野薔薇と愉快な仲間達   作:ちまきまき

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アカン…今週のアニメはユーゴが可哀想…(´・ω・`)でもリン様しゅてき…(*´Д`)


Third 野薔薇とエドママと素良

「良いかい?野薔薇。箸はちゃんとこうやって持つ」

「(いそいそ)」

「そうだ。茶碗はちゃんと底を持つ。米が入っている熱くてもすぐに冷めるから落としたら駄目だぞ」

「(こくん)」

「よし、良い子だ」

 

「…なぁにやってんの?エド君」

 

 

世界中、もしくは別次元の紳士淑女の皆さん。こんにちは、俺の名前はスターチス。野薔薇隊最年長で、自称皆のお兄さんだと思ってます。一応、一番年上だしね。まぁそれはそれとして、俺は今、野薔薇隊の集合場所もとい野薔薇ちゃんのお部屋に来ています。

 

そこでは何とエド君が野薔薇ちゃんに甲斐甲斐しくテーブルマナー?というかお茶碗の持ち方レッスンをしていた。

 

青い薔薇がワンポイントになっている白い茶碗は紛れもなく、食事担当の俺が管理してる野薔薇ちゃんのお茶碗だ。チョコレート色のお箸も同じく。箸を右手に、お茶碗を左手に持った無表情の野薔薇ちゃん。野薔薇ちゃんの背後に立ち、手を回して野薔薇ちゃんの手を掴んで持ち方を教えるエド君。

 

…別に変な風とかじゃないんだけどね…何だが何も出来ないお祖母ちゃん(野薔薇ちゃん)を甲斐甲斐しく介護する敏腕ヘルパーさん(エド君)に見えるとかは心に秘めておく。

 

話は変わるけど、エド君が野薔薇ちゃんのお部屋に来る事は珍しくない。エド君はこのアカデミアでも優しい性格をしている。ちょっと頑固な所はあるけど。それでもエド君は俺やユーリ以外で野薔薇ちゃんにはっきりと意見できる良い子だ。

 

でも何でいきなりお茶碗指導?と思っていたら、俺に気付いたエド君がジト目でこっちを見てきた。

 

「君達が野薔薇を甘やかすからだろう。野薔薇がちゃんとした箸と茶碗の持ち方をしていなかったぞ」

「え…マジ?」

「本当だ。箸をグーで握っていたぞ、グーで!」

「アカン。それアカン」

 

何やってるんだお前的な視線に俺は内心冷や汗を掻く。よくよく考えれば俺が作っているのは殆ど洋食系だ。つまりフォークとナイフで食べるものばかり。和食は全然と言っていい程作ってない。時々リクエストで作る中華はモモの好きなやつばっか。肉まんとかエビチリとか。この2つは素手とスプーンで野薔薇ちゃんは食べてた。

 

……ん?モモ?

 

「あ」

「なんだ」

「そうだ…モモが原因か…」

 

振り返れば、原因はアイツだ。モモ、我が隊の野薔薇ちゃん至上主義者。アイツは野薔薇ちゃんに過保護で、意見する俺とは違い、徹底的に甘やかす、例えるなら度が過ぎた親バカ。

 

例を挙げるなら、野薔薇ちゃんが食事する時、態々モモが親鳥が雛鳥に餌を与えるが如く、食べさせてあげたり…

移動もお姫様抱っこしようとするし…本来野薔薇ちゃんが書くべき書類をモモが書いたり…思い出せばキリがない程甘やかしてる。

 

……何で思い出せなかったんだろう?

 

「…成程、アイツか」

「うん。超絶甘やかしてるね」

「まったく…野薔薇を心配するのは良いが度があるだろう!」

「後、やたら甘いものあげてるよな…」

「太るだろう!何より野薔薇が糖尿病にでもなったらどうするんだアイツは!!」

「ご尤も…」

 

怒るエド君は、モモの事を我が子に害をなす奴みたいに見てるお母さん。うん、意外と間違ってないかも。そっか、洋食系ばっかじゃ野薔薇ちゃんも飽きちゃうし、箸も使えないもんね。うん。

 

「エド君、俺も悪いんだよ。洋食ばっか作ってて、和食を作ってなかったし…」

「スターチスは食事を作っているからマシな方だ。ただ洋食はカロリーが高いからな。カロリー計算をしろ」

「うわぁ…アカデミアの図書室にあるかなぁ…?」

「さぁ、野薔薇。次は魚の骨の取り方だ」

「(こくん)」

 

どうやらエド君は、和食の正しい食べ方を全部教えるつもりらしいね!

