漫才フェイズ ―名乗り口上-
ス「我ら生まれは違えど!」
モ「あのお方に忠誠誓いし同志!」
ト「い、一生尽くします宣言!!」
3『アカデミア特殊部隊!野薔薇隊!』
ス「いやぁ~試しに野薔薇隊の口上作ってみたけど…これ相っ当恥ずかしいな」
モ「あら?私、好きですわよ。忠誠とか誓うとか、まさにその通りじゃないですか」
ト「で、ですけど…もしエクシーズ次元の人と出会ったら言わなくちゃいけないですよ…ね?」
モ「ですわね」
ト「恥ずかしいですー!だ、だって『一生尽くします宣言』って!!何だか恥ずかしいですぅー!」
モ「羞恥心を飲み込んでこその口上ですわ!!なんなら『一生尽くします宣言』から『一生下僕宣言』にしますわよ!?」
ト「そっちも恥ずかしいですー!」
モ「何でですの!?野薔薇様の下僕とか最高じゃないですか!嗚呼ッ!言っただけで滾って来ましたわー!」
ト「うぇーん!モモさんが怖いよー!」
ス「…口上は改めて考えるか…」
ふわふわ、もふもふ。
わんわん、にゃーにゃー。
ぴーぴー、ちぃーちぃー。
「(もぐもぐ)」
はろぉ、野薔薇です。ただいま私、中央公園にてドーナツのもぐもぐタイム中です。いやぁ…美味しいですよねドーナツ。チョコレートたっぷり、クリームもたっぷり。サクサク生地との相性抜群!マジ、ナイスな相性ですわぁ。因みに今食べているのはイチゴチョコがコーティングされたドーナツです。甘酸っぱくて美味しい!
…ただ、ビックリするくらいの動物に囲まれているけど。
散歩中のわんちゃん、野良猫ちゃん、小鳥ちゃん。皆可愛くてもふもふしてる。円らな瞳がたまらんわい!!
「ああ!ごめんなさい!こらっ、マックス!」
良いんですよ、ゴールデンレトリバーのマックス君の飼い主さん。すごくもふもふで暖かいですから。
「お姉ちゃんすごいねー!」
ありがとうマックス君の飼い主さんの娘さん。お姉さん嬉しいよ。
「わふぅ!」
マックス君は大きいですねぇ…あ、ちょ、重い重い。圧し掛からないで!
「わんわん!」
「きゃあ!駄目でしょ!マックス離れなさい!」
「おぅふ」
ずっしりと重いマックス君。流石は大型犬。振っている尻尾の風圧がすごい!でもやっぱりおも…っ!マックス君が圧し掛かってきたせいで、膝の上に乗っていた猫ちゃんも肩に乗っていた鳥ちゃんも逃げてしまった。ビックリしたよね。
つ、潰れる…!
「犬っころ!こっち見ろ!」
突然、聞こえてきた声。見れば、そこには1人の男の子の姿。彼の手には『満足!わんにゃんささみ!』と書かれたパッケージ。あ、アレわんちゃん・猫ちゃん用のおやつだ。マックス君も好きなのか、パッケージだけを見ただけで私から離れ、一目散に男の子の方へ向かい、きちんとお座りして、『ちょうだいちょうだい!』と尻尾振ってる。
…それはそうと誰?
「本当にごめんなさい!」
「お姉ちゃんばいばいーい!」
「わん!」
「ばいばい」
ペコペコ頭を下げるお母さんに手を引かれて、去っていく娘さんとささみを咥えたマックス君。
「おい、アンタ大丈夫か?」
「ん。ありがとう…ございます」
助けてくれた男の子にお礼を言うと、「まぁ俺様にかかれば?あの程度!」と胸を張って言った。むむ?何だか偉そうだぞ?
男の子は、端正な顔立ちをしている。うん、整ったお顔だ。ふと服を見れば遊矢が肩からマントの様にかけているブレザーと同じ物を着ていた。ちゃんとした着方をしているぞ!何故遊矢はマントみたいに羽織ってて大丈夫なんだろ!?
