ではどうぞ。
アリスから飛び出た言葉。キリトもシノンも、はじめその言葉の意味を理解していなかった。いや、出来なかったのほうが正しいだろう。そもそも、魔法使いというものが本当にいるとは思っていなかったのだ。
「ほっ本当なの?」
「もちろんだぜ。」
シノンの問いにあっさり答えたマリサ。彼女らはそこそこ長い付き合いだ。それこそ1ヶ月ほどの。その間パートナーとして、時には敵として付き合ってきた為、お互いの性格はよく知っている。
マリサは嘘はつかない。
それがシノンの知っている彼女の性格の1つだ。どんなに強引な策でも、マリサは実際にやってのけた。
つまり、彼女達3人は本当に魔法使いという事だ。
「どうしても信じられないんだったら、この大会が終わったあと見せてやるぜ。もちろん、リアルでな。」
「……分かった。そこまで言うなら信じるわ。でも、実際には見せてもらうからね。」
シノンが頷く。横にいるキリトも面白そうとでも言いたげにニヤついている。
「私もパチュリーも、もちろんマリサも、最高の魔法を見せてあげるわ。」
「さて、じゃあ情報交換もすんだことだし、死銃とやらを倒す方法を考えましょう。」
パチュリーがちょうどいいタイミングで話題を変える。1番重要な話題がそれなのだが。
「アイツは姿を消せるんだろ?」
「あぁ。恐らくあのマントの能力だろうな。」
「姿が消えようが、気配までは消せないはずよ。どうしても殺気は隠せないわ。」
「パチュリーは殺気を感知できるんだっけ?でも、ベテランの人だったら殺気ぐらい隠せるんじゃ…?」
「どんなにベテランでいようが所詮は人間。実践経験や種族の差は埋められないわ。」
「じゃあ、まずはスナイパーの2人に奇襲をかけもらおうかしら。」
作戦会議は順調に進み、役割分担を決めた面々は決まったとおりに別れるのだった。
・ ・
「あの子達はどう?」
「今のところノーダメージね。ま、当然よ。」
紅魔組の1室。そこで、主レミリア・スカーレットと妖怪の賢者、八雲紫はBoBの観戦をしていた。境界を操る紫にとって、外のネットワークを入れることなど容易いのだ。
「パチュリー様もアリスも、やはり強いですね。」
「えぇ。でも、魔理沙がいるのは予想外だったわ。」
「あら、彼女をGGOに行かせたのは私よ♪」
「やっぱりあんたの仕業なのね…」
紅茶のおかわりを持ってきた咲夜も話に加わる。目の前のスクリーンには、パチュリーたちの姿が。見知らぬプレイヤーが2人いるが、恐らく組んでいるのだろう。
「それで、パチェをGGOに行かせた理由はあるの?」
「大した理由では無いわ。まぁ、強いて言えば面白そうだったから?」
「相変わらず勝手ね~」
そんな会話をしていると、ふと咲夜が窓の外に目を向ける。
「咲夜?」
「どうやら、お客様が来たようでして。」
「客?連れてきて。」
「かしこまりました。」
咲夜が姿を消す。その直後、まるで咲夜がいなくなるのを待っていたかのように紫が口を開く。
「レミリア。少しいいかしら?」
「何よ?改まって」
「あの子に、咲夜にVRMMOを体験させてあげたくはない?」
「…そうね。咲夜は外の世界を知らない。面白いじゃない。それで、咲夜もパチェと同じGGOに?」
「いいえ。あの子には違うゲームをやってもらおうと思っているわ。話は貴方からしておいてちょうだい。」
「分かったわ。」
咲夜のログイン。彼女はどんな反応を示すだろうか。ちょうどその時、ドアがノックされる。
『お嬢様、お連れしました』
「入って。」
「失礼します。」
咲夜の後ろから現れたのは、博麗の巫女、博麗霊夢だった。
「あら霊夢じゃない。どうしたの?」
「紫も来てたのね。別にたいした用じゃないわ。お茶をたかりに来ただけ。」
「相変わらずね。」
「そう言うんだったらお賽銭入れてってよね。」
「それはねぇ」
「ムー」
ふてくされる霊夢。それを放置し、レミリアは先ほど紫から渡されたアミュスフィアを取り出した。
「そういえば咲夜、これ。」
「これは…パチュリー様が使っているアミュスフィア?」
「そう。あなたにあげるわ。」
「いいのですか?」
「えぇ。いろんな世界を見てきなさい。勉強になると思うわよ。」
「ありがとうございます!」
咲夜は満面の笑顔を浮かべ、頭を下げた。
あと1,2話っくらいかな~
ちょっとアンケートを取ります。詳しくは活動報告へ。