バカとテストと召喚獣~仮面を被った男~   作:木原@ウィング

13 / 13
随分と久し振りな投稿になりました。
が、その分普段よりは内容が多くなっております!!
ではでは、お楽しみください!!


9話 立ち上がる者達は何処か?

「私達CクラスにAクラスが試験召喚戦争を挑む?」

 

「えぇ、そう言ったのよ」

 

Cクラスで起こったBクラスとCクラスによる協定違反。

その現場を抑えた吉井とチェイスたちだったが優子の発言に驚いていた。

 

「ゆ、優子さん。何で……」

 

「これはケジメを付けさせるためよ」

 

「け、ケジメ?」

 

「そう、ケジメ」

 

優子の言うケジメが良く分かっていない吉井。

そんな吉井に助け舟を出したのは工藤だった。

 

「吉井君、つまり優子はこう言いたいんだ。『協定違反をしてFクラスを、私の大切な吉井君を嵌めて倒そうとした卑劣で下衆で下等なCクラスを完膚なきまでに叩き潰す』って」

 

「な、なんかアグレッシブな内容だね」

 

「と言うか、なぜ三拍子なのじゃ? ブレンの真似かの?」

 

「う~ん、多分そうじゃないかな?」

 

「愛子!? 勝手な事を言わないでくれる!?」

 

「あれ? 違った?」

 

「違うわよ! 前半は良い感じだったのに中盤から可笑しくなってた!!」

 

「え~何処? 僕には良く分からないな~」

 

「愛子、あんた絶対に分かっているでしょ!?」

 

工藤の散々な言い方に優子が顔を真っ赤にして怒る。

……顔を赤くしている原因は果たしてその言い方だけなのだろうか?

 

「あれ~? なんで優子はそんなに顔を赤くしているのかなぁ?」

 

「そ、それは……あ、愛子が出鱈目な事を言うから」

 

「何が出鱈目なのかな~? 優子が吉井君を大切って思っている所?」

 

「な、なななななな!?」

 

「ふふっ、可愛い優子」

 

(((((小悪魔や! 小悪魔がここにおるで!?)))))

 

その場にいた全員が工藤の行動に同じことを考えていた。

 

「……勝手に話を進めているようだけど、それを受けて私達に何か得が有るの?」

 

「あら? そんなの有るに決まっているじゃない?」

 

「そうだねぇ、まず一つに僕達Aクラスの設備が使える」

 

「第二に、貴方の新しく手に入れた力を私達で試すことが出来る」

 

「……へぇ? 貴方、この力について何処で知ったのかしら?」

 

言って小山は目を細めながら不敵な表情で聞く。

小山の質問に優子は答えず、改めて聞く。

 

「それで? 受ける? それとも受けずに逃げて私達に臆病者って罵られる?」

 

「……上等じゃない! 今は私達の方が最強なのよ!! その舐めた態度、後悔させてあげる!!」

 

「決まりね。それじゃあ、戦争開始は明日の1限からで良いかしら?」

 

「えぇ、覚悟しておきなさい」

 

「それはこっちの台詞ね」

 

そうして不穏な空気を残して優子達は帰って行った。

 

 

「あ、ありがとう。優子さん」

 

「あら? それは何に対してのお礼かしら?」

 

Cクラスから離れてAクラスに向かう途中で吉井はお礼をいう。

しかし、そんな吉井のお礼に対して分かっているのにあえてとぼける優子。

そんな優子が分かっているのか秀吉と吉井は少し苦笑いしていた。

 

「僕達がCクラスとBクラスの罠に嵌められた時に助けてくれたことに対するお礼だよ」

 

「そうじゃ、姉上もとぼけおって」

 

「あら? そんなのお礼を言われるようなものじゃないもの」

 

「恰好つけちゃってまぁ」

 

「うるさいわよ愛子!!」

 

「……はは」

 

「どうかしたかの? 明久」

 

