「俺さ、他力本願説ってさぁ。胡散臭いと思うのよ」
返事はない。
「往生させてくれ〜って唱えるだけでいいとかさぁ、都合良すぎない?なんなら唱えた後に魂をどうにかされてるって方が、説得力マシマシだと思うんだよね」
黙秘権行使中。
「なぁ、さっきはあんなにセールストークかましてくれたのにダンマリ決め込むのさぁ辞めようよ」
へんじのないただのしかばねのようだ。
「ぶっ壊すぞマジで」
カタリと少しだけ動いた気がする。
「さって、釘バットは何処にやったっけなぁー」
「やめてくださいそれだけはホントマジ勘弁です!!」
「…ようやく再起動か」
「でさ、おたく何だっけ?全自動卵割り機の親戚?同業者とかそんなんだっけ?」
「そんなトンチキな機械の親戚になったおぼえは無い!」
「いや、俺から見たらまだ全自動卵割り機の方がマトモな機械だわ」
そう、なんの事情も知らないサラリーマン、オフィスレディの方々が今の俺を見たらどう感想を述べるか。決まってる。
『あぁ、そんな箱に話しかけているなんて、頭でもヤラレタのだろうか(かしら)』
そう、俺が話しかけているのは箱だ。透明なように見えて、覗いても内部構造が全くわからない。そんな奇妙な箱だ。持ってるお前の方が奇妙だよ!というクレームはコールセンターにしてくれ。番号は教えん。
経緯を説明すると、天体観測してたら近くに何か落ちてきて、小さなクレーターが出来てたから、探って見たらコイツがあった。そして、俺が今日という日にサヨナラしようとしてたら、箱が喋りだした。というのが今の現状だ。今の現状って意味かぶってんな。
で、そしたら箱さん(仮)はあろうことかこんなことを言い出しやがりくさったのだ。
「キミの願いを叶えてやろう」とね。
なぁんだ夢か、と思ってもおかしくはない。状況はおかしいけど。いや、訂正。笑えねぇわ。コイツは俺の琴線に触れた。
「願望機ってのは大抵ろくなもんじゃねぇ。願いの叶え方が荒いか、願いたい奴が荒いかな二択だ。どっちにしろひでぇ事しか起こらねえ」と言ってやった。そしたら黙り始めたのが冒頭になる。だが、俺はそんなことに構いやしなかった。
「俺あんま詳しくないけどさ、ドラゴンボールを作った意図がわかんねぇんだよ。鳥の方じゃなくて龍の方な。そんなん要らないじゃん。しかも、そんなん争いの火種にしかならないってさ、仮にも神の名を冠す者として気づけなかったのかなぁ…」
まぁ、そんな風に懇々と箱さん(仮)に語っていた訳だよ。最初の威勢は何処に行ったんだテメェ。
「で、結局おたくはなんなわけ」
「箱さんです(ぶいっ)」
「釘バット」
「すいません」
マジメに答える気無さそうだし、なんならコッチの思考が読める疑いすらある。拾った場所に返して来ようかな…それとも埋め
「悪かった!悪かったですからほんとやめて!!」
これで声がロリだったら良かったのになぁーとも思わなくもない。…なんか今箱が引いた気がする。やっぱ分かってんなコイツ。
そんなわけで(どんなわけだよ)、我が一人暮らしの居城は崩壊した…
深夜テンションかも知れません。ところどころにネタぶっ込んだけどわかる人はいないと思われる。分かったら褒めて遣わすレベル。次のリクエストは「サイダーと夕やけ」