調律の御子が箱庭に来るそうですよ?   作:運命の書

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調律の御子と最強問題児

「さあ、次の想区へ行きましょう」

 

 少女の掛け声と共に後の三人が付いて行く──

 

『─ ギフトゲーム名

    “想区に無き未知の世界へ”─

 僕らは生まれたときから、一冊の本を与えられる。

僕らの世界、生きる意味、運命、それらすべてが記された戯曲、「運命の書」。

 全智の存在、ストーリーテラーが記述したその「運命の書」に従い、

僕たちは生まれてから死ぬまで、「運命の書」に記された役を演じ続ける。

 それがこの世界のひとびとの生き方。

だからさ、教えて欲しいんだ。

空白の頁しかない「運命の書」を与えられた人間は、

いったいどんな運命を演じて生きていけばいいのだろう? 』

 

──気付けば少女は一人で見知らぬ世界へ

 

「へ?」

 

 そして、少女は金髪の少年と金髪の女性に合い世界を旅したと記される。

 

──舞台は数年後の日本

 

 少女の名前は“レイナ”だが世界が違い『漢字』と呼ばれる文字が日本では用いられて居るため“逆廻玲奈”と名乗っている。

 “逆廻”との姓は本来金髪少年“逆廻十六夜”の姓なのだが訳ありで玲奈は“逆廻”の姓を名乗っている。

 

 教室で喋り声が聞こえる。

 

「玲奈ってば有名な逆廻十六夜の妹って本当!?本当なら災難よね」

 

 逆廻十六夜と言えばこの辺で知らぬものは居ないとまで言われる程大人から子供まで知っており海外にも知り合いが多い。

 

「う、うん。でも兄様の悪口を言うのは駄目なんだから!」

 

 玲奈は十六夜に対しての悪口を注意する。

それ程までに玲奈と十六夜は仲が良く成っていた。

 

「悪かったって!玲奈ってやっぱりブラコン」

 

 ブラコンじゃないって!っと否定するが話は既に別の話題へと移っていた。

 

「その綺麗な髪は何時まで伸ばすの?」

 

 玲奈の美しい髪は既に腰のラインまで伸びていた。

 

「兄様が髪は長い方が似合うって言ったから」

 

 容姿はロングのレイナを参考にして頂きたい。

 

「そう言う所がブラコンって言ってるんだって」

 

 玲奈の友達が笑う中チャイムが鳴り響く。

 

「では、三日前のテストを返すぞ」

 

 黒板には国語平均56点と書かれ返却される。

 

「85点…悪くは無いんだけど」

 

 悪くは無いが凡ミスが多すぎる結果結んだ点数だ。

 

「うわ、玲奈点数ヤバ!私なんて平均ギリギリだし」

 

 笑いながらも直しをして数十分。

 

「今日の授業は此処までだ。号令!」

 

 そして授業が終わり急いで川へ向かった。

 

 

「玲奈の奴…遅いな」

 

 

 空は五月晴れ。一時雨脚が退いてくれたこの細やかな日和模様の下、少年──逆廻 十六夜は、川の畔で玲奈と待ち合わせ季節はもうすぐ夏に突入するこの時期、本来ならまだ学生である筈の彼は学校へと行っているべきなのだが……最早彼にはそんな義理など失せている。

 

「……お、黒点見っけ、と。氷河期も近いのか?」

 

 

 口から洩れる溜め息。

十六夜は先程着ていた学ランを脱ぎオレンジのパーカーが付いた服に着替え下もジーンズに履き替えていた。

 

 寝そべって待つことに飽きてきた十六夜は体を起した。その際に頭に付けていたヘッドホンを首に掛ける。すると──

 

 

「おいヤベえって。コイツマジ泣きしてるぜ。汚ねえから川に突っ込んで洗濯でもすっか?」

「どうせなら全裸で飛び込ませようぜ。両手両足縛ってよ」

「ひっ………!」

 

 

 ひ弱そうな少年が、長ラン刺繍込みという何時の時代のヤンキーだと問いたくなるような不良集団に囲まれていた。少年は土下座中だが、今の会話を聞き顔面を蒼白にさせる。十六夜は彼らからやや離れてはいるが、確りとその会話を聞き取っていた。

 ツマラナイ奴を助けてやる良心なんて無いのだから。

 

「…………遅いぞ我が妹様?」

 

 見なくとも気配で察知した十六夜は

そう言いつつ十六夜は立ち上がり歩き出した。

 

「ふあぁ~……ぁ……ふぅ。……ん?」

 

 不意に彼は空を見上げた。其処には、明らかに不規則で不自然な軌道を描いて舞い降りてきた一通の手紙が……

 

「眠てないの?…あれは!」

 

 十六夜と玲奈はその不可解極まりないそれを手に取る。差出人は無し、住所も無い手紙にはただ──『逆廻十六夜殿へ』『逆廻玲奈殿』と書かれていた。

 

 

「……へぇ。空から手紙が降ってくるか。何時かの招待状か? 」

 

「兄様は行くのかしら?」

 

 ニヤリと痛快な笑みを浮かべる十六夜。

玲奈も反応し笑って見せ同時に開く。

 

『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

 その才能ギフトを試すことを望むのならば、

 己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、

 我らの〝箱庭〟に来られたし』

 

「ヤハハ!」

「へ?」

「うっ……!?」

「……っ」

 

 

 記述に関して考える間もなかった。

 刹那の内、4人の視界は夢から醒めるがの如く開く。高さにしておよそ4000メートルもあろうかという場所に、4人は現れた……否、放り出された。

 開けた視界一杯に映るのは未知の光景。自然から建造物に到る一つ一つが現実世界じゃ到底知りえなかった御伽噺のもの。

 

 4人はすぐに理解した。あの封書は〝招待状〟であり、呼び出されたここは────完璧なまでの異世界なのだと。

 

 だが玲奈は知らない。

これはギフトゲームで有ることに。

 




 土下座少年助けてない件について…
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