終わりのセラフと寂しがりの悪魔   作:モフノリ

6 / 12
閑話
愛に狂った家族の話


 誰も住んでいないような場所にとある家族は隠れるように住んでいた。

 天才と呼ばれる吸血鬼の父親に誰もよりも優しい人間の母親。

 そしてまだ五歳にもならない双子の男の子が二人。

 どのタイミングで双子のどちらが兄か弟かが決まったのかは定かではない。

 強いていえば、片方が片方にベッタリとくっついて甘えているのが弟のように見えたとか、片方があまりにもマイペースで落ち着いた様子が兄のように見えたとか。

 結局はそんなあいまいなもので、生まれたのがこちらのほうが早かったとかではなく、周りが勝手に決めただけのものだった。

 しかし、それは周りがこちらを兄、こちらを弟といっているだけで、本人たちにとって、そんなものは一切なかった。

 自分は相手でもあり、相手も自分で、お互いがお互いに同一で唯一無二の存在。

 ただ、身体が二つあり、意識が二つあるだけのことだった。

 それは、生まれてからずっと一緒にいたのだから二人にとっては当たり前のことでしかない。

 お母さんに甘える時も、お父さんに本を読んでもらう時も、寝る時も、遊ぶ時も。

 何をするにも二人はずっと一緒にいた。

 離れるということを考えたこともなかったし、離れるなんてことはありえないことだった。

 

 だから、片方が人間だからという理由で、片方が吸血鬼だからという理由で、普通とは違うからという理由で引き離されることを彼らは拒んだ。

 いや、たとえどんな理由でも二人は離れることを拒んだだろう。

 そして、双子の両親は誰よりも二人が離れることを許さなかった。

 

 それから家族は二人が離れないために世界に抗った。

 人の道を踏み外すことだとしても、愛に狂った家族は世界に抗った。

 抗った結果、

 母親は双子を繋ぐための架け橋になった。

 父親は双子が一緒に生きる未来のための生贄になった。

 片方は片方が生き残れるだけの力をつけるために鬼になった。

 片方は片方が消えてしまわないように悪魔になった。

 

 そうして双子は本当に一人になった。

 

 それぞれが失ったものがあったが、それでも彼らはかまわなかった。

 代償が命だっとしても、肉体だったとしても、時間だったとしても、記憶だったとしても。

 それでも家族は愛に狂い、理に抗い、やり遂げた。

 

 

 

 それからも月日は流れ、双子は苦しみながらも、悲しみながらも生き続けた。

 お互いが生き続ける為にお互いに支えあい生き続けた。

 

 

 そして、二十歳を迎えると共に双子の止まった時間が動き出す。

 愛に狂って抗った結果が形になる。

 

 




続きは全然書いてないです!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。