日陰の少女がリンクスタート   作:泉 実咲

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今日で一応一区切り。
8月はもう片方を書きます。そちらもぜひ。
ではどうぞ


第9話

「ねぇキリト」

「なんだ?」

 

キリトとシノンの2人は廃墟に残り死銃が現れるのを待っていた。

 

「さっきね、パチュリーと話してたんだけど…」

 

シノンは先程のパチュリーとの会話をキリトに話した。キリトはそれを真剣に聞いていた。

強さとは何なのか。それをキリトに問う。

 

「強さ…か。俺にもわからないな。でも、パチュリーの言うとおり、その人次第なんじゃないかな。俺には俺の、君には君のさ」

「あなたもそう思う?じゃあ、あなたの強さって何?どうしてコンバートしてきてまで死銃を倒そうと思うの?」

「そうだな…少し長くなるな。それでもいいか?」

「もちろんよ。」

 

少し下を向き黙り込む。そして話し出した。

 

「アイツと俺は昔別のゲームで敵同士だったんだ。」

「敵?トラブルでもあって仲が悪かったとか?」

「いや、本当に敵同士だ。ただ戦ったんじゃない。本当の殺し合いだ。」

「ふーん。その話、私達にも聞かせてくれない?」

 

突然聞こえた声に振り向く。そこにはパチュリー、アリス、マリサの3人がいた。

 

「えっみんないつの間に!?」

「少し前からよ。それよりキリト、忘れてたのかしら?もうサテライトスキャンは終わってるんだけど。」

「あ…わっ悪いアリス。忘れてた。」

「全く、しっかりしろよな。それよりも私たちにもその話、聞かせてくれるよな?」

 

不敵な笑みでマリサも言う。しばらく驚いた表情を浮かべていたキリトだったが、すぐに頷く。まぁ、拒否したところでこの3人が引き下がるはずもないのだが。

 

「分かった。じゃあ話すよ。さっきも言ったけど、俺はあいつと本当に殺し合ったことがある。SAO…ソードアート・オンラインって知ってるか?」

「知ってる。ナーヴギアを使ったVRMMO。2万人が閉じ込められたデスゲームだったよね。」

 

シノンが答える。一方パチュリー達は「SAO?何それおいしいの?」といった顔をしていた。

 

「そのとおりだ。俺はネット上で言うSAOサバイバーってとこだな。あいつはそこでラフィンコフィンっていう殺人ギルドに所属していた。あいつらにはきっと殺人が娯楽だったんだな。ある時奴らを止める為に大規模な討伐隊が組まれたんだ。俺もそれに参加した。」

「なるほどね。それで、どうなったの?」

「情報が漏れてたのか逆に待ち伏せされていた。そこで俺は奴らの中の二人を殺してしまった。殺さないで無力化もできたのにな。それなのに俺はそれを今まで忘れてた。昨日俺がうずくまってた時、シノンに声をかけられる前にあいつに会ったんだ。そこであいつが俺と同じSAOサバイバーだってことが分かった。ラフィンコフィンの一員だったってことも…俺は、それを。あの時の事を思い出す為にここに来たんだ。」

 

話したキリトは暗い表情をしていた。しばしの沈黙。それをまず破ったのはパチュリーだった。

 

「忘れてしまったんだから、無理に思い出そうとしなくたっていいじゃない。思い出すべき時が来た時、思い出すのが人間ってものよ。あなたは、そのラフィンコフィンって人たちのように自分の娯楽の為に殺したんじゃないでしょう。何かを、いや、誰かを守る為。違う?」

 

彼女の言葉に唖然とする。その言葉にアリスが続ける。

 

「パチュリーの言うとおりだと思うわ。守る為には何かを犠牲にしなければいけない時が必ずある。私だってあるもの。伊達に長く生きてないし。だからあなたはそれを悔やんでるだけじゃダメよ。あなたに守られた人のほうが多いはずでしょ。」

 

僅かに笑みを浮かべる。何も喋らないマリサもその通りだとでも言いたげな表情を浮かべていた。

 

「ありがとな。少し気が楽になった。」

「なら良かったわ。じゃ、そろそろ目的を果たしましょう。分かったこともあるし。」

「分かったことって何アリス?」

「そんなに難しいことでもないわ。死銃はサテライトスキャンじゃ発見できないの。なぜなら姿を消すことができるから。」

「「は?」」

 

キリトとシノンが訳が分からないといった顔をしていた。

 

「だから何かでおびき寄せるしかないわ。」

「何かって何よ?今まで殺されてきた人達に何か共通点があったとか?」

「なぁシノン、被害者のペイルライダー、薄塩たらこ、ゼクシードに共通点はありそうか?」

「う~ん…ペイルライダーは知らないけど、あとの二人にはいくつかあると思う。スキル振りのタイプとか。あとは…前回のBoBの景品かな。」

「景品?」

「うん。たしかモデルガンだったかな。最初の登録の時にリアルの住所を入れるの。あったでしょ?入力欄が。」

 

シノンの話を聞き、顔を見合わす。

 

「「それだ!」」

「えっえっ!?なっ何!?」

「まさかこんな仕組みだったとはな。」

「驚きね。」

 

シノンを除く人は何やらわかったようで、うなずきあっている。

 

「ちょっと、何なのよ!」

 

怒鳴るシノン。すると、マリサが説明する。

作戦が始動し始めた。




今回で少しの間おやすみです。次回は9月に投稿となります。
では、ありがとございました!
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