Monster・Hunter・BREAKERS 作:しーちゃn
ちょっと今回は長いかと思われますが、
まぁ大丈夫でしょう。多分。
一次試験終了から三十分、
二次試験と称した体力テストは
スタンプラリー形式であり、
会場内から狩場まで
広い範囲で行われている。その規模は、
当日の渓流での狩猟を休止せざるをえないほどだった。
そして、リオとメイの二人は、まず
『山走り』の測定所へと向かった。
『山走り』とは、どういったものかというと、
その名の通り、山を走るのである。
渓流の険しい地形を利用したテストだ。
大型モンスターの出にくい昼間、
渓流の各エリアに存在する素材等を
収集し、そのタイムを計るといったもので、
二人一組で参加し、
基準である十五分を切ればクリアとなる。
この基準が街からユクモ村まで
はるばるやってきたハンター候補たちにとっては
絶妙なタイムであり、
十四分五十八秒で合格するグループもあれば、
十五分三秒で落第とされるグループもあった。
そんな中、
「メイ、アオキノコどこだっけ?」
「それならここにあるよ、
あと、薬草とユクモの木は取っておいたよ!」
「おお!さすが、仕事が早いな。」
「そういうリオも、ちゃんと
ハチミツとって来てるでしょ。」
「まあな。この辺に関しては
知り尽くしてるし!」
幼少期に、育ててくれた老婆の制止を振り切って、
何度もお使いと称した探検に来ていた
二人だからこそのコンビネーションを生かし、
順調に素材を収集していた。
「んじゃ、あとは帰るだけだな!」
「うん、そうだね。
たしかこっちが近道だよ。」
メイが指さしたのは、ジャギィらしき
小型のモンスターが通った跡の獣道で、
できてからかなり時間が経っており、
幼少期から使っていたそこを突っ切った。
そして何の問題もなく、順調にゴールイン。
二人のタイムは八分十二秒。
体力とはあまり関係ない点で圧倒的なタイムを
叩き出したが、ハンター的な視点からすると、
かなり優秀なタイムであった。
しかし、
「よっし!ゴールだ!!」
リオが勇み足でゴールへと踏み入り、
少し後にメイも続く。
その二人に、時間を計っていた教官が
声をかけた。
「合格だ。お前たちも速かったな。
惜しいけど、二位だ。先着がいるよ。」
「えぇ!嘘だろ!?」
自分たちが当然一位であるはず、
と考えていた二人は、目を丸くした。
近くに立てかけられている
上位十組を示すボードに目をやると、
確かに自分たちの名前は
上から二番目に記されていた。
一位のタイムは、六分三十一秒。
普段のトレーニングを怠ることはない
リオでさえ、素材を集めなくても
七分はかかるところを、
一位の二人は六分半でやってのけている。
「教官、本当にこのタイム、
ちゃんと測定できてます?速すぎませんか?」
リオは納得がいかず抗議に走るが、
メイに制止され、引き下がる。
しかしリオは諦めきれず、
その二人に敵意識を抱いていたのだった。
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次に二人は、武器使用のテストへと向かった。
そこでは様々な武器種を渡され、
それぞれの扱いを見られ、
適性のある武器を示されるものだ。
試験場にたどり着いた時は
「これ意味あるのか?あとで選べば良くないか?」
などと面倒くさそうにしていたリオも、
武器を目の前にすると、
「うおーー!!大剣!大剣にする!!」
と、はしゃぎまわっていた。
「やっぱ大剣はカッコイイな。
これにしよ……って重っ!!」
リオは手近にあった大剣を拾い上げるが、
思いのほか重量があり、
両手で持ってもまだふらついている。
「危ない危ない、
大剣は結構な重さがあるからね。無理はしないほうがいいよ。」
試験官兼記録係の青年が苦笑して言った。
「じゃあ、私はこれかな。」
メイはライトボウガンを手にした。
少し試し射ちをして、そのリズム感と連射の速さが、
どうやら気に入ったようだ。
対してリオは、やっとの事で大剣を地面に置き、
次は太刀に手をかけた。
太刀の特徴はリーチと柔軟な回避、
そして、気刃斬りだ。
扱いがそれなりに難しいので、
大剣とは対極にあると言っていいかもしれない。
「太刀って結構軽いんだな。
そういえば、あの人も太刀を使ってたな……」
ふとリオは十歳の頃目にした、
あの光景を思い出した。
真っ黒な刀身に赫く光る、
燃え盛るマグマのような装飾。
リュウガ・アークラインの名前を忘れることは
以来、一瞬たりともなかった。
「へぇ、太刀とライトボウガンかぁ。
結構いい組み合わせだと思うよ。
太刀が引きつけつつ削って、
ライトボウガンで遠くから狙い撃ち、
これで大抵はなんとかなるからね。
二人合わされば、いいパーティーに
なれるんじゃないかな?」
青年が笑顔で言うと、リオは
「いやいや、俺は一人でも狩れるように
なりますよ!」
と豪語するが、対照的にメイは
少しだけ頬を朱に染めて
「いい、組み合わせ……」
と小さくつぶやくだけだったが、
二人には聞こえてはいなかったようだ。
二人はそれぞれ、太刀とライトボウガンで
決定し、試験官兼記録係の青年に
礼を言って、次の試験場へと向かった。
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それからと言うもの、
リオは持ち前の、というより培ってきた
運動能力を生かし、好成績を叩き出していた。
『投擲試験』
ペイントボールに見立てた玉を
命中精度、球速、飛距離に分けて計測するものだった。
最高評価がA5の中、リオはA4を記録。
しかし、三位。
A5ランクが一位、二位を独占。
次こそは一位をと、唇を噛み締めるリオだったが、
次なる試験、
『反復跳び』
これは、主に前回り受け身などの
回避速度を見る試験で、
ただ左右を往復するだけでなく
バックステップと受け身後の立て直しの
能力も必要とし、かなりハードなものになっている。
まず、左右に一回ずつステップを踏み、
次に真ん中にもどって前回り受け身、
そしてすぐ立ち上がってバックステップ。
このループを二十秒間繰り返すのだ。
平均は、約二十五回であり、
そんな中、リオは三十二回を達成したのだった。
これは一位だ。そう確信していた
リオが、再び上位が記録された板を見ると、
今度は二位。
またもや一位は取れない。
「くっそ!なんで一位が取れないんだよ!
