Monster・Hunter・BREAKERS   作:しーちゃn

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毎週投稿と言ったな………あれは嘘だ。

('ω')<うわぁぁぁぁぁぁぁぁ


紫水の舞 I

海岸の近く、切り立った岩の上に

あるベースキャンプに降り立った、四人の狩人達。

 

「孤島か……数ヶ月ぶりなわけだが、

準備はいいか?」

 

彼は4組のリーダー、

名をシーザー・バッドシードと言う。

彼もまた、貴族である。

ポッケ村を含む、北方を領地とする

バッドシード家の人間であり、

幼少の頃から狩猟に連れ出された彼は、

それこそモンスターとの対峙経験は

豊富なものだ。

深く黒がかった銀髪を長めに切り揃え、

その背には片手剣を背負っていた。

 

「あぁ、いいぜ。」

 

「私も、構わないな。」

 

二人のうち、青髪の男の方はカイル。

ただのカイルだ。家名はない。

本人曰くバルバレのスラム出身で、

行くあてもなくハンター試験を受け、

見事合格。

現在はスラムの仲間の支援で

なんとか学費を繋いでいるらしい。

使用武器は、双剣。

昔から盗みを働いてはその身軽さで

逃げ回ったという。

そして、もう一人はシルヴィア・モートル。

貴族ではないが、所謂富豪という者の娘だ。

狩場では、その女とは思えない筋力で

ハンマーを振り回す。

 

「こっちも、準備完了!」

 

ポーチをゴソゴソと探ってから顔を上げた

銀髪の少女は、言わずと知れた

メイ・ルルージュ、彼女だ。

武器はライトボウガンから弓へと

転向していた。

 

「なら、出発しようか。

早くしないと、海に逃げないとも限らない。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ベースキャンプを出てエリア1、

先日まで雨が降っていたのか、

照る日が雫を光らせ、

紫色の花を透かしていた。

 

「わかっていると思うが、

今回の標的はエリア5に入る可能性が高い。

水陸両用のモンスターにとっては絶好の

環境だからな。」

 

小走りを続けるシーザーが言った。

各々適当な返事を返し、走り続けると

エリア5まで、そう時間はかからなかった。

もう、ターゲットはすぐそこまで迫っていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

紫がかった体表、桜色とは形容しがたい

毒々しいピンク色の海綿質。

今まで数々の敵を引き裂いてきたであろう、

傷だらけの、それでいて鋭利な爪。

そのモンスターの周囲は、

染み出した毒液で紫に染まっていた。

ロアルドロス亜種。

それがこのモンスターにつけられた名前だ。

上位ハンターが、最初に出会う

亜種モンスターと言っていいだろう。

岩陰に隠れた四人、指揮をとるのはシーザーだ。

 

「いたな…………よし、

俺とモートルは正面、カイルは背後から回れ。

ルルージュは正面側で援護射撃、

火のビンを使って攻めろ。」

 

大型モンスターを発見してもすぐに

近づかず、準備を整えること。

生死を扱う仕事である、ハンターの基本だ。

了解の意を示すべく、他の三人は

こくりと頷く。

 

「準備はいいな………行くぞっ!!」

 

シーザーの一言で、四人は一気に岩陰から飛び出し、所定の位置に散らばった。

視界の端で動いている生物に

鬱陶しさを感じたのか、

ロアルドロス亜種は早くも突進攻撃を仕掛ける。体をくねらせ、水上を滑る突進は、

毒の水を撒き散らす二次災害を生む。

だがそれを、シーザーは盾を使って上手く受け流し、通り過ぎざまに一撃。

シルヴィアはすぐさま回避。

メイは火矢一発と、曲射を残して回避。

被害はない。

壁際で急停止したロアルドロス亜種の紫皮に

小さな火の粉が舞い散った。

しかし、ロアルドロスはダメージなど

まるでなかったかのように振り向き、

今度は、右、左、正面と三方向に

毒玉を発射した。

その弾はちょうど、シルヴィア、カイル、

メイの方向へとまっすぐに飛んでいく。

後ろから迫っていたカイルは、

突然の突進に置いていかれ、

振り向いたロアルドロスの正面に立つ形になっていた。

しかし、毒弾の速度はそれほど早いものではない。シルヴィアは再度、回避。

カイルは余裕綽々と走って回避。

メイもしなやかに回避すると、

その紫がかった表皮に、鮮血が走った。

シーザーが背後から尻尾を集中攻撃しているのだ。切り上げ、斬りおろしとコンボを決めて

からのバックステップで溜め切り。

これは少し堪えたようで、

ロアルドロスは尻尾を振り回して対応する。

しかし、その攻撃も片手剣の盾に全て受け流される。攻撃を正面から受けるために作られたわけではない盾だが、

その特性をしっかりと理解し、

上手く扱える彼の技量は中々のものだ。

 

