バカとテストと召喚獣~仮面を被った男~   作:木原@ウィング

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1話 前編 なぜ、彼はFクラスなのか

第1話 前編

 

吉井「えぇ~っと? Fクラスは……」

 

そう言いながら僕は廊下を歩いていた。

2年目だけどやっぱりまだこの学校にはなれない。まぁ、あんまり来れていないから仕方ないか。

 

 

?「あれ? 明久君?」

 

吉井「ん?」

 

僕は後ろから声をかけられて振り返る。

そこには僕の好きな女の子、木下優子さんがいた。

 

優子「こんな所で何しているの?」

 

吉井「いや~それがちょっと寝坊しちゃって~」

 

僕は頭を掻きながら優子さんに事情を話す。

昨日の「用事」を片づけて家に帰ったらいつの間にか眠っていたと話したら優子さんは少し呆れたようにため息をついた。

 

優子「……あのねぇ、明久君。私たち、いつも言っているわよね? 無理はしないでって」

 

吉井「うん、そうだね……」

 

優子「私だって明久君が頑張っているのは知っているけど、私だって明久君の力になれるんだよ? だって私「優子さん!!」っ!!」

 

吉井「……それについては、前にも話したでしょう? それにここで話さないほうが良いよ」

 

僕の発言を受けて、優子さんはハッとしてすぐに謝罪した。

 

優子「……ごめんなさい、軽率だったわ」

 

吉井「良いんだよ、それじゃあ僕もう行くね」

 

優子さんにそう別れを告げて僕は再びFクラスに向かう。

 

優子side

明久君、いつも私が力になるって言ってもああ言って力を借りようとしない。

理由は、何となくだけど分かる。多分、私が足手まといだからだ。

私は……吉井明久君が好きだ。私は、過去に彼に助けられた。その時から私は彼が好きだった。

だから、彼の役に立ちたい一心で自分を鍛えたつもりだった。でも、彼はそんな私を一向に認めてくれない。一体なんでなんだろう……

 

優子「明久君、私だってあなたの役に立てるんだよ?」

 

そう言って私は自分の鞄から有る物を取り出す。

そう、これが有れば彼の力になれる。

でも、私はまだ……

 

?「優子、大丈夫?」

 

優子「へぇあ!?」

 

いきなり後ろから声をかけられたからか、とんでもなく情けない声をあげてしまった

 

優子「え、あ、代表!! お、おはよう!!」

 

翔子「うん、おはよう……」

 

声をかけて来たのは私の所属するAクラスの代表、霧島翔子だった。

私は向き直って彼女と話し始める

 

優子「どうしたの? こんな所で」

 

翔子「そういう優子こそ」

 

優子「私は職員室からの帰りよ?」

 

翔子「私は、雄二の様子を見に行っていた」

 

雄二、あぁ坂本君の事か。相変わらず代表は坂本君にお熱みたいね。

まぁ、私も明久君にお熱だからヒトの事を言えないんだけどね。

 

翔子「さっき、吉井と話をしていた? 彼はAクラスには来ないの?」

 

優子「……代表、明久君はAクラスにそもそも来ないわ」

 

翔子「何で? 彼の実力なら「代表」」

 

優子「……彼が何で、この学校で「馬鹿を演じている」のか。忘れちゃった?」

 

翔子「……失念していた」

 

優子「まぁ、明久君が来れないのは残念だけどFクラスには多分「みんな」いるだろうしね」

 

翔子「うん、さっきちょっと見ただけだけど秀吉に土屋も居た。……それに、島田も」

 

優子「……島田さんがいたかぁ。それだけが心配だけど秀吉たちに何とかしてもらうしかないか」

 

島田さん、その名前を聞いた瞬間。私は物凄い不快感を感じた。

彼、吉井明久をいつも理不尽な事で暴行する彼女を私たちは嫌悪している。

 

優子「代表、もう戻りましょう。そろそろチャイムがなっちゃいそう」

 

翔子「うん、戻ろう。優子」

 

そう言って私達2人はAクラスに戻っていった

優子side out

 

雄二side

ふむ、振り分け試験時に点数を調整したから簡単にFクラスの代表にはなれたが……肝心のアイツが遅刻ギリギリってのはどういう事だ?

まさか、また厄介ごとに巻き込まれているのか?

 

吉井「すいません! 遅れました~」

 

雄二「遅いぞ! 早く座れウジ虫野郎!!」

 

吉井「ちょっと! 着いて早々なんで罵声を浴びせられるわけ!?」

 

雄二「冗談だ、早く座れ明久」

 

俺の罵声に的確にツッコミを入れてくる。見た感じでは大丈夫そうだな。

まぁ、こいつがそう簡単にくたばる訳は無いんだがな。

 

吉井「分かったよ。……ところで、雄二。僕の席は?」

 

雄二「あぁ、適当に座ってくれ。特に決まっていないからな」

 

俺のその言葉に少し驚いた様子だったが、俺も最初は驚いたさ。

普通は座席くらいは決めておくもんだろう?

