やはり俺がおとしものを拾うのはまちがっている。   作:yoshikei

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「まあ、難しいことはいいか。俺たちの知らないことなんてまだまだ世の中に溢れているんだろうからな。それで、他にどんなことができるんだ?」

 

 俺がそう聞くと、そいつ改めイカロスは「なんでも」と答えた。

 

「なんでも?」

「はい」

 

 そうか。なんでもと来たか……。

 俺は考えたが、特にやりたいことが出てくるわけでもない。

 ……無欲というか、ほんとにやりたいことがないんだよな。やりたくないことならあるけど、もう解決したし。

 そんなことを考えながらふと下を見てみると、俺はまだ寝巻きを着ていた。

 …そういえば、今日も学校だったな。

 

「えっと、イカロス、でいいのか?」

「はい」

「じゃあ、イカロス」

「なんでしょう、マスター」

「着替えたいから、部屋を出てくれ……」

「わかりました」

 

 イカロスはそう言って、部屋を出た。

 出たのだが、俺の手のひらには昨日の夜中から、鎖が巻き付いていた。そのため、

 

キイィィィィ

 

 部屋のドアを閉めようとしても、空いてしまうし、鎖が邪魔で着替えようにも着替えられない。

 鎖をはずそうとしてみたのだが、手からは全く外れることはなかった。

 

「なあ、イカロス」

「はい、マスター。どうしましたか?」

 

 イカロスは俺が呼ぶと、部屋のドアを開けて、返事をした。

 

「この鎖って、どうにかならないのか?」

「鎖、ですか?」

「そう。この鎖があると、着替えができん」

「鎖なら、このように消すこともできますが」

 

 そうイカロスがいうと、手のひらに巻き付いていた鎖は消えた。不思議に思いつつも、空を飛べるようなロボット?を作れるのなら、これくらいはできるのだろう。と無理矢理思い込み、気にしないことにした。

 ……たぶん、気にしたら敗けなのだ。

 

「そうなのか。じゃあ、こうしておいてくれ」

「わかりました」

「で、そのドアも閉めてくれると嬉しいんだが」

「わかりました」

 

 イカロスはそういって、部屋の中に入ったのち、ドアを閉める。

 

「いや、なんで、入ってくるんだ?」

「マスターがドアを閉めろと」

「そうじゃなくて、見られるのが恥ずかしいから、部屋の外に出ていてくれって言ったよな?」

「わかりました」

 

 イカロスはそう言うと、やっと部屋の外に出て、ドアを閉めた。

 俺は急いで服を着替えると、部屋を出る。

 

「イカロス、下に行くけど、その服装はどうにかならないのか?」

「服装、ですか?」

 

 イカロスはおもむろにカードを取りだし、

 

「トランスポート」

 

 また別の機械を出した。

 イカロスがその機械をポチポチと操作すると、

 

ドサドサドサッ

 

 また、俺の頭上にものが落ちてきた。

 横をみると、女子用の服が落ちていたので、これを呼び出したのだろう。

 ただ、ひとつ違う場所があるとしたら、背中の部分に翼用の穴が開いているところだろうか。

 

「まあ、いいや。早くこれに着替えてくれ」

「わかりました」

 

 イカロスはそう言うと、廊下で脱ぎはじめた。

 

「ちょっ、ちょっと待て」

 

 どうみても危なそうだったので止めたのだが

 

「命令の中止はできません」

 

 イカロスはそう返してきた。どうしようかと迷ったが、中止ができないなら、さらに命令を追加してみることにした。

 

「イカロス、命令だ。俺の部屋の中に入ってから着替えろ」

「わかりました」

 

 イカロスはそう言うと、服を持って俺の部屋に入っていった。

 

 

数分後

 

「マスター、着替えが終わりました」

「じゃあ、イカロス、下に行くぞ」

「はい」

 

 部屋から出てきたイカロスをつれて一階へと向かった。




こんにちはyoshikeiです。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
きっと、次回には小町ちゃんが出てきてくれるはずです。
今後ともよろしくお願い致します。
次回をお楽しみに~

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