「で、アンタ………あ?」
「…?」
男の子は私を見た途端、怪訝そうな顔になった。…どうしたんだ?ジーッと見てくるが、私は首を傾げるしかない。
…暫くすると男の子は言った。
「……お前……どっかで俺と会った事ないか?」
「……?」
…はい?
少年、沢渡シンゴは必死で思い出していた。覚えている記憶の底から、大事な記憶を掘りだそうとしていた。
「(…顔は恐ろしい程似てんだよなぁ…)」
沢渡の記憶の中で、目の前に立っている小柄な少女・野薔薇とよく似た顔の『黒髪』の少女が浮かんでいた。顔は、今の彼女を小学4年生くらいにした感じ。そのまま幼くして、左目の包帯を取って、髪が黒かったら記憶の少女と当てはまる。いっその事、今の沢渡と同じくらいの年齢だったら『久しぶりだな』くらいは言えただろう。
「(……花村…)」
小学生の時の同級生と、目の前にいる少女は似ていた。名字は花村。名前は知らない。黒髪の、あまり目立たない少女で、毎回真面目に花壇の花に水をやっている姿を沢渡は見た覚えがある。名字を知っているのは彼女の母親が美人で、授業参観の時にクラスメイトが「花村の母ちゃん美人だよな」と呟いていたから。
地味で、物静かな花村が引っ越したと聞いた時は「そっか」程度にしか思わなかったが、それでも記憶の片隅にあった。
「…ねぇ?どうしたの?」
考え過ぎていた所為か、野薔薇が声をかけてきた。生気のない瞳は人形みたいで、沢渡は少しゾッとした。
「い、いや…何でもねぇ。悪いな、変な事聞いちまって」
「ううん。気にしてない」
「そうか」
(マジ人形みてぇ)沢渡はあまり野薔薇に良い印象は抱いていなかった。整いすぎた顔に無表情が何だか怖いのだ。生気を感じられないからか、何なのか。
ふと、野薔薇を見ると、彼女はしゃがんで、いつの間にか近寄ってきた猫と戯れていた。
「って無視か!?」
「?」
ごろごろと甘えた声を出す猫を撫でていた野薔薇が首を傾げる。野薔薇からすれば「どうしたんですか?」と思って、傾げたのだが、沢渡的には「それがなぁに?」と感じられた。――― 勘違いの発動である。
「(この沢渡様を無視たぁ良い度胸してるぜ!!)」
超自己中で超ナルシストの沢渡からすれば、無視されるなど言語道断。というか、この前(多分)遊矢にエクシーズモンスターでボッコボコにされ、入院(ただし軽傷)送りにされてしまった事でまだ腹が立っていると言うのに!!
沢渡がギリギリとそう考えていると、ふとぐぅ~と何とも気の抜けた音が聞こえてきた。その主は―――
「…お腹、空いた」
―――野薔薇だった。切ない悲鳴を上げるお腹を押さえていた。それを見て沢渡はピンと来た。
「おい!アンタ!」
「なぁに?」
「名前は!?」
「…野薔薇」
「野薔薇な。俺様はデュエル界に瞬く煌めきのデュエリスト!沢渡シンゴだ!」
人差し指を立てて、天を指差す沢渡の姿に野薔薇は「おぉ~」と言いながら、パチパチと拍手を送る。(何故か拍手を送りたくなる程の堂々としたポーズだね!)と野薔薇は思った。
拍手を貰った沢渡はその快感を噛みしめながら、言った。
「お前、腹が減ってんだろ?」
「ん」
「ならば!このスーパー優しい沢渡が美味し~スイーツを食べさせてやろう!」
「ほんと?」
「応とも!沢渡様は嘘はつかないぜ!」
「…さたわり?……あ、遊矢のカード奪った人」
「奪ってねぇ!借りただけだ!てかお前!榊遊矢の知り合いか!?」
「ん。デュエルして勝った。私が」
「んだと!?」
デュエルして勝った。つまり今目の前にいる彼女は、自分よりも先に遊矢を倒した事になる。
「楽しかった」
思い出したのか、少しだけ口角を上げる野薔薇に沢渡はショックを受けた。
「(何ィ!?楽しかった!?てか笑ったぞコイツ!つ、つまり…榊遊矢に笑顔にさせられて、この俺に出来ない訳がない!!)」
ならば、行動あるのみ!!!