流石にここまで酷いとは思わなかった。

吉井は開いている窓際の席に座った。そこは秀吉の隣だった。

まぁ、秀吉にはそこに座るように頼んでおいたんだがな。

 

秀吉「明久よ、初日から遅刻ギリギリとは……何か有ったかの?」

 

吉井「いや~ちょっと昨日の夜までゲームをしていてさっき起きたんだよねぇ~」

 

俺と、秀吉、それに土屋にはそれが嘘だとすぐに分かった。恐らく、例の「用事」で起きた事を片づけていたんだろう。

 

ガラガラッ

 

その時扉が開き、福原先生が教室に入ってくる。

 

 

「お早う御座います、HRを始めますので皆さん席について下さい。……坂本君、君も席についてください」

 

福原先生に言われたし、俺も席に座るとするか。

 

福原「みなさんFクラスの担任の福原です。漢字は……」

 

うん? 黒板に名前を書こうとして止めた? 何でだ?

……おい、まさかチョークすらないのかこの教室は!?

 

福原「それでは自己紹介をしていってください。」

 

福原先生に言われ廊下側から順番に自己紹介していく。

 

土屋「……土屋康太。趣味は、写真を撮る事」

 

秀吉「木下秀吉じゃ、演劇部に所属しておる。Aクラスには姉の木下優子がおる。みんなよろしく頼むぞ。ちなみにわしは男じゃ」

 

「秀吉可愛い~!!」

「このクラスのオアシスじゃー!!」

「結婚を前提にお付き合いしてください!!」

 

おい、木下に愛の告白した奴は表に出ろ。

見ろ、秀吉が養豚場の豚を見る目をしてるじゃねぇか。

あいつには好きな奴がいるんだよ。

あ、アイツが男だっていうのは嘘だ。理由は……アイツが過去に色々有ったとしか言えないな。

 

島田「島田美波です。海外育ちで日本語は読み書きが苦手です。趣味は……吉井明久を殴る事です☆」

 

……あのバカ女もこのクラスだったな。これは警戒しておかないといけないな。

吉井の身の安全のためにも、アイツは近づけさせない様にしないとな。

秀吉と土屋も俺の思惑が分かったみたいだな。俺の目を見ただけで頷いてくる。

 

吉井「吉井明久です。気軽に『ダーリン』って呼んでください」

 

「「「「「ダァァーーーリィーーーーーン」」」」」

 

野郎どもの汚い歓声が響く。てかうるせぇ

やっぱりこのバカばっかのクラスにいるのは吉井の為にならないな。

そう結論づけた時、教室のドアがひらいた。

 

「あの、遅れて、すみません……」

 

姫路か? 随分遅かったが、体調が回復したのか?一応聞いてみるか。

 

雄二「姫路」

 

姫路「は、はいっ。何でしょうか?えーっと…」

 

雄二「坂本だ。このFクラスの代表でもある。よろしく頼む」

 

姫路「あ、姫路です。よろしくお願いします!」

 

雄二「一つ聞いておきたいんだが、振り分け試験の時の風邪はもう大丈夫なのか?」

 

姫路「あ、はいっ。一時的な熱だったので、もう大丈夫です」

 

雄二「そうか、ちょっと確認しておきたかったんだ。すまんな」

 

姫路「いえ、そんな…え、よ、吉井君!?」

 

姫路が秀吉の隣に座っていた明久の顔を見て驚いている。ああ、なるほど…

 

雄二「姫路。明久がブサイクですまん」

 

吉井「ちょっと雄二!? 何を言ってくれちゃっているのかな!?」

 

姫路「そ、そんな!目もパッチリしてますし、顔のラインも細くて綺麗だし、全然ブサイクじゃないですよ?」

 

姫路のフォローに吉井が涙を流して喜んでいる。……吉井、あとで謝るよ。

あ、それよりも秀吉がやばい。物凄く不機嫌そうな顔になってる

 

福原「それでは、あとは代表の坂本君だけですね。自己紹介を」

 

雄二「あぁ、すいません。福原先生、それなんですが教壇を少し借りてもいいですかね?」

 

福原「まぁ、構いませんよ」

 

そう言って福原先生は教壇を譲ってくれた。

さて、それじゃあ始めるとするか。召喚戦争を!!

 

雄二side out

 

吉井side

雄二「Fクラス代表の坂本雄二だ。俺の事は代表でも坂本でも好きなように呼んでくれ。

そこで早速皆に聞きたいんだが、――――かび臭い教室、古く汚れた座布団、薄汚れた卓袱台、Aクラスは冷暖房完備の上に、座席はリクライニングシートらしいが―――

…不満はないか?」

 

雄二は教壇に立っていきなりそんなことを言い出す。おいおい雄二、いくら何でも振り分けられた当日に召喚戦争を仕掛けるつもりか?

僕としてはあんまり乗り気になれないんだけど

 

「「「「「大有りじゃあーーーー!!!」」」」」

 

まぁ、このクラスの奴らがこう思うのも仕方ないけどこんな教室が嫌だったら勉強して成績を上げて来年もっと良いクラスに行けばいいだけじゃないか。

なんでそんな事も思いつかないのか不思議だ。

 

雄二「俺達はこのクラス状態の改善を求める!! そのために、俺達はAクラスを打倒する!!」

 

雄二の宣言にクラス中は熱狂する。まぁ、僕と秀吉と土屋と姫路さん以外だけどね。

後編へ続く

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