歌舞伎町のよろず屋さん   作:誰そ彼

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来訪者

 

次の日、まだズキズキと痛む頭を押さえながら早く治んないかなー!と思ってたらあら不思議!痛みが無くなるじゃありませんか!

 

 

あれ?自分の事は治せない筈なんだけどなー!さすが夢!ご都合主義だわ!

 

 

一人でヒャッホイしているとインターホンが鳴った。神楽ちゃんかな?

 

 

「はーい?」

 

 

扉を開けると、案の定、神楽ちゃんと銀さん、そして15歳位のメガネの男の子。

 

 

「きりやん!大丈夫アルカ!?生きててよかったアル...!」

 

 

「よぉ。昨日はすまなかったな。大丈夫か?」

 

 

「おはよう、神楽ちゃん。心配してくれてありがとう。もう大丈夫だからね。銀さんもわざわざありがとう。...と、そちらの方は銀さんの言ってたもう一人の従業員の方かな?」

 

 

「はい、志村新八と言います。昨日はうちの神楽ちゃんが怪我をさせてしまったと聞いて、お詫びとお見舞いにきました。すいませんでした。お身体は大丈夫ですか?後これ、お見舞いです。」

 

 

そう言って紙袋を渡された。気にしなくていいのに。

 

 

「わざわざありがとう。もう本当に大丈夫!折角だから上がっていってよ。」

 

 

そう言って家の中に促せば、神楽ちゃんが元気よく入って来た。新八くんと銀さんは少し居心地悪そうだったけど。

 

 

「引越して来たばっかりだからまだ何も無いんだけど。」

 

 

本当に物が無いんだな、コレが。ベッドとテーブルと食器がちょこっとあるだけ。あー、今日こそは色々買いに行かなきゃダメだわ。

 

 

とりあえず、見えない所で急須と湯飲みをこっそり作り出す。お茶の葉買っておいてよかった。作り出せるけど、何だか味気ない気がして...ね。

 

 

銀さん達が持ってきてくれたのが最中だったので、それも一緒に持っていく。

 

 

神楽ちゃんと銀さんは最中に夢中だというのに、しきりに恐縮する新八くん。かえって悪いことしちゃったかな?ゴメンね。

 

 

「きりやん、いつ引っ越ししてきたアルカ?」

 

 

「一昨日だよ。だからまだ何にも無いんだよね。今日は買い物しないとね。」

 

 

「買い物アルカ?じゃあ、一緒に行って荷物持ちしてあげるアル!私、力持ちアル!」

 

 

すんごくキラキラした眼差しでこちらを見てくる神楽ちゃん。

 

 

うっ...!断り辛い。ま、神楽ちゃんとショッピングも楽しそうか。

 

 

神楽ちゃんだけだと心配だと言う事になり、新八くんも一緒にきてくれるらしい。

 

 

「私一人で大丈夫ネ!このダメガネよりはこのグラさんの方が役に立つね!」

 

 

「いやいや、神楽ちゃんには言われたくないよ!神楽ちゃんは結構そそっかしいんだから!心配なんだよ!」

 

 

あぁ、ケンカが始まっちゃった!どうしよう...。オロオロと2人のケンカを眺めていると、銀さんがため息を吐いた。

 

 

「しゃーねぇ。俺も行くわ。ガキどもの子守りは病み上がりの縁にゃつれーだろ。お前らもあんま縁を困らせてんじゃねぇよ。」

 

 

昨日の詫びだ、銀さんがそう言うと、ピタッと2人のケンカは止まった。いや、大丈夫だからね?だから神楽ちゃん、泣きそうな顔しないでー!

 

 

「じゃあ、折角なので、よろず屋さんに初依頼という事でお願いします。」

 

 

これならケンカしなくていいよね?

 

 

今から行こう!という事になり、身支度もそこそこにみんなで家を出る。戸締りおっけー。

 

 

神楽ちゃんを先頭に、歌舞伎町を歩き回る。ここはお魚が安いですよ、とか、ここのコロッケは絶品アル、あそこのみたらし団子が上手いとか、そんな事を言いながら案内してくれる。

 

 

日用品をある程度買い揃えた所で、神楽ちゃんが喉が渇いたと言うのでちょっと休憩。

 

 

先に行って席を取ってくるアル、と神楽ちゃんが走って行ったのを追いかけて、新八くんも走って行った。若いってイイね。

 

 

銀さんとゆっくり歩きながら神楽ちゃん達のいるお店に向かう。

 

 

「気ぃ使わせてすまねぇな。ケガ、本当に大丈夫なのか?」

 

 

突然そんな事を言われてビックリした。銀さんも気にしてくれてたのか。この夢の登場人物は個性的な人が多いけど、みんな優しい。

 

 

嬉しくなって思わず小さく笑ってしまった。ふふっと笑えば、ちょっと機嫌が悪くなる銀さん。

 

 

「違うよ、バカにしたんじゃなくてさ。みんな優しくて嬉しいんだ。銀さんも、色々とありがとね。」

 

 

「バカなこと言ってねーでサッサと行くぞ」

 

 

そう言って足早に歩き出した銀さん。ありゃ?怒らせちゃったかな?ゴメンね。

 

 

 

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