「いや、つい可笑しくてね」

 

「可笑しくて?」

 

「うん、あのやり取りがね。つい」

 

「あぁ~なるほどのう」

 

「……何か、元気を貰っちゃった」

 

「それは良かったの!!」

 

「うん!! ……明日は絶対に勝つよ。秀吉」

 

「もちろんじゃ!! あ奴らは学校を、儂たちの大切な場所を、この街を泣かそうとした。絶対に倒すのじゃ」

 

 

「それじゃあ、今日の作戦の確認をするぞ」

 

翌日、Fクラスに到着するやいなや、雄二にそう切り出された。

その場にいる吉井、姫路、土屋、秀吉は真剣な顔で雄二の作戦に耳を傾ける。

 

「まず、Bクラスは昨日のルール違反のせいで教室前からのスタートとなる」

 

「なぜ断言できるのじゃ?」

 

「俺がアイツ等と交渉してそう決めさせたのさ」

 

秀吉の疑問に胸を張って誇らしげに答える雄二。

自分達が知らない間にそんな事をしていたのかと少し呆れた顔をする吉井

 

「一体何時の間にそんな交渉していたのさ?」

 

「お前たちが帰った後、俺が生活指導室に行ってチェイス立会いの下に交渉したんだ」

 

「言ってくれれば良かったのにのぉ」

 

「お前らが先に帰っちまったんだろうが!!」

 

少し不満気に文句をいう秀吉に先に置いて行かれた怒りと共に雄二が怒鳴る。

しかし、その顔には怒りの表情は無く、ただただ笑顔だけが有った。

 

「……それで? 俺達はどうする?」

 

「明久と姫路、秀吉はいつも通りに部隊を率いてBクラスを抑えてくれ」

 

「その隙に俺達は奴らの背後……つまり外からの襲撃を仕掛ける」

 

「外からって……ここ3階だよ? どうやってするつもり?」

 

「外からの襲撃は……土屋。任せられるか?」

 

「……引き受けた」

 

「そう言う訳だ。何か質問は?」

 

雄二のその言葉におずおずと手を挙げる姫路。

その様子は何かに怯えている様子だった。

 

「あ、あの! ……わ、私も出ないと駄目ですか?」

 

「ん? それは……出てもらわないと困るが」

 

「そう、ですか……」

 

「どうした? 何か不満と言うか不都合な事でも有るのか?」

 

「そ、そう言う訳じゃ……」

 

「…………」

 

吉井は姫路のその様子を見て何か隠したいことが有ると見抜いた。

しかし、その隠したいことが何なのかまでは分からなかった。

 

(……姫路さん、一体どうしたんだろうか?)

 

「まぁ、済まないが姫路。ここは頑張ってくれ」

 

「わ、分かりました……」

 

雄二の頼みを受けて姫路は少し俯きながら答えた。

 

「さぁ! 俺達の戦争を始めるぞ!!」

 

 

 

 

「以上が今回の試験召喚戦争の作戦です。質問は有りますか?」

 

雄二たちFクラスが作戦会議している同時刻、Aクラスでは優子が指揮を執っていた。

その姿はまさに美しい軍師の様だった。

優子の隣には工藤、霧島、久保がそれぞれ立って居た。

 

「なぁ? 今回はなんでCクラスと試験召喚戦争をやるんだ?」

 

Aクラスの男子のその疑問が伝染し、Aクラスからは同様の声が上がり始める。

 

「なぜ下位クラスに挑むのか?」 「時間の無駄ではないか?」 「やる意味が分からない」

などなどの声が次々に上がる。

それを見て優子は少し目を閉じて、声を上げる。

 

「良い? みんな。今日、私達はこの学園の卑怯者と言う名の敵を討つ」

 

その発言に疑問の声はぴたりと止む。

しかし、優子は続けて話を続ける。

 

「今回、CクラスはBクラスと結託してFクラスを叩き潰そうとした」

 

