小噺集   作:畑の蝸牛

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記念すべき最初のお題「BL」
BL初書きですので、色々と御容赦ください。


BL

BL

 

そんなことは自分には関係ないことだとタカをくくっていた。せいぜいTVの向こうの出来事だろうと。"この国の人口のうちの何割かは、そのような人である"と言われても、現実味は薄いだろう。実際につい昨日までは自分だって薄かった。下じきの厚さぐらいには。でも、

 

『キミのことが好きなんだ』

 

と言われた今日からは違った。

 

そう言われて何も言い返せ無かった。ただただ呆然と立ちつくすことが自分の取った行動だった。そして、

 

『こんなこと言われても困るよね・・・』

 

そう言ってソイツは走り去った。何かが空中にきらめいていた。今思えば、あれは涙だったのだろうか。確かめるには本人に聞くほか無いだろう。

 

だが、その本人とどう顔を合わせればいいのだろう。いつもどうりに「やぁ。」とでも言えば良いのか。出来るかそんなこと。それが出来るのは人間やめた奴だろう。

 

今日の出来事を頭の中で繰り返してみたが、睡魔がやって来る気配は無い。そろそろベットに寝っ転がって1時間が経とうとしている。なのに眠れない。羊を数えるという最終兵器に縋るべきだろうか。

 

 

「朝かぁ・・・」

開き切っていないカーテンからの光に目を細める。さて、今日も今日とて学校だ。

「あ、どうしよ・・・」

思い出されたのは昨日のこと。返事とかするべきなのだろうか。いや、その前にどう接したらいいのだろう。シミュレーションしてみよう。

 

その1、無かったことにする。

その2、仮病する。

その3、しっかり話を聞く。

 

その1は、自分の精神力では出来そうな気がしない。その2は論外だ。問題の先延ばしにしかならないし、後から余計にこんがらがるに違いない。ならばその3しかないな。

 

徒歩約10分。愛しの母校にたどり着いた。嘘だ。愛しの母校とか反吐が出そう。まぁ、何にせよ学校には無事に着いたのだ。

 

しかし、待てどもアイツは来ない。SHRが始まっても来ない。それに担任いわく、特に連絡が来たわけでも無いらしい。自分はアイツとは小学校からの仲だ。全てを察した。

 

SHRが終わった頃を見計らって、

「頭が痛いので保健室行ってきてもいいですかね?」と担任に告げる。

「保護者が速攻で迎えに来てくれたりする?」

「そうでしょうね」

「なら、ちゃんと明日までに治しておきなさい」

「はい」

 

やはり、担任は騙せなかったみたいだ。まぁ、それでも自分を止めなかったのはありがたい。今度、きのこの山でもあげよう。

 

他の教師に見つからないよう裏門から学校を抜け出す。あ、カバン置いてきた。でも、いいか。カバンより大事なことがある。

 

走る。走る。これほどに走ることは人生で二度と来ないレベルで。あの場所へと。

 

「やっぱり、バレちゃうか〜」

探していた人物はのんびりブランコを漕いでいた。

「バレない理由が無いからな」

「それも、そうだね」

「なんで学校サボってこんな所に居るんだよ」

「本当に聞きたいのはそんなことでは無いでしょ?」

「バレたか」「バレない理由が無いからね」

 

そろそろ、茶番はおしまいにして、本題と行こうか。

 

「なんで、唐突にあんなこと言い出したんだ?」

「そりゃあ、言いたかったからだよ」

「お前、実は女の子だった。とかってオチは無いよな」

「あるわけないじゃん。アニメじゃあるまいし」

「そっか」

 

覚悟・・・決めないとな。

 

「これから凹むこと言うぞ」

「どうぞ」

「お前のことは嫌いじゃない。でも、好きとは言えない。」

「あ〜良かった〜」

「ハァ!?なにかだよ!?」

「あんなこと言ったら、嫌われるって思ってたし」と安心したように言う。

 

告白されたんだから、振ったら凹むのかなぁと思っていた自分としてはかなり意外な反応だった。

 

「嫌われて、無視とかされたらどうしようって怖くなってさ」

「それで、サボってここに来たと」

「そうゆうことだね」

「杞憂だった上に、あっさり見つかったと」

「本当にあっさりだったね〜」

「何年つるんでると思ってんだ」

「それも・・・そうだね」

 

「で、どうする?」

「どうするって?」

「学校サボったからには大人しく帰るわけにはいかんだろ」

「ボウリングでも行く?」

「なら、そうするか」

「ねぇ」

 

「手・・・繋いでくれないかな?」

「まぁ、それくらいなら」




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