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 僕には憧れの人がいる。

 

 

美しくて、気高くて、儚げで、アカデミアの女王。彼女のデュエルをお目にする事は滅多にないけど、一度だけ見た事がある。

 

『ギガ・ヴィーナスフライトラップ。アタック』

 

あの人がオベリスクフォースとの模擬デュエルをする。その噂は瞬く間にアカデミアに広がり、デュエルコートには大勢の生徒で賑わっていた。僕は自分の身体を生かして、スルスルと人と人の間をすり抜け、前の席を取る事が出来た。

 

蜂蜜みたいな金の長い髪、キラキラとした瞳。ぐるぐるに巻かれた包帯。青地に金色のラインが入った制服。

 

死にたがりとして有名なあの人は、デュエルではまったくそんな事を感じさせない。凛々しく、美しい。ただ1人の為だけのステージの上で、植物を操る。彼女の命令を受けた、成長し過ぎて、化け物レベルになったハエトリ草のモンスターは大きく口を開けて、喜びの雄叫びを上げた後、相手をその口で捕食した。って、言ってもソリッドビジョンだから、怪我はしないけど。

 

デュエル終了のブザーがなると同時にあの人はデュエルディスクを外し、相手に向かって何か言うと、側近として有名なモモが近づき、彼女にエスコートされる形であの人は去って行った。その姿を僕は慌てて追う。

 

あの人はデュエルが終わると自分の部屋に戻る。それを追いかける者は今まで誰もいなかった。

 

でも僕はその暗黙の了解を破る。破らなければダメなんだ。

 

『あの!』

 

何とか追いついて、僕が声を上げれば、2人は振り返った。あの人は不思議そうに、モモは嫌そうにこっちを見ている。モモの場合はあの人に近づく人間は一部除いて嫌いだから仕方ない。

 

『貴方は?』

『特進クラスの紫雲院素良です!』

『そう。……面白いのね』

『えっ』

『野薔薇様』

 

モモが「コイツと喋ってはいけない」と言わんばかりの目線をあの人に向けるけど、あの人は気にせず、僕の元までやってきて、僕の前に立つ。近くで見ると遠目で見るよりずっと綺麗。後、胸もおっきい。あの人はブーツを履いているからヒールの長さも足されて、僕と身長さがかなりあるから、胸が僕の頭の上くらいにある。おっきい。とにかくおっきい。眼福ってこの事?

 

あの人はちょっとだけ微笑むと、ぽんっと僕の頭に手を乗せた。…えっ。

 

『野薔薇様!?』

『あ、え、あ…』

『…頑張ってね、かわいこちゃん』

 

ぽんぽんと軽く叩いて、あの人の手は離れていく。去ろうと振り返る時、長い金髪がふわって舞って、すごく綺麗だった。コツコツヒール音鳴らして去るあの人。慌てて追うモモは僕の方を一度だけ向くとキッ!と目を吊り上げて睨んでくるけど、僕はそれどころではない。

 

『…はぅ』

 

撫でられた所を押さえて、ぺたんと座り込む僕。顔が熱い…!だって!あんな綺麗な微笑みで!あんなカッコイイ声で「かわいこちゃん」って言われたらさ!撫でられたらさ!腰抜けちゃうでしょ!?

 

 

……あーあ、デュエル教えてほしかったのになぁ…。

 

 

 

 

なんて、思っていたのは半年前の事。

 

 

 

「野薔薇先輩っ、一緒にお菓子食べよー!」

「チッ!紫雲院か!!」

「やっほー、モモ。相変わらずブスだね!」

「貴方のぶりっ子よりはマシですわ」

「アハハハ」

「ウフフフ」

 

…………。

 

 

「「死ねェッ!!!」」

 

 

ガォオオオオオオオオ!!

 

 

屋上庭園で、シザー・ベアーとシェキナーガが争い始める。あー…シェキナーガはだめだよ。大きいから目立つよぉー。来ちゃうよー来ちゃうよー。

 

バンッ!

 

「何事ですか野薔薇様!?」

 

ほぉうら、お付きのオベリスクフォースさん達が来ちゃった。睨み合うシザー・ベアーとシェキナーガを見て、思わず絶句するオベリスクフォースさん達。うん、しょうがない。

 

「アハハハ、相変わらず素良とモモは仲良しだなぁ」

 

笑っていられるの貴方だけだよ、スターチス。

 

「はわわわぁ…!」

 

それがある意味正しいリアクションだよ、トト。

 

 

モモと素良君は仲が悪い。なんだろうか、何が原因なんだろう?

 

 

「(絶対側近の座奪ってやる!!)」

「(渡すもんですか!!)」

 

 

 

 

 

 






・エド フェニックス
この時はまだ司令官になる前の上級生徒。野薔薇に対し、母性(※男です)を抱いており、何かと面倒を見るママ。野薔薇隊ではスターチスと仲が良い。

・紫雲院素良
この時はスタンダードへ行く2か月前くらい。野薔薇に憧れていたが、今は先輩として慕っており、モモが持つ側近の座を狙っている。実はモモとは同期で、当初から仲が悪かった。
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