「なんでCクラスがそんな事を?」 

 

「アイツ等は……力を得た。絶対に手を出してはいけない禁忌の力に」

 

「禁忌の力?」  「それは一体なんですか?」

 

「それはまだ言えない……しかし、それを得た奴らは何を血迷ったのか自分達こそが最強だと言い始めた」

 

「良い? みんな」

 

そこで優子はようやく目を開ける。その目には怒りの炎が燃え上がっていた。

 

「奴らは自分たちの力を使わず、紛い物の力に手を出し! その力で自分たちが最強などど寝言をほざいた!!」

 

「私達は! 努力をして今! このクラスに居る!! 学年の一番最強の! このAクラスに!!」

 

「奴らも努力はしたんでしょう……しかし、途中でその努力を放棄した」

 

「努力を放棄して得たのがそんなまやかしの力で最強を名乗る」

 

「……みんなに聞きたいわ」

 

「そんな奴らを……放っておける? 許せる?」

 

「私達は愚かにも努力することを諦め! 安直な力に手を出し! 他のクラスの者と結託し自分達の利益のみをむさぼり尽そうとした卑怯者、Cクラスと試験召喚戦争を行う」

 

「此度の戦い、義は私達に有る!! 何も恐れるものは無いわ!!」

 

優子のその演説を受けてAクラスの生徒達は口々に言う。

 

「その通りだ!」  「努力して私達はここに居る!!」  「努力しないで力を得るなんて許せない!」

 

「……Cクラスの奴らは努力することを止めた。いや、努力することを諦めた」

 

「『あきらめ』が人を殺す。希望を捨てずにあきらめを拒絶した時、人間は自分の運命を変える権利人に成り得る』私の叔父の言葉よ」

 

「さぁ、みんな。私達は諦めを拒絶する?」

 

「あぁ、するとも!!」  「えぇ! 拒絶して運命を変える!!」   「諦めるなんて出来るかよ!!」

 

「よろしい……ならば試験召喚戦争よ」

 

「私達は、打倒する。諦める事に屈し紛い物の力に手を出したこの学校の仲間の目を覚まさせる!!」

 

「良いわね! みんな!!」

 

「「「「「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 

Aクラスの一致団結した魂の叫びが教室を震わせていた。

 

 

 

「……で? どうするの、Bクラスは?」

 

「決まっている。あんな雑魚共は簡単に蹴散らすだけだ」

 

二つのクラスの作戦会議と同時刻、Bクラス代表の根本とCクラス代表の小山は校舎裏で密談を行っていた。

そして二人の手には大量のガイアメモリが握られていた。

 

「あの男から仕入れたこのマスカレードメモリを、俺達のクラスの召喚獣に使わせる」

 

「そうすれば後に起こるのは私達の手による圧倒的な蹂躙」

 

「あぁ、それを今から想像するだけで胸が躍るな」

 

二人は怪しく笑い合い、別々の戦場に向かう。

………その光景を見られていたことにも気が付かずに

 

 

 

 

「絶対に奴らをこの扉から外に出すな!! 教室内に居る間に片を付けるんだ!!」

 

「よ、吉井君……あのっ」

 

「姫路さん! 君もみんなの援護を」

 

「は、はい! え、えぇっと」

 

Bクラスと開戦してから吉井達FクラスはBクラスを外に出さない様に入口に陣取り攻撃を仕掛けていた。

Bクラスの残存勢力を数で何とか押していたが突然姫路の動きが止まったのだ。

それをカバーするように秀吉が部隊を率いて姫路の代わりにBクラスの部隊と戦闘していた。

 

「姫路さん! なぜ戦わないんだ!!」

 

「す、すいません! で、でも……」

 

「っく!!」

 

