この戦いの行く末とは…
叛逆の刻
「久方ぶりの再会となったな、第666部隊の諸君」
「葛城提督……お久しぶりです。よくぞご無事でした」
「君達の提督……橋本くんには感謝をしなくてはいけないな。彼が事前に危機的状況に陥っていることを知らせてくれなければ、今頃は私も死んでいただろう」
「……提督はご無事なのですか?」
「残念ながら生死も行方も不明のままだ。私としても彼とは何としても合流を果たしたいのだが……そう上手くは事を運ぶことができないようだ」
葛城の言葉を聞き、第666部隊の三人は落胆する。なんとなく予想は出来ていた事態だが、橋本提督も横須賀鎮守府鎮守府の地下で合流できるのではないかという淡い期待を抱いてしまっていた。
夕張は「元気出して」と言ってくれているが、彼女もまた疲れと悲しみに満ちている表情だ。仕方のないことだ。彼女も命からがら逃げ出したばかりであるし、久しぶりに部隊と合流出来たと思えば五十鈴とマックス、吹雪の3人の姿しか見当たらないのだから。詳しくは聞こうとはしないが、彼女なりに他のメンバーは死んでしまっているかもしれないことを覚悟しているはずだ。
「さて具体的な作戦を説明させてもらおう。ユー特務中尉お願いできるかな?」
「わかった」
ユーは葛城の指示を聞き地図を机の上に広げた。
そこには事細かに武装蜂起軍の警備状況が記されている。回りの建物の名称を見るからに横須賀鎮守府の周辺地図のようだ。鎮守府へと繋がるあらゆる海道には×の印がついており、同様に鎮守府へと続く陸路にも×の印が付いている。
「バツがついている場所には既にトーチカや警備施設が建造されている。大きな交通網からの侵入するには大きな戦いをしなくてはいけない。だけれども、耐久戦となればこちらが不利。だから無理な突入策戦は首を絞めるだけになるからオススメできない」
「うむ……残念ながら十分な人数と装備があるとはいえないからの……陸軍に応援要請することも考えたが、ドイツ海軍とズブズブ汚職に塗れている彼らが協力するなどあり得ない。空軍は実質的な被害があるまでは我関せずを貫くようだ」
「あの……」
「吹雪くんだったね。どうかしたかね?」
「大洗鎮守府のように軍の警察機関に協力をお願いするのはどうでしょうか?」
「妙案だが意味はないだろう。表舞台に出ることを嫌っている彼らが他国が関わっている武装蜂起をまともに取り扱ってくれるとは思いがたい」
「そうなんですね……」
吹雪は思う。
大日本帝国の存亡の危機である今こそ、組織という枠組みを超えて手を取り合う必要があるのではないだろうか。だというのにくだらない足の引っ張り合いを続けている。何もしない選択をする者達も出てきている。これでいったいどうやって祖国を守れるというのだろうか。
随分と昔に那智から聞いた言葉を思い出した。
『血の五月雨事件は艦娘の人権を守るために行われた。だが、その根幹は祖国の在り方に疑問を持ち、祖国が一つになることを願った者達が起こした事件だ。アレは……褒められるべきことではないが誰にも責めることはできない事態だったんだ』
あの日あの時、大日本帝国の在り方が変わっていたら、今のような事態にはならなかったのかもしれない。この事件を通して、真にあるべき姿に戻す必要がある。
「私達は今、横須賀鎮守府を奪還しなければいけないですけど……それで全てが終わるわけじゃないんですよね」
「いかにも。ドイツ海軍をこの国から追い出さなければいけない」
「……申し訳ない」
「マックス中尉が謝ることじゃないよ。それに、私達はマックス中尉がいることで色々と救われているのだから!」
「……すまないな五十鈴中尉。気をつかわせた」
「その当たりにしておこう。それで……ユー特務中尉、どう攻めれば落とせる?」
「ユーが考えるに海路と陸路の同時攻撃で戦力を分散するしかないと思う。だから……第666部隊には海路攻略をして欲しい。ここを見て」
ユーが指を指す。そこは日用品の搬入に使われる狭く細い海路だった。
「ここならば敵は奇襲をかけにくい。おまけにこの先には下水管があるから、そこから鎮守府内に侵入も出来る。注意して欲しいのは鎮守府に近付けば近付くほど浅瀬となるから座礁には気をつけてほしい」
「大丈夫! 無理難題も私達ならなんとか出来る。その任務……任せてください」
五十鈴が葛城へ言い放つ。葛城もその気持ちが伝わったのか「任せる」の一言で返事を済ませた。
「陸路は我々一般へいが攻め入るとしよう。ここには軍用トラックをはじめ戦車まで取りそろえてある。生半可な戦力では進撃を止めることはできないだろう」
「わかった。ユーは内部から侵入した後に進める経路を確保しておく」
「これで布石は打ち終えた。では……叛逆の
「了解ッ!」