しばらく様々な私情から執筆活動や創作活動から離れていました。
簡単にいうと心が荒んでしまったからです。
理由は主にリアル事情ですので、今まで読んでくださっていた読者の方々には一切関係ないことを明記しておきます。
そんな中、ふと過去にかいていた作品に目を通したときにコメントや評価から「求められていた」「続きを楽しみにされていた」という想いを感じ、このたび、再度筆を執ることと致しました。
更新間隔は上がり、今まで以上につたない文章になるかと思いますがおつきあいいただけると幸いです。
では、あらためて登場人物の設定等を下記に置いておきます。
黒の艦隊
那智
・黒の艦隊の旗艦を引き受けている。姉妹たちとは、もう何年もあっていない。厳格な性 格の持ち主で、任務遂行のために は冷酷な判断も躊躇なく選択する。階級は大尉。大日本帝国最大のクーデターである「血の五月雨」事件に何らかの関わりを持っており、妙高とは会うことを拒んでいる。
マックス(Z3)
・黒の艦隊の政治将校。階級は中尉。思考にたいして厳格であり、度々部隊内の反国家的 思想に対して政治指導をくだす。だが、本心では隊員と仲良くしたいという気持ちが芽 生え始めている。現に白雪の最後の通信を残し、吹雪へと渡している。
五十鈴
・黒の艦隊のムードメーカー。対空戦馬鹿。対艦戦は苦手。いい意味でも悪い意味でも空 気が読めない。実力は、部隊内No2。階級は中尉。初月とは旧知の仲である模様。
不知火
・駆逐艦の中では、伝説とされている存在。1人でインド洋に展開していた深海棲艦の3 個中隊を壊滅したとされている。無口。読書をこよなく愛する。先任少尉。
吹雪
・黒の艦隊の新任隊員。補充として部隊に編入された。黒の艦隊の規則である、任務遂行 のためには仲間をも捨てるという思想に反感を持っている。琉球諸島戦線の戦いにおい て、姉妹を切り捨てる、という行動をしたことから心身ともに成長した。新任少尉。
夕張
・黒の艦隊の全装備の整備を担当している。時には、自身も戦場へ赴くときもある。吹雪 の相談相手の1人。技術中尉。
初月
・元は、帝国海軍第45機動空母部隊に所属していた。対空戦闘・戦闘機吶喊のスペシャリ スト。大鳳と五十鈴とは面識がある。不知火とは、謎の共鳴を示しており仲が良い。吹 雪が尊敬する1人。階級は先任少尉。かつて、自分の判断ミスより姉妹を失っており、その際に単機で12体もの深海棲艦を轟沈させている。
提督(橋本)
・黒の艦隊専属の提督。陸軍から派遣された。階級は少佐。寡黙な性格で、那智・不知火 から絶大な信頼を得ている。若いころに、血気の五月雨に関わっていたことから、海軍から嫌われている。
大日本帝国・国際連合教導基地 横須賀鎮守府
国際連合所属 葛城提督
・橋本とは旧知の仲であり、お互いに信頼をおいている。しかしながら、所属の違いから友好的に接しているところを他者に見られるわけにはいかないというジレンマを抱えている。
大鳳
・教導隊所属の空母。かつては海の撃墜女王と呼ばれていた実力の持ち主。那智とは同じ部隊におり、血の五月雨事件の関係者でもある。
沖ノ鳥島鎮守府
長門司令
・戦場での負傷により艦装を取り外されるも、高い戦術知識から鎮守府の司令に抜擢される。血の五月雨事件では、最後まで艦娘の人権を守るために組織的犯行をしていた。一時は橋本に拘束されるも、釈放後は誤解が解け、信頼をしあう仲となっている。
ドイツ海軍特使
ビスマルク 大尉
グラーフ 中尉
プリンツ少尉
レーベ少尉
ユー特務中尉
陸軍参謀本部
あきつ丸
・陸軍が保有する唯一の艦娘。諜報作戦に特化しており、陸軍による海軍を殲滅するためのクーデターを画策している。