「と!言う訳で!これが俺様のお気に入りスイーツ!『スイートミルク・アップルベリー・とろけるハニー添え』だ!」
「…良い匂い…」
「当然だ!」
とあるケーキ屋にて。店内の飲食スペースに向い合せで座りながら、テーブルの上に置かれたパイを見て野薔薇は喜んだ。サクサクの生地の上にベリーが乗せられており、パイの香ばしい香りが漂う。なるほど、お気に入りというだけはある。
「たべていいの?」
「俺に感謝しろよ?」
「ん。いただきます」
ナイフとフォークを使って、一口サイズに切ると野薔薇は小さな口を開けて食べた。サクサクとした生地と甘酸っぱいベリー、そして甘いミルククリームとハチミツの甘さが程よくベリーの酸っぱさを緩和し、見事なハーモニーを作り出している。
こくりと飲み込んだ野薔薇は、一言。
「…おいしぃ…!」
少し目を輝かせ、微笑みながらそう言った。
「ふっ…そうだろ?」
「サクサクで、あまあまで、でもそこまでしつこくない…。見事な調和」
「…わかるのか?」
「クリームはミルクの優しい甘さで、ハチミツもすごく甘い訳じゃないけど、ふんわりとした甘さがミルククリームと抜群に合う」
「おぉ!お前、結構行ける口か?」
「アクセントになったベリーがないす」
グッと野薔薇がサムズアップをすると、沢渡は腕を組んで「わかるわかる!」と何度も頷く。
「このベリーがクリームとハチミツとよく合うんだよなぁ!」
「ベリーの酸っぱさが、2つの甘さを程よく緩和している。おかげでしつこくない甘さ」
「なおかつベリーのぷちぷちとした食感も味わえる!」
「まさに一石二鳥」
「完璧過ぎる出来!っふ…お前、中々良い舌持ってるじゃねぇか」
「貴方も良いセンスしてる」
ガシッ!と握手を交わす沢渡と野薔薇。これは友情だ。甘味で繋がった甘党同士の固い握手だ。
「美味しいスイーツ、あったら教えてほしい」
「デュエルディスクは持ってるか?俺様の番号教えてやるよ」
「もちろん」
こうして、野薔薇と沢渡は『スイーツ同盟』を結んだのである。
その次の日、野薔薇はとある公園のベンチで素良と共にクレープを食べていた。
「おいひぃ」
「うん!こうしてクレープ食べるのも久しぶりだよねぇ!」
もふもふとクレープを食みつつ、2人は話し合う。
「アカデミアにいる時はスターチス先輩が作ってくれたもんね~」
「ん」
思い出すのはアカデミアにいる時。野薔薇の部屋でホットプレート(クロユリ自作)でクレープの生地を作るスターチスの姿。毎回おやつもご飯も彼が作ってくれたものだ。けらけら笑って、クレームブリュレを作る為にバーナーを持っていた時は戦慄したが、美味しかったので良しとする。
「素良」
「ん?なぁに?」
「…スタンダード、楽しい?」
ぴたり。素良がクレープを食べる手を止めた。
「…どうしてそう思うのさ」
「だってたのしそう」
「…そう見える?」
「ん」
ぱくりと野薔薇はクレープを食べる。――― 彼女の言葉は間違いではない。実際に素良は楽しそうだし、遊矢達とも仲が良さそうに見える。アカデミアではあまり見た事がない、嬉しそうな顔をしている。野薔薇隊のお茶会にやって来てはモモとばかり喧嘩をしていたけど。
「…僕はアカデミアの戦士だよ」
「ん。知ってる。私もそう」
「野薔薇先輩は違うよ。戦士じゃなくて女王様さ」
「…そうなの?」
「そうなの!」
苛立ちを隠す様にクレープにがぶっと齧り付く素良。野薔薇は首を傾げるが、素良から見れば彼女は立派な女王様だ。淡々と命令を下し、余計な事はしない。つまり直接戦場に行って戦わなくても、無駄。
――― 恐ろしい事が起こるからだ。
エクシーズ次元の人は知らなくて良かったと、普段は見下している素良でも素直にそう思える。野薔薇が行けば、彼女のデッキが猛威を振るうから。そもそも彼女がデュエルしなくても、野薔薇隊がやるだろう。
