官と思しき男は

 

「全員、移動だ!ついてきたまえ!!」

 

と一言だけ放ち、背を向けて彼が入ってきた扉へと戻って行った。

始めは少し動揺したハンター候補たちだったが、やがて各々移動を開始した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

扉をくぐった先には、

幾つもの長机とそれに見合った椅子が

準備してあった。

所謂、試験会場というものだ。

 

「ここからの私語は、厳禁とする。

このルールを破った者は、即刻、

退場してもらう。」

 

向き直った男は、候補たちに向かって

投げかけるように言った。

 

「ここで少し、試験の説明をする。

まずこの一次試験で問われるのは、

ハンターとしての知識、及び

モンスターの危険度等だ。

このくらいのことはわかっていなければ、

この先、かなり厳しい訓練になることは免れない。二次試験については、順次、

説明させてもらう。

ではこれより、問題用紙、解答用紙を

配布する。くれぐれも指示があるまで

開けないように。」

 

男の後ろに控えていた、

これまた訓練所の紋章をつけた

四、五人の男女が紙を配布し始めた。

正直なところ、リオにハンターとしての知識なってあったものではない。

まして日常生活に関しても、だ。

弱冠14歳にして、二人分の家事、料理などを

一人でこなすメイに対し、

リオは特に何もしていない。

多少の手伝いはするが、料理はさっぱりで、

ついには

 

『リオはもう手伝わなくていいかな……』

 

とまで言われた始末。

なので料理はもちろん、調合など

出来るはずもなく、

日々、ハンターの基礎となる身体を鍛えるために過ごしてきたと言っても過言ではないくらいである。

だが、トレーニングの甲斐あってか、

スタミナと筋力だけはある。

しかし、このテストではそんなものは

クソの役にも立たない。

 

「今、全ての用紙の配布が終了した。

注意事項にも書いてあるが、

試験時間は30分とする。

それでは、試験を開始する!」

 

教官がひときわ大きな声で叫ぶと、

候補たちは一斉に折りたたまれた紙を開け、

正答を書き始めた。

だが、その中でももたつく影が一つ、

言わずと知れたリオ・クロードだ。

端から見ても

あぁ、駄目だコイツ……と思うレベルで

ダメなのだった。

 

一方、彼の心の中は逆に平静を保っていた。

心中に浮かんだことはただ一つ。それ即ち、

 

ーー終わったな……

今日の晩飯なんだろう。ーー

 

だった。

問題の内容はいたって簡単。

問1は回復薬の調合素材を記入するだけ。

これは、子供でも分かるサービス問題、

とでも言っていいだろう。

しかし、リオにはこれがわからない。

前述の通り、メイに全てを任せていたからだ。

問2は、少し専門知識を必要とする問題で、

ユクモ村付近に生息する鳥竜種の

モンスターの名前をすべてあげよ、

といったものだ。

結論から言うと、

ジャギィ、フロギィ、バギィの

三つを書けば正答なわけだが、

リオにそんな知識があるはずもなく、不正解。

メイは事前勉強が功を奏したらしく

正解だった。

 

この調子で、ほとんど基礎知識を

問うものに、

専門知識を織り交ぜた問題が出され、

最後の問題に関しては、

狩場で予想もつかないようなモンスター、

例を挙げれば、イビルジョー、

ティガレックスなどに遭遇した場合、

どうすればよいか、という問題だ。

常識的に考えれば、

 

逃走を図る。

 

が模範解答だが、リオの解答は、

 

とりあえず倒す、だった。

 

彼は自らの力量を知っての上で答えたのか、

ただのバカなのか、よくわからないが、

おそらくはただのバカなのかもしれない。

 

そして、カリカリとペンを走らせる音は

教官の合図によって完全に停止し、

それと同時に大きな喧騒を生み出した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「終わった……俺のハンター生活は

ここで終わった……」

 

一人、空を見て幽体離脱したかのごとく

白目をむいているリオに

話しかける少女が一人。

 

「ねぇ、リオ?大丈夫?」

 

メイが心配そうに声をかけるが、

反応は返ってこない。

それどころか、呪詛のごとく

『終わった』をつぶやきつづけていた。

 

「終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わった終わっt」

 

「あぁもう!!リオ!!!」

 

ばちこーん

 

「べぶっ!?」

 

メイの平手打ちが見事に炸裂。

真っ赤なもみじがリオの頬についた。

 

「痛い!

これ殺しに来てない!?」

 

「何バカなこと言ってるの、

まだ二次試験があるんだよ?」

 

が、リオは素っ頓狂な顔で返す。

 

「え?二次試験……??」

 

「そう、二次試験だよ。

さっき、一次試験って言ってたでしょ?」

 

「あ、そういえば…」

 

リオは、確かにと言わんばかりに頷き、

教官の言葉を思い出した。

 

「だよね?だから、二次試験は

きっと…多分…おそらく……もしかしたら

実技系の試験かもしれないよ?」

 

「それちょっと確率落ちてない?

いや、『きっと』から『もしかしたら』は

ちょっとじゃないと思うんだが。」

 

二人がコントのような会話を続けているうちに、辺りが一気に静まり返る。

一度退室していた教官が、

再び戻ってきたのだ。

 

「それでは次に、身体測定及び、

体力テストを行う。」

 

『嘘…今ので終わりじゃないの…』

 

『よっし!!さすがに一次だけじゃ

心配だしな!』

 

「っしゃああああああ!!

危ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

因みに、今のはリオの声だ。

 

ため息の中に、少し歓喜の声が混じった、

ざわざわという雰囲気の中、教官は続けた。

 

「二次試験はハンター採用の基準となり、

この基準に満たないものは、

たとえ一次試験を合格していようとも、

危険と判断され、

ハンターになることはできない。

そこを弁えて、全力で臨んでほしい。」

 

と言い放った。

さらに、

 

「30分後に試験を開始する。

各自、準備運動をしておくように。」

 

と付け加え、教官は退室していった。

それと同時に、会場は再び喧騒を取り戻した。

 

「良かったね、リオ。」

 

メイが肘で小突きながら言う。

 

「結構危なかった…

あのままじゃ確実に不合格だしな。」

 

リオは思い出したように続けて、

 

「そういえば身体測定もあるって言ってたよな?メイって体重何k…………………」

 

しまった、心の中に浮かんだのは

その四文字。それ以上でもそれ以下でもない。

 

「リオ、今なんて言った?」

 

なんとか首をメイの方へ向けると、

驚くほど冷たい返事が返ってきた。

目に光はなく、真っ黒に染まっている。

完全に殺すつもりの目である。

 

「いえ、何でもございません。」

 

リオの即答、そこまで言ったのなら

男の意地にかけて聞き出すべきかもしれないが。

 

「ふ〜ん……ならいいんだけど。」

 

メイの目に光が戻ったのを確認し、

安堵を覚えるリオだったが、

一次試験の不安は、どうしても拭いきれないものとなっていた。

 

 




次回もよろしければ読んでいってくださいね!
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