歌舞伎町のよろず屋さん 作:誰そ彼
甘味処で一息入れて
「後は服が欲しいなー」「あ、それなら姉上がいつも行く服屋さんなら知ってます」「おいおい、この荷物抱えて行くのか?」「銀ちゃん荷物一回持って帰るヨロシ」
と、賑やかに話しながら店を出た。
さすがにこれ以上持つのは無理だろうとなったので、一度我が家に帰宅することに。
途中にある露店や小物屋さんも冷やかしながら服屋さんに到着です。
ここは新八くんが詳しいので、新八が案内してくれる。新八くんのお姉さんのお気に入りと言うだけあって、品揃えが豊富でここだけで一通り揃えられそうだわ。
ここでも必要と思われるものを購入し、袋に詰めてもらっている間に店内をウロウロしていると、神楽ちゃんがある一角で立ち止まっているのを発見。近づいてみると、モフモフの可愛い犬のストラップを熱心に見ていた。
「可愛いね。」
神楽ちゃんに笑いかけると、笑い返してくれた。
「私、動物大好きネ。でも、力が強過ぎて飼えないアル。ぬいぐるみだって、私が抱き締めると壊れちゃうネ。」
だからこういう可愛いのは見るだけでいい。そう言って笑う神楽ちゃんはどこかで大人びて見えた。
神楽ちゃんのいう力がどれだけ強いのか私にはわからないけれど、能力の所為で好きな事を諦める人生を歩んできたのは私も一緒だ。
これ位なら私にも何とか出来る範囲だろう。それに、神楽ちゃんとお揃いと言うのも悪くない。何よりも、弟は勿論可愛かったが、私は妹も欲しかったのだ。
よし、決めた。
「フッフッフッ。神楽ちゃん、碧さんは魔法が使えるのだよ!だから魔法をかけてあげよう!」
「グラさんはそんな子供騙しに騙されないネ!」
「まぁまぁ、見てのお楽しみって事で」
どうせならみんなでお揃いもいいよね、なんて言いながら色違いを4つ購入。神楽ちゃんはグレー、私は黒。銀さんと新八くんには白と茶色で。銀さんが嫌がるかもしれないけど、その時は神楽ちゃんに2つあげよう。
そうと決まればさっさと我が家に帰りましょう!
流石にこんな町のど真ん中で力を使う訳にもいかないしね、念のため。
帰り道もワイワイ楽しく歩いて我が家に到着。諸君!ご苦労だったね!
とりあえず、新八くんと銀さんにはお茶とお菓子を出しておいて、すぐに戻ると神楽ちゃんを寝室に引っ張り込む。
では、お待ちかねのお楽しみタイムといきましょうか。
「じゃあ、今から魔法をかけてあげましょう!ストラップを出したまえ!」
そう言うと、神楽ちゃんはソワソワしながらさっきのストラップを取り出した。
「このグラさんを騙そうったってそう簡単にはいかないアルネ!」
フッフッフッ、口では生意気言っても本心は期待しているんだろう?お見通しだ!
「じゃあ神楽ちゃん、よぉーく見ててね?」
そう言って、神楽ちゃんの手の平にのせたストラップに手をかざして能力でプロテクトをかける。ついでにキラキラのエフェクトも。演出って大事よね。
「ふぇ!?」
そんな間の抜けた声が神楽ちゃんから漏れた。そうそう!その反応が見たかったのだよ!
「フッフッフッ。どうだね、私のこの力は!」
「凄いアル!碧姐は本当に魔法使いだったアルカ!?」
「フフフ。じゃあ、ちゃんと魔法がかかったか試してみようか。神楽ちゃん、このワンコを引っ張ってみて?」
壊れるヨと怖がる神楽ちゃんに、大丈夫だよと促せば、恐る恐る引っ張ってみる。徐々に力を入れてるのだろう。それに合わせて神楽ちゃんの目も見開かれていく。
「凄いアル!今までこんなに力を入れたら絶対壊れてたアル!碧姐、凄いアルヨ!」
これ以上は本当に壊れたら嫌だからやめとくネ、と大事そうにストラップを抱きしめた。
私と神楽ちゃんだけの秘密だよ?と言うと口に指を当ててコクコクと頷いてくれた。
「ありがとう、碧姐!大切にするアル!」
こんなに喜んでくれるなら私も嬉しいよ。
「あんまり2人を待たせても悪いし、そろそろ戻らないとね。」
2人にも渡したいしね。
今日のお礼だと言って2人に渡したら新八くんは喜んでくれたけど、銀さんにはやっぱり嫌がられました。それでも、ただで貰えるもんなら貰っといてやる、なんて憎まれ口を叩きながらも受けとって貰えたので良しとしましょう。
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