波のさざめきが異様にうるさい。
胸の鼓動が高鳴る。
幾人もの武人と艦娘は今、棲艦が陣取っている孤島へと進撃を続けていた。
朝靄に紛れての進軍は敵から姿を隠すことができるが、同時に仲間同士の姿を認識できなくなるという不具合を抱えている。
『全艦、停止』
長門の通信により歩みが止まる。
朝日が水面を照らし出す。
棲艦の群れが姿を現す。
その数は今まで駆けて続けた戦場とひけをとらない。これから、特別編成として組み込まれている那智率いる黒の艦隊・金剛率いる主力艦隊・大鳳率いる教導隊は敵陣奥地にいるとされる
握りしてめいる拳が震える。それが武者震いだと信じてる。沖縄で悲惨な戦場を目にしてきた。妹を失った。姉としての威厳と尊厳を亡くした。それでも今、私はここに立っている。信頼できる先輩達と共に、強大な敵に立ち向かう覚悟を決めている。大丈夫、私はもう二度と絶対に間違えない。
「震えはきっと運動だ」
「え……?」
振り向くといつも殿を任されている初月が吹雪を見つめていた。
「戦いの前には柔軟運動をすると良いというからな。もっと振るえてみるといいんじゃないか?」
「……」
「なぜ黙る」
「初月が意外にも意外なことをいうから、吹雪がびっくりしちゃってるじゃん」
「うるさいっ! 柄にもないことを言っている自覚は私にもある」
「へぇー……てっきり、今更ながらにイメチェンでも始めたのかと思ったよー」
「五十鈴……いつも私を苛立たせるなっ!」
「お前達っ! 何をじゃれあっている!」
五十鈴と初月の言い合いにマックスが一括を入れる。
どこまでが先輩達の仕込んでいたことなのかはわからない。それでも、心が軽くなった。私にはまだ、守るべき人達がいることを改めて自覚できた。
『これより、敵
「おおおおおおおお!!!!!」
艦娘の人の咆吼が上がる。
『攻撃開始っ!』
「行くぞっ!」
那智を戦闘に敵陣への吶喊が始まる。
「後方からの一斉射は任せるネッ!」
45口径の大砲が火を噴く。
目の前に陣取っていたト級は為す術なく爆発四散していく。
「私達はちょっと足が遅いネ! 黒の艦隊、戦法は任せるネッ! 暴れるよ、比叡、榛名、霧島!」
「了解しました、お姉様っ!」
戦艦の援護を受けながら、黒の艦隊と教導隊の混成部隊が進軍を続ける。
「雲行きが怪しくなってきましたね」
「やっぱりそう思う?」
「なら、私達の出番ですね」
瑞鶴が編隊を離脱し、こちらに近づいてきていることに吹雪は気がつく。
「どうかしましたか?」
「これからは爆弾の雨が降るって那智大尉に伝えておいてね、新人くん」
「えっ? は、はいっ!」
「よろしくね、期待しているよ。なんたって大鳳軍曹の教え子なんだからさ」
瑞鶴はそれだけをいうと元の編隊へと戻っていった。
吹雪は急いで通信を那智へと繋げ、伝言をありのままに伝える。
「わかった。大鳳、任せたぞ。全隊全速前進! 暴雨に巻き込まれるなっ!」
「了解っ!」
次の瞬間、雲間から敵戦闘機の群れが現れた。それぞれが魚雷や爆弾を腹一杯に抱えているのが目に入る。
「遅れないで、吹雪っ!」
不知火の声で我に戻ると吹雪は精一杯に水面を蹴る。
爆弾が投下される……そう思った瞬間、彗星が敵戦闘機を打ち落とし始めていた。重武装により足が遅くなっている戦闘機の前には、最新鋭の彗星は余裕の表情で打ち落とし続けている。
「突っ込むぞっ!」
棲艦の合間を抜け続け、どれだけの時間が経ったのかわからない。
しかし、永遠とも思える進軍にゴールが見えてきた。この後は待ち受ける
そう意気込んでいた。
目の前に広がる様子に黒の艦隊の誰もが絶句した。
「なんだこれ……」
「ヨウコソオロカモノ、サヨウナラ」