昔からあれだけやったっていうのに……!
誰なんだよ!一位って!!」
痺れを切らしたリオは、ついに声を上げ、
一位の名前を確認することにしたようた。
そこには、
一位 リース・ウィスタリア 三十五回
とだけ書かれていた。
「怒ってもしょうがないよ、リオ。
もう次のところに行こう?」
メイに諭され、肩を落とすリオだったが、
その瞬間、背後から歓声が聞こえた。
「うおおおお!!やりやがった!三十七回だ!!!
ってかすげぇ可愛いな。」
「また一位だ!すげぇぞ、何者だ!?
あとめちゃくちゃ可愛いわ。」
「バカ言うな、グラウディオ家の一人娘の
ティナ・グラウディオだぞ!?
常人が敵うわけないだろ!やっぱ可愛いわマジ。」
「それに、ウィスタリア家のリース様もいらっしゃる………
すごいわ。やっぱり厳しい訓練を受けてきたのかしら……」
リオとメイも気になって、
その観衆の輪の中に入ると、
中にいたのは見た目は十二歳程度の、
肩まで行かない黒髪を携えた、小さな少女と、
逆にもう一人は、一六歳くらいだろうか、
スラっとした体型で、金色の髪を
腰まで伸ばした少女が並んで立っていた。
疲れはしていたが、二人とも芯の通った
笑顔を浮かべ、手を振って挨拶を返していた。
しかし、リオにとってそんなことはどうでもよかった。なぜなら、
一位 ティナ・グラウディオ
二位 リース・ウィスタリア
三位 リオ・クロード
板が更新され、先ほどまで二位だった自分が、
一位のティナとかいうあんな小さな少女などに
押し下げられてしまったのだから。
「やっと見つけたぞ…あいつらのお陰で、
俺はずっと三位止まりだったのか!!」
「ちょ、ちょっと!リオ!!」
ついさっきまでは一位を取れない自分が情けない、
と怒りの矛先を自分に向けていたが、
ついにその対象が現れたことにより、
怒りの鉄槌を下すべくメイの手を振り払い、
ズンズンと人混みを掻き分け、
二人の少女に近づいていった。
「おい!あんたら!!
よくもさっきから一位を独占してくれたな!
これ以上一位を取るのは俺が許さねぇぞ!!」
そしてこの一言。一気に歓声が途切れた。
メイは手を頭に当てて項垂れ、
「あぁ……やっちゃった………」
とだけ言った。
端から見たら、これはただの一方的な怒りであり、
理不尽極まりないことは誰でも理解できるだろう。
そして、この理不尽な怒りに向こうも反応したらしく、『リース』と呼ばれた、少し大人びた少女が、
「……意味がわかりませんわ。
突然出てきてそんなことを仰られても、
私たちは何も悪事を働いてはおりませんし。」
と返した。
だがそれは、リオの怒りをさらに大きくするだけで、
「あぁもう!何でもいいから
俺と勝負しやがれ!この野郎!」
「なぜ勝負などしなければならいか、
理解できかねますわ。
私には何の利益も無いというのに。」
口論に発展しかねない…というより
発展してしまった所に、
幼そうに見えた少女が叫んだ。
「ふたりとも、ストップストップ!
リースも、そんなきつく言わなくてもいいでしょ!」
ティナが、リースの服の裾を両手で掴んで、
懇願するように彼女の顔を見上げた。
「ティナ……でもこれは、
向こうが吹っかけてきた口論ですの。
私が優しくする道理はございませんわ。」
リースがティナの背中に手を回して返した。
「でも…でもダメなの!
リースは優しいリースでいて欲しいんだもん。
リースが怒ってたら……ティナは……ティナはっ!!」
そして、ティナは涙を浮かべて
自分より大きな少女の服に顔を埋めた。
その時、輪の中に
花のように綺麗なムードが漂い始め、
そして、観衆の男ども全員から
全く同じ言葉が漏れた。
「「「「…か………可愛すぎだろ………」」」」
当然、リオも
「あ…あぁ……
心が……癒されるんじゃぁ〜……」
と、つい数秒前の怒りが嘘のように
ティナに見惚れていた。
「なんでおじいさん口調になってるの……」
メイはため息をつきつつ、
ぼーっとしているリオを
観衆の中から引っ張り出すべく
腕をぐいぐいと引き、やっとの事で外に出ると、
すぱぁん!!
再び、リオの頬を引っ叩いた。
「げぼばぁ!?」
その頬には、一時試験時より一回り大きい
紅葉がくっきりと張り付いていたのだった。
ネタ要素をぶち込みたいが、モンハンの世界なので難しい。
以上。
投稿二時間後ちょっとだけ編集しました!
思えばティナとリースの容姿が全然わからないことに気づきました。