咲夜の案内で館内を歩く3人。内装は驚くほど真っ赤で、目に悪そうだった。
「こちらでパチュリー様がお待ちです。」
そう言われ連れてこられたのは大きな扉の前だった。上にかかっているプレートには『ヴワル魔法図書館』と記されている。
咲夜がそのドアをノックする。
『誰?』
「パチュリー様、咲夜です。お客様をお連れしました。」
『入って。』
中から聞こえたのは、気だるそうな女性の声だった。
どうぞ、と言われ中に入る。そこで見たのは大量の本棚。その奥の机には淡い紫色の長い髪を持った少女が。少女はキリト達に気がついたのか、読んでいた本を閉じた、顔を上げた。
「いらっしゃい。よく来たわね。」
「えっと…パチュリーか?」
「ええ。改めてはじめまして。私はパチュリー・ノーレッジよ。」
少女、もといパチュリーは3人にほほえみながら自己紹介をした。キリト達もリアルネームで自己紹介をする。
「咲夜、紅茶をお願いして良いかしら?」
「かしこまりました。」
パチュリーが咲夜に言うと、咲夜はその場から一瞬で消えた。驚きのあまりキリト達は口をポカーンと開けている。
「3人とも?大丈夫?」
「あっ、ごめんなさいね。ちょっとびっくりしちゃって。」
「まあ、驚くのも無理ないわ。取り敢えず座って。魔理沙とアリスも呼んであるから、もうすぐ来るだろうし。」
パチュリーに促され椅子に座る。いろいろあって忘れているが、今回3人が紅魔館に来たのは、BoBでパチュリー達が言っていた魔法を見せてもらうためだ。それを思いだしキリトが口を開く。
「なあパチュリー。この間言っていた魔法、てのは本当なのか?」
「ずいぶんと今さらね。もちろん本当よ。」
話していると目の前に紅茶が並んだ。話の最中だったために並べてすぐに図書館を出たのだ。驚きつつ話を続ける。
「たが、魔法ってのは科学的にも到底信じられなくてな。」
「この世界で貴方達の世界の常識にとらわれるのはやめた方が良いわよ。貴方達の常識が私達の非常識。その逆もしかりだもの。」
「常識、ね…」
シノンが呟いたところで、突然扉が開けられた。
「パチェ~いる~?」
入って来たのは背中に羽を生やした少女。パチェ、というのはパチュリーのことだろう。
「あらレミィ、どうしたの?」
「珍しく白黒と七色が客として来たから何かやるのかと思って。」
「何かするっていってもね…ちょっと友人を連れてきていただけなのだけれど。」
「友人?」
レミィ、と呼ばれた少女はふとキリト達を見る。
「初めて見る顔ね。服装も見慣れないし。もしかして外来人?」
「そう。紹介するわ。GGOで知り合ったキリトとシノン。その友人の明日菜よ。」
「ふーん。はじめまして、私はレミリア・スカーレットよ。よろしくね。」
レミリアはスカートの裾を軽くつまみ上げ、お辞儀をした。その時、図書館の扉が急に開いた。
「よーパチュリー、来たぜー」
「お邪魔するわね。」
その場にいた全員の目線が声のした方を向く。そこには二人。 どちらも金髪だったが、片方は長く伸ばし顔の横に三つ編みがあった。もう片方は、肩ほどできれいに切り揃えられている。
ロングヘアーの方は、キリト達を見ると、目を輝かせ駆け寄った。
「おっ‼もしかしてキリトとシノンか⁉リアルで会えて嬉しいぜ!」
そのままキリトとシノンの手をとるとブンブンと上下に振り回す少女に、本人達は動揺するしかなかったのだった。
久しぶりの投稿でこの短さ…
12月は一作目の『バカと少女と幻想の郷』を書いていきます。次回は1月です。
新年にお会いしましょう!