普通の人間ならただ盾を構えるだけだが、

それでは圧倒的な力の差で簡単に押し切られ、吹き飛ばされてしまうのだ。

 

ことごとく攻撃を回避され怒ったのか、

ロアルドロス亜種は毒気を含んだ空気を

吐き始めた。

一つ短く吠えると、今度は毒弾を

吐き出しながら突進を開始。

進行方向はカイルとメイだ。

 

「おい、何してるんだ!?早く避けろっ!」

 

カイルが叫ぶが、

水獣の迫る中メイはまだポーチを探っている。左右に撒き散らされる毒液に掠ったのか、

シーザーが膝をついてしまっているのだ。

ロアルドロスは回避したカイルに目もくれず、

メイへと直進する。

 

「あった!!」

 

メイが叫び何かを取り出したと同時に、

水獣はスライディング。毒液が飛び散る。

おそらく目の前にいれば

猛毒に犯されるのは免れないだろう。

しかし、濛々と立ち込める霧状の水滴が

晴れたのち、そこに居たのはメイではなく、

シビレ罠にかかったロアルドロスだった。

 

「なっ………!?」

 

シーザーが思わず畏怖の声を漏らした。

常識的に考えれば、あの状況で取る行動は

間違いなく回避。

だが彼女がとった行動は、罠設置だ。

にしてもあの設置速度は人間業ではない。

鍛えられているシーザー自身でさえ、

いくら速く設置しようと思っても

二、三秒はかかってしまう。

だが、メイ・ルルージュはそれをたったの

コンマ一秒でやってのけたのだ。

 

「いいぞ、ルルージュ!

だが、どうやってそんなに速く……

いや、それは今考えることじゃないな。」

 

「みんな!今だよっ!!総攻撃っ!!!」

 

メイの一声で、三人は一気に攻勢に入る。

シーザーは手早く解毒薬を飲み干し、

シルヴィアは溜に溜めたハンマーを

紫水獣の顔面へ、

カイルは首を覆い隠すスポンジ状の機関へ、

メイは後方からひたすら曲射。

シビレ罠が解除された頃には

ロアルドロス亜種もかなり疲労していた。

 

「さぁ、そろそろ観念してもらおうか………

紫水獣!!」

 

武器を構えた四人が、モンスターに詰め寄った。いくら大型とはいえ、

ロアルドロスはあまり大きい方ではない。

ジワジワと追い詰められ、ついに

水獣はくるりと反転する。

おそらく、同エリアの滝に向かったのだろうか。四人はすぐに追走を始める。

ロアルドロス亜種の足は、あまり速くない。

それこそヒトの全力とあまり変わらないほどだ。滝に着いてすぐに攻撃を始めるため、

四人はロアルドロスに追いつくが、

五十メートルほど行った地点で、急に

紫水獣は足を止めた。

四人は予想外の行動に急ブレーキを

かけざるを得ない。

この時、ロアルドロス亜種は酷く醜悪な

表情をしていたという。

そのまま前足を振り上げ、

 

「避けろ!カイル、モートル!

倒れ込んでくるぞっ!!!」

 

「なっ………!?」

 

大きく左側に倒れこんだ。

大きな水しぶきが上がり、

カイルとシルヴィアはモンスターの下敷きになってしまう。カイルは足を挟まれ、

シルヴィアは顔をのぞく左半身を

全て敷かれていた。

のしかかり攻撃は、最も簡単かつ危険な技だ。

そもそも体格差がある上に、

その体重は簡単に人間の5倍や6倍ほどの

重さを誇る。

モンスター相手にのしかかられた時点で、

ソロハンターならばほぼ死が確定すると言っても過言ではないだろう。

出し抜いてやった、ざまぁみろ。

きっとロアルドロスはこう思っていただろう。

そして悠々と滝へと歩き出した。

しかし、紫水獣の背後、

鬼気迫る勢いで片手剣を振り上げる

男がいることにロアルドロス亜種は

気づきはしなかった。

 

「うぉらぁぁぁぁぁっ!!!」

 

孤島に、またもや鮮血が散った。

 

 




はい、前書きのは嘘です。
申し訳ないです。来週からマジちゃんと更新します。
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