小噺集   作:畑の蝸牛

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すまない、投稿出来てなくてすまない。お題に悩んでおりまして。今回はオリジナル。続くかも知れないです。


ある旅のモノのはなし

「どーなってんだこれ?」頭の中を我が物顔でクエスチョンマークが駆けている。どうなっているか、と言えば見た通りなんだろうけど、この光景を見て、首を傾げなかった者、疑問を持たなかった者だけに石を投げる権利をやろう。

 

そこは村だった。旅で立ち寄ったオレにとっては特に有名でも無い村で、とりあえず休めればいいや〜とか思ってたんだ。村に着いた頃は夜だったし、疲れていたからヒトの顔なんてよく見なかったんだよ。

 

朝起きて、伸びをして、今日も一日頑張ろうかなとでも思った時だ。男が見えたんだよ。そいつは眼帯をしていた。そんな所をケガするなんて穏やかじゃあ無いなぁと思ったよ。次に女…つってもまだ子供か。まぁ、見えたんだよ。で、こいつもまた眼帯してんだよ。

 

なしてこんな子供まで眼帯してんだって思ったよ。そんなに頭の良くないオレでもここまで来れば分かる。「眼の病気でも流行ってんのかね」って。ヒトからヒトに感染る眼がかゆくなるやつだろうってな。

 

そのまま起きた場所でのんびりしてたんだが、転げ落ちなかったことを褒めてもらいたい。だってみんなして眼帯してんだ。オレの見た分では全員がしてた。しかも、ひとりひとり地味にデザインまで違うんだ。ああ、叫べたなら叫びたかったね。「どうなってんだ!!」って。

 

デザインに気付けたのは女がかしましく話してたからなんだけどよ。「そのビーズめっちゃイカしてる〜」「だよね〜ちょーつよそ〜」「わかるぅ?竜のウロコ加工したんだけどさ〜」みたいな。竜のウロコはどこから?とも思ったよ。そこは今大事じゃないけどさ。

 

なるほど、ひとりひとりがこだわりを持って作ってんのなーとオレは理解したわけだ。この村ではそういうファッションなんだと。でも、これがヤバイ宗教とかだったら笑えないよな。マジで。やることやらにゃきゃならねぇ。

 

微笑ましくも怖くも眺めてたんだ。そしたら、

 

「ぐ、ぐわぁぁぁー」

「お、おいどうした!?」

「大丈夫か!」

「左手が…左手が疼く!!」

「「な、なんだってー!?」」

 

「オイ、クソ茶番やめろや」って言いかけた。堪えたオレはノーベル賞もらっていい、平和のやつな。何が楽しく悲しくて、こいつらは村の中心でバカを叫んでるんだ?と冷ややかに見やると、左手が輝いてる。先ほど騒いでいた青年の左手が光ってる。それはもう小さな太陽かってレベルで光ってた。

 

光が数秒して収まってから、

 

「ついにやったなぁ」

「おう、これで俺も一人前だ!」

「ちゃんと使いこなしてこそだろ?」

「「「ハハハハハハハ」」」

 

みたいな。この村では結構に感動なシーンだったようで、他の村人もワラワラしてきて、そっから胴上げやら、今日はパーティだ!とか言っていたりと実に楽しそう。

 

腕が光る。そんなの初めて見た。旅をライフワークとしてるオレでも見たことが無い、と言うことは、他のヒトが知り得るのか?というかバレたらマズくないか?いや、悩んでやる必要無いけどね?

 

やっぱりアブナイ宗教とかじゃないのか、とも思ったが、そんな雰囲気は無い。その道の奴らは一目でわかる。一体どーなってんだこれ?

 

どうしようか、原理とかわかるまで滞在すべきか?でもなぁ、それは主義に反するって思うよなぁ。主義は偶には捨てておくべき、とも言われているけどなぁ…

 

まぁ、せめて今夜の様子を見ておこうか。わかることもあるかもだし。




ファンタジーかもしれない。何気に初かも。
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