姫路のその態度をもどかしく思った吉井だったがそれを無視してBクラスの内部を見る。

昨日の戦闘でBクラスの中に居る生徒の数は半分の10数人程度。

しかし、根元の周りをその半分のメンバーが守っている。

そして吉井は根元を良く見てみると彼の机にピンク色の封筒がある事に気が付いた。

 

(……そう言う事か。根本、君は心底僕を怒らせたいみたいだね)

 

「……姫路さん。戦えないんだったら雄二の護衛に回ってよ」

 

「え?」

 

「聞こえなかった? 戦えないんだったら雄二の事を守っておいてって言ったんだ」

 

「で、でも……私だって」

 

「『私だって戦えます』とでも言うつもりかい? 今、何もしない君が?」

 

「そ、それは……」

 

「……君が取り返したいものは僕が取り返す。だから早く行け」

 

「え? 吉井君……なんで」

 

「良いから! 早く行って」

 

吉井は笑顔で彼女の背中を優しく押して雄二の護衛に向かわせた。

姫路も少し戸惑っていたがそのままFクラスに向かって走り出す。

その姫路の姿が見えなくなると吉井は先程まで浮かべていた笑顔を消して能面のような表情になった。

 

「……根本、お前は僕を怒らせた」

 

「『試獣召喚』!!」

 

吉井の召喚獣が出た瞬間、その場の空気が変わる。

その場にいた全員が吉井から発せられる凄まじい怒気を感じ取ったのだ。

 

「根本……君は色々とやりすぎた」

 

「ようやくお出ましか……ひねり潰してやるよ」

 

吉井が本気を出したのを見ると根本は笑い、自分の周りにいる生徒に命令する。

 

「さぁ、お前ら。試験召喚獣を呼び出せ」

 

「ここで一気にひねり潰すんだな?」

 

「そうだ。さぁ、出せ」

 

「おう! 了解だ!!」

 

「「「「「『試獣召喚』!!」」」」」

 

 

Bクラスの中でも精鋭と呼ばれる生徒達が一斉に召喚獣を呼び出す。

呼び出された召喚獣が飛び出す前に根本は懐からガイアメモリを取り出し召喚された全ての召喚獣に投げ込む。

 

「「「「「『マスカレード!!』」」」」」

 

投げ込まれたガイアメモリは各々の召喚獣に付けられた特殊コネクタに入り込みたちまちマスカレードドーパントへと変貌した。

しかし、それを見ても吉井は特に驚いた様子は無くむしろ呆れの表情でBクラスの面々を見つめる。

 

「良くもまぁ、そんなに大量のガイアメモリを手に入れたね。その執念には恐れ入ったよ」

 

「これをくれた奴らはお前らを心底恨んでいるらしくてな? 俺達が潰すのを手伝うって言ったらこんなに大量にポンっとくれたぜ」

 

「ふ~ん、貴重な情報をありがとう。やっぱり君ってバカなんだね?」

 

「あっ?」

 

「そう簡単にペラペラ喋っちゃって、それだけで僕には黒幕が誰か分かるんだよ」

 

「知った所でどうなる? もうお前はここで終わるんだ」

 

「……典型的な三下だね。台詞も行動も」

 

「OK、OK。分かった、死体も残さねぇでやるよ!!」

 

吉井の言動に切れたのか、根本は懐から更にガイアメモリを取り出して自分の首に有る接続コネクタに挿入する

 

「『スカル!』」

 

コネクタにメモリが入ると頭部が光り輝く骸骨、『スカルクリスタル』となった。

そしてスカルドーパントは自分の手を脾たいたり閉じたりして確認する。

 

「ふ、ははは」

 

「ふははははははは!!!! 体の奥底から力がみなぎってくる!! これで俺は最強となったんだ!!」

 

「吉井! 今、ここでお前を倒して俺は更なる高みへと昇る!!」

 

「……はぁ。偽りの力で強くなった気になれるなんて本当におめでたいね」

 