「大体、野薔薇先輩大丈夫なの?」
「なにが?」
「いや…間違ってこっち来ちゃったんでしょ?」
「ん」
「…野薔薇隊の人達に連絡した?」
「あ」
素良に言われて思い出した。…(そうだ連絡してない)と。
だが、野薔薇は……
「……だいじょーぶ」
「え?」
「うちの隊は…しっかり者がいるから…」
(そうだ。スターチスがいるから大丈夫!)野薔薇隊最年長、スターチスは確かにしっかりしている。だが彼女は知らない。野薔薇がいない事で今頃、暴走する人々を何とかする為にゼーゼー荒い息を吐いて、胃をキリキリさせながら頑張っている事を。
「…NBRニウムが足りない…」
「NBRニウムって?」
「NOBARA(野薔薇)ちゃん成分。姿、匂い、存在、それを見ずに生活しているとモモは使い物にならなくなる」
「そ、そうなんですね…」
体育座りでブツブツ言うモモ。それを何とかトトは慰めようとするが、スターチスが「やめとけ」と言う。いつも通りの会話だが、今はお茶もお菓子もない。
―――今は恒例のお茶会の時間ではないが、
「ここ戦場なんだから、もっと気を引き締めろって」
戦場の時間である。
辺り一面暗い空と瓦礫だらけ。人気もない場所。―――エクシーズ次元。それがこの場所の、この世界の名前だ。「ハァ~~~~~~~~ッ…」とモモが大きなため息をつく。
「分かってますぅ~。大体何で私達が出撃しなければいけないのです?掃除なら終わってますのに」
と、モモがチラリと下を見る。
――― モモが座っていたのは、大量の人の山の上だった。
皆、倒れ伏し、小さく呻き声を上げる。大半の人間は赤い布を巻いていた。
「掃除と言うかそれ、掃除に入らないぞ~。それの殆どやったのオベリスクフォースだし。後もうちょっと働け」
「だってぇ~ん!野薔薇様がいないと~!テンション下がるんですもの~!」
ぷんぷんっ!なんて頬を膨らませて可愛い子ぶる仲間の姿にスターチスは頭が痛くなるのを感じた。
「八つ当たりなら他にしろ。ましてや『同士討ち』させるなんて…」
「あら、良いじゃありませんの。貴方とトトの手が汚れなくて」
くすくすと笑うモモにスターチスは舌打ちをし、トトは「あぅぅ…」と落ち込む。
「さてと…取りあえず移動するぞ。ここじゃあの子は見つからな」
「待て!アカデミア!!」
突然やってきた怒号にスターチス達は足を止めた。やってきたのは黒いマントを羽織った小柄な少年。ちょうどトトと同じくらいだろうか。黒い髪に淡い紫色の前髪をした少年の顔立ちは、ユーリと似ていた。
「あれ?ユーリ様…じゃないですよね?」
「顔は似てますけど…こっちの方が可愛げがありますわ」
「ナハハ、確かにあっちよりもこっちの子が可愛い性格してそうだ」
「か、可愛い…?何を言っているんだ!?」
大きなツリ目を吊り上げて吠えるユーリ似の少年。その姿にモモは両手を両頬にあてて「きゃー」と歓声を上げた。
「可愛いですわー!黒猫ちゃんみたいですわ!」
「いやいや、黒猫君だろ?」
「黒猫さんですか?」
「誰が黒猫だ!!話をそらすな!俺の仲間をやったのはお前達か!?」
と、少年が指差したのは人山。モモが「お仲間?」と首を傾げると、少年の左腕に巻かれた赤い布に気づき、「あぁ!」と納得した。
「アレ、貴方のお仲間?私の欲しい情報持っていなかった上に、話を聞かずに襲い掛かってきたのでちょっと同士討ちさせましたが?」
「同士討ちを…させた?どういう意味だ!」
「言葉通りです」
ツンッと顔を背けるモモを見て、スターチスは頭を掻きながら「あーもう…」と面倒くさそうに呟く。
「悪いなぁ…一応治療はしたから、命に別状はないと思うよ。…トラウマにはなってそうだけど…」
