日陰の少女がリンクスタート   作:泉 実咲

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ついにVS死銃です。
8月はもう片方の「バカと少女と幻想の郷」を書いていきます。ご了承。
ではどうぞ。


第7話

スナイパーであるシノンとパチュリーは、廃墟に来ていた。建物の一室でライフルを構える。

窓からは死銃をおびき寄せるべく剣を持ち周りを見渡してるキリトとアリスの姿が。

位置的には見えないが、恐らくすぐ近くにマリサもスタンバイしているのだろう。

 

「なかなか出てこないわね。」

「サテライトスキャンまではまだ少しあるし、キリトの話じゃ自分の過去を知ってるって言ってたし。私達を、いやキリトを探してるんじゃない?」

「それもそうね。じゃあシノン。少し話でもしない?」

「いいけど、なんの話?」

「そうね。お互いのこと。こうやって組んでるんだもの。せっかくだし知っておきたいわ。」

「ほんとはリアルの話は禁止なんだけど…いいわ。私もパチュリーの住んでるとこの話聞きたいし。本当の魔法が使えるんでしょ?」

「えぇ。その通り。」

 

サテライトスキャンまではあと10分ほどある。ほかのプレイヤーが現れる気配も無いため、2人はお互いのことを話し始めた。

 

 

「じゃあ私からでいいかな。私ね、小さい時人を殺しちゃったの。小さい郵便局で起こった強盗事件でね、その強盗の持ってた銃を奪って撃ち殺した。それ以来ね私、銃を見ると吐いたり倒れたりしちゃうんだ。でもここなら、この世界なら平気だったの。むしろ好きにもなったくらい。そのせいなのかな。現実とこっちの私が別の人みたいになっちゃった。現実でのトラウマを克服するために来たのに…。」

 

シノンの話を聞くと、パチュリーはしばらく黙っていた。少しして口を開く。

 

「私も、人を殺したことがあるわ。」

「え?」

「魔法使いだもの。貴方よりも長く生きている分、そういう事もあったわ。自分を殺しに来る相手から身を守るために。あなたが思っているほど魔法もいいものでも無いのよ。防御結界とか攻撃魔法とか。私が使うのは七曜の魔法。」

「七曜?それって曜日の事?」

「そう。魔法には属性があるの。それが曜日と同じように表されてる。それぞれには有利不利があるから、これが一番バランスがいいのよ。これを使っていろんな人達と戦った。そして、勝ってきた。敗北は死に繋がるもの。簡単に死にたくはないし。でも、一度だけ負けたわ。」

 

負けた。彼女はそういった。しかし死んでいるわけではなさそうだ。シノンはまずそこに疑問を持った。

 

「負けたって、パチュリーは今生きてるじゃない。」

「えぇ。だってその相手は人間でも同じ魔法使いでもないんだもの。相手だったのは吸血鬼。」

「きゅ、吸血鬼…」

「しかもそいつは私に自分の館の図書館に住んで欲しいって。中の本はたくさんあるから、それを管理してほしい。あなたならできるでしょって。あの時は何言ってるんだって思ったわ。もちろん一度は拒否したわ。でも、力ずくでも連れ行くって言って攻撃してきて。結局負けて今はその吸血鬼の家に住んでる。」

「その吸血鬼は今もいるの?」

「当然。今じゃ親友ね…」

 

その時のパチュリーは優しい表情をしていた。恐らく昔からの友人なのであろうアリスたちといる時も見せたことのない表情。それは周りの廃墟とは不釣り合いな程に綺麗な笑顔だった。

 

「ねぇ、パチュリー。あなたはどうやってそんなにも強く生きていけたの?沢山の身の危険を乗り越えて今こんなにも強い。どうしたらあなたみたいに強くなれるの?」

「…別に強くなんかないわ。私は、強いわけじゃない。」

「嘘よ。だって強くないんだったら今ここに立てるはずがない!初めてでBoBの本線まで上がってきて、死銃の話まで聞いて。それなのに戦うために立っていられる!それが強くないはずなんてない!」

「はぁ…あなたは、強さに意味をわかってないわね…。強さはみんな同じ訳じゃないの。あなたはあなたの強さを見つけなさい。」

 

さっきと同じ優しい表情。そこまで言うと、パチュリーは時計に目を移す。

 

「そろそろサテライトスキャンの時間ね。準備しましょうか、シノン。」

「えぇ…」

 

衛生によって、プレイヤーの位置情報が表示される。それを端から調べていく。

 

「ない!?パチュリーは?」

「だめ死銃なんて名前のプレイヤーはどこにもいない。」

「プレイヤー名は死銃じゃない…じゃあ本当の名前は…」

 

パチュリーもシノンも、死銃を見つけることはできなかった。それは外にいるキリトたちも同じだろう。

 

「とにかく降りてみんなと合流しましょう。話はそれから。」

「そうね。手がかりを集めてアイツの正体を見極めましょう。」

 

急いで地上に降りると、キリト、アリス、マリサの3人がすでに集まっていた。

 

「やっぱりなかったか。」

「その様子だと、アンタもなかったみたいね、キリト。」

 

シノンとキリトが確認をし合う。

死銃を倒すためのこの戦い。まさかの振り出しに戻ってしまったのだった。




あとちょっと、のはず。
アンケートの方もよろしくお願いします。
次はいつになるんだろう…
また1週間以内には出せるかと思います。
ありがとうございました。
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