力を手に入れて気分が高揚したのかスカルドーパントは声高らかに吉井に宣言する。

逆に宣言された吉井は呆れ果てたようにため息を吐いてそう吐き捨てる。

 

「まぁ、来なよ? その偽りの力ごと君を叩き潰して目を覚まさせてあげるからさ!!」

 

そう言って吉井は戦極ドライバーを取り出して一つのロックシードを開錠し、戦極ドライバーにセットする。

 

『イチゴ!』

 

その音声と共に吉井の頭上にクラックが開き赤いイチゴの鎧が浮かぶ。

吉井はカッティングソードを下ろしてその鎧を身に纏う

 

『ソイヤッ! イチゴアームズ! シュシュッと・スパーク!!』

仮面ライダー鎧武イチゴアームズへの変身を完了した吉井はドーパント軍団へ向かっていく。

 

Bクラスで最後の戦いの幕が上がった。

 

 

 

「良い!? Aクラスって言っても所詮は雑魚ばかりよ!! 今の私達だったら負けはしない!!」

 

吉井がBクラスでスカルドーパント達と決戦を迎えたのと同時刻にAクラスとCクラスが廊下でぶつかり合っていた。

Aクラスの数人が着実にCクラスの面々を撃破しているがCクラスの部隊長は慌てる様子も見せず、それどころか不気味に笑っていた。

 

「各個撃破出来る奴は各個撃破していけ! 残りのメンバーは数で囲んでぶっ倒せ!!」

 

 

「「「「「おぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」

 

「敵は数で押すことしかできない奴らだ! そんな奴らなど恐るるに足らない! 気合い入れろお前ら!!」

 

「「「「「おぉぉぉぉぉ!!!!」」」」」

 

Cクラスの部隊長の指示を受け、その場の全員が懐から『マスカレードメモリ』を取り出して召喚獣に投げ刺す。

するとBクラスの時と同じように召喚獣が『マスカレードドーパント』へと変異する。

 

「さぁ、これで形勢は逆転する」

 

「怯むな!! 行くぞ!!」

 

「駄目! みんな下がって!!」

 

その場に一人の少女の声が響き、Aクラスの動きが止まる。

その瞬間、大量のミニカーがマスカレードドーパント達に突撃していく。

 

「ぐぅ! なんだ!! このミニカーは!!」

 

「みんなはAクラスに戻って代表たちの守りを固めて!!」

 

「く、工藤さん!?」

 

そこには腰にベルトを巻いた工藤愛子が立っていた。

彼女の様子を見て、普段とは違うと察したAクラスの面々は工藤に言われた通りに翔子の守りを固める為にその場を離れた。

 

「悪いけど、普段の君達との対戦だったら僕はあんまり干渉する気は無かったよ?」

 

「ならばなぜ邪魔をする!」

 

「……そんな力を得た君たちの暴走に僕の大切なクラスメイト達を巻き込む訳には行かないからね」

 

工藤はそれだけ言うとベルトのイグニッションキーを回す。

 

「行くよ、お父さん」

 

『OK! Start Your Engine!』

 

ベルトからそんな返答が聞こえると同時に待機音声が流れ始める。

そして工藤は手元に有った赤いミニカーを回して左腕のシフトブレスにセットする。

 

「変身!!」

 

赤いミニカー『シフトスピード』をそのまま倒すと工藤の身体が光に包まれる

 

『ドライブ! タイプスピード!!』

 

変身が完了するとそこには真っ赤な姿をして、胸にタイヤをはめ込まれた戦士が立っていた。

 

「何だ? お前のその姿は!?」

 

「これ? これは仮面ライダードライブ!」

 

「仮面ライダー、ドライブ? ……代表の言っていた警戒するべき戦力の事か!?」

 

「まぁ、そっちの警戒すべき戦力かなんて知らないけど……僕は実戦ではこれが初乗りだからね」

 

「さぁ、ドーパント共!」

 

そこまで言うと工藤は腰を下げて膝に手を置く。

 

「一っ走り付き合えよ!!」

 

その宣言と同時にドライブは走り出した!