「相変わらずエグイですよね…モモさんのアレ」
「てへぺろっ☆」
少年は黙った。どこからどう見てもアカデミアだろうが、他の奴等とは明らかに違った。雰囲気も、言葉遣いも、態度も。きょとんとする少年にトトは一応尋ねてみる事にした。
「あ、あの…お仲間さんをあんな状態にしちゃってなんですけど…長い金髪で、左目に包帯した女の人見てませんか?」
「え、あ…見てないが…」
「あ、そうですか…。お時間取らせて申し訳ございません…」
丁寧な口調で、ぺこりと丁寧に頭を下げるトトに少年も思わず「い、いや…何も知らなくてすまない…」とぺこりと頭を下げる。その姿にモモとスターチスが吹いた。
「アハハハッ、アレは本当に知りませんわね!あー、反応が一々可愛いですわ!」
「ハハハッ!真面目だねぇ!嘘でも「捕まえてる」とか「知っている」って言えば、俺たちをアジトに連れてって全員で総攻撃でもしかけりゃあいいものを!」
「なっ…!しまった!」
「「声に出てるー!」」
キャハキャハ笑う男女に少年の頬が赤く染まっていく。ペースを崩した張本人であるトトは「何だかすみません」と謝る始末だ。ひとしきり笑った2人は目尻に涙をためながら、言った。
「トトー帰るぞー」
「情報もないですし、余計な体力は使ってしまったし、散々ですわ。可愛い黒猫ちゃんには会えましたけど」
「は、はい!それでは失礼します!」
カチカチと3人がデュエルディスクを操作すると、フォンッと消えてしまった。次元転送で自分たちの次元に帰ったのだろう。
(変な3人だった…)と少年・ユートは思う。普段はアカデミアだとわかるとデュエルディスクを構えてしまうが、敵意と言えるものはなかったし、何よりトトと呼ばれた少年のせいで変にペースを崩されてしまった。あまりの丁寧さに何故アカデミアにいるのかが不思議に思えるくらいだ。
ふと、ユートの足元でキラッと何かが光った。視線を下におろすと、足元にはペンダントが落ちていた。
「これは…」
拾うと、ペンダントトップの横にスイッチの様な突起があった。ロケットペンダントだと理解したユートは、カチリと押してみる。蓋が開き、中には一枚の写真があった。金色の長い髪に青い瞳をした人形の様な美少女の横顔が写っていた。
「金の髪と青い瞳……彼らが言っていた女…この子か?」
試しにペンダントトップをひっくり返し、後を見ると「TOTO」とイニシャルが彫られていた。
「TOTO…トト、と言う事はこれは彼のか…」
ロケットペンダントにして持ち歩く程だ。余程大事な少女なのだろう。しかし彼はもう既におらず、ユートは困り果ててしまった。どうしようかと思った、その時だった。
「ユート!」
「どうした?」
仲間が慌てた様子でユートの元に駆け寄ってきた。そして…
「しゅ、隼が!隼が転送装置使って!スタンダードに行っちまった!!」
「な、なんだと!?」
・沢渡シンゴ
野薔薇を犬から助けた少年。因みにササミは犬猫好きの柿本から貰ったもの。遊矢に対してかなりのライバル心を持っており、打倒遊矢を目指している。そんな中、野薔薇と出会い、甘いもの好きがキッカケで彼女と同盟を結成している。
かつて、野薔薇によく似た「花村」と少女とは小学生時代の同級生だった。
・モモ
今回で同士討ちを『させた』と言っていたので、何かしらの力を持っている。スターチスからは「気分が悪くなる」と言われており、トトからは「エグイ」と言われている。
・ユート
エクシーズ次元の遊矢・ユーリとよく似た顔の少年。野薔薇隊にやられた仲間の敵を討とうとしたが、トトにペースを崩され、野薔薇の事を知らないと情報を吐いてしまう。その後、トトが落としたロケットペンダントを所持する事となる。野薔薇隊からは「黒猫」と呼ばれる様になった。