 

 

 

「はぁ!」

 

鎧武の投げたクナイを受けてまた一体のドーパントが消滅した。

 

「これで……残りのマスカレードは10体か」

 

「どうした? もう息でも上がったか?」

 

「まさか……でも一体一体をちまちま倒すのも面倒になったからこれで一掃するのさ」

 

鎧武はそれだけ言うと無双セイバーにイチゴロックシードをセットして構える。

 

『イチゴチャージ!!』

 

音声が聞こえると同時に鎧武は無双セイバーを天に向けて振り放つ。

すると、無双セイバーからピンク色のクナイが点に向けて放たれそこから大量の小型クナイが雨の様に降り注いだ。

 

「なにぃ!!」

 

スカルドーパントはすぐにその範囲外から離脱したが残っていたマスカレードドーパントは全てそのクナイの雨を受けて爆発、消滅した。

 

「ばかな!! あの数を一瞬で!?」

 

「残ったのは君だけみたいだね?」

 

鎧武はイチゴロックシードを取り別のロックシードをセットする。

 

『パイン!』

 

パインロックシードを開錠すると戦極ドライバーにセットしてカッティングソードで切り開く。

 

『パインアームズ!! 粉砕 デストロイ!! 』

 

そのままパインの鎧がクラックから鎧武に向かって落ちてきて変身が完了する。

鎧武は手に持った「パインアイアン」を振り回してスカルドーパントを威圧する。

 

「さぁ、覚悟してよ? 根本」

 

「ぐっ!!」

 

鎧武は手に持ったパインアイアンをスカルドーパントに向けて投げつける。

しかし、その攻撃は突然弾かれる

 

「なに!?」

 

「…………なぁんてな!!」

 

スカルドーパントの横から巨大な頭蓋骨の化け物が2体現れた。

その化け物にパインアイアンを弾かれたようだった。

 

「そいつらは……」

 

「俺の能力で生み出した分身さ! 力はその形態のお前よりは強いぜ?」

 

スカルドーパントは余裕そうに鎧武をあざ笑う。

そしてその手を挙げて骸骨の化け物に指示を出す。

 

「そいつを殺せ」

 

言葉に従うように歩き出す化け物二体。

その様子を見て少し後ずさりしそうになる鎧武。

 

万策尽きたと思われたその時! 一筋の風が教室に吹き荒れた!!

 

「な!? 何だこの風は!!」

 

「……大丈夫か? 吉井」

 

「む、ムッツリーニ!?」

 

目の前に現れたのはサイクロンメモリを使い駆けつけたムッツリーニだった。

そして吉井の前に立ったムッツリーニの目は敵を見据えていた。

 

「吉井……いつもお前には戦わせてばかりだった。すまない」

 

「ムッツリーニ……いや、良いんだ。これは僕が好きでやっていることだし」

 

「だがそれも終わりだ……」

 

「え?」

 

「これからは……俺もお前と戦う!」

 

そう言うとムッツリーニは懐に一つのベルトを巻く。

ベルトが巻き終わるとムッツリーニは一つのガイアメモリを起動させる

 

『エターナル!!』

 

「変身!!」

 

『エターナル!!』

 

ガイアメモリをベルト『ロストドライバー』にセットしそのままスロットを倒して変身を完了させる。

そこには真っ白な姿と所々に青い炎の模様が入った戦士が立って居た。

 

「お前は何者だ!?」

 

「俺は……仮面ライダーエターナル」

 

「仮面ライダーエターナルだぁ!? また仮面ライダーか!!」

 

「お前の楽しみはここで終わる。さぁ、ここからはお前は別の楽しみの時間だ」

 

「さぁ、地獄を楽しみな!!」

 

永遠の名を持つ戦士、仮面ライダーエターナルはスカルドーパントへ向かって行った!!


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。