俺がTS属性の二重人格者であるのは間違いないんですけど?   作:春の雪舞い散る

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初めての大型連休…母ちゃんと彩加と奉仕部の二人と

 

 

 ①  母ちゃんと…

 

 後半初日

 

 (うわっ、まだ飲んでたのかよ?)

 

 カチャカチャ音をさせつつ洗い物を下げてる母ちゃんを見て

 

 「 まだ飲んでるの? 」

 

 そう声を掛け洗い物を下げるのを手伝うと

 

 「 さすがにもう寝てるよ私は洗い物を片付けてから一眠りするつもりだけどそう言うアンタも連休中くらいゆっくりすりゃ良いのにさ

 

 で、テニスするってデートなのかい? 」

 

 そう聞かれたアタシは面倒臭いから

 

 「 ちげーよ、確かに気になるヤツも一緒だけど雪乃ともう一人部活一緒の女子の合わせて四人

 

 もっとも… 見た目なら女子… 美少女四人って間違われて声を掛けてくるアホどもも居るんだろだろうけどね 」

 

 アタシがそう言って彩加、雪乃、結衣とそれぞれのツーショット写メを見せると

 

 「 この銀髪の子が、アンタの気になってる男の子かい? たしに、パッと見た感じは普通に美少女としか見えないね… 」

 

 そう言われて

 

 「 まぁね、アタシも観察して気付いたんだからさ

 

 でも、結構男らしいとこもあってテニスも真剣に取り組んでるんだよね 」

 

 そうアタシが言うと

 

 「 ふーん、アンタも女の子の顔ができるようになったんだね… その子のお陰かい? 良いことだよ 」

 

 そう笑いながら言われて唇を尖らせてたら真面目な顔になり

 

 「 この先アンタがどう変わっていくかなんて医者先生にもわからないことが私にわかるわけないけどね

 

 それでも私達夫婦にとっちゃ八幡も八重も可愛い子供であることに違いはないのだけは忘れるんじゃないよ、良いね? 」

 

 そう言ってもらい

 

 「 有難う… そう言ってくれて嬉しい… 」

 

 アタシは炊事の支度をする手を休めることなくそう答えた

 

 

 握り終えたおにぎりの内10個をと凍らせた凍らせてない麦茶500㏄ペットボトルを二本ずつにマッカン四本、はちみつレモン水 ( 自家製 ) は二本のストローホッパーに詰めてアタシと彩加の分

 

 リュックにはラケットにボールとテニスシューズに着替えにスポーツタオルとサンバイザー

 

 タオルハンカチにポケットティッシュと制汗剤にUVカット、ファーストエイドキットとリップスティックの入ったポーチを入れるとそれを背負い

 

 「 お母さんって今日、明日は準夜勤だよね? 今夜の晩ご飯用のお弁当、何か用意しとこうか? 」

 

 そうアタシが聞くと

 

 「 そーだね… なら、夕べはちょいと飲み過ぎちまったからアッサリした物を適当に頼むよ 」

 

 そう答えてくれたから

 

 「 リョーカイ、お仕事頑張って 」

 

 そう言ってストローホッパー二本を肩に掛けてからクーラバッグ

 

 「 それじゃ行ってきます 」

 

 「 車と変な男にゃ気を付けるんだよ、良いね? アンタは頭悪くないのに妙に抜けたところがあるから小町と違った心配があるんだからさ 」

 

 そう言われて

 

 「 ナニ、それじゃアタシの事をアホ可愛いとでもゆーの? 」

 

 そう言ってアタシが頬を膨らませると

 

 「 なんだい、違うと言い張れるとでも言うかい?

 だけど昔っからゆーけど女は少し抜けてるくらいが可愛いげがあって良いって言うからさ

 

 まぁ、とにかくアンタや小町は私似で可愛いのだけは間違いないんだから要心するに越した事は無いんだからね? 」

 

 心配そうに言われたから

 

 「うん、それは雪乃にもよく言われてるから気を付けるよ」

 

 アタシがそう答えたら

 

 「そーだね、アンタは良い友達に出会えたよ」 

 

 と、比企谷八重として始めて聞く言葉を耳にしてくすぐったい嬉しさが込み上げてきた

 

 (うん、八には申し訳ないけど明後日の家族旅行…楽しみだな)

 

 

 

 ②  彩加と二人

 

 

 総合公園に着くと彩加も既に来ててストレッチをしてたからアタシもカーディガンを脱いで早速ストレッチを初めてコートの使用時間になったらすぐ始められるように準備した

 

 特別スゴい、って訳でもないアタシのサーブが優美子を翻弄したのを見ていた彩加がサーブの練習に力を入れているのを見て

 

 「 彩加、隼人のヤツが彩加のサーブが鋭くなったのに気付いて驚いてたの… 気付いてた? 」

 

 そうアタシに言われて初めて気付いたらしく

 

 「 そう言われてみたら二球目から構えが変わっていたけどそう言うわけだったんだね 」

 

 そう答えたから

 

 「 わずか数日でそれなりの成長を果たせたんだからもう少しこのまま続けて成長具合を見て次の段階への移行を考えよう 」

 

 そう言ってからブツブツ言いながらアタシはサーブは打たずにボールを擦るように当てていると不思議に思った彩加が

 

 「 八重ちゃんはさっきからブツブツ言いながら何してるの? 」

 

 そう聞いてきたから

 

 「 多分、遅くても夏までには優美子と再戦するだろうけど彩加以上にパワー、スタミナに難のあるアタシが本気の…

 

 しかもそん時にはきっちり鍛え直してきてるから地力も劣るアタシがどうしたら対抗できるのかを考えてるんだよね… 」

 

 そう答えながら呟き続けるアタシだった

 

 

 

 高さと球速の問題から丁度良い位置を割り出してそこからサーブを打つアタシ

 

 要するにアレだ、単純にスピードガンの球速だけじゃソフトボールのピッチャーのスゴさはわからないし語れないってところで

 

 隼人の背だってアタシからみたら十分高いからアタシと隼人のサーブの打点の高低差と球速の差は共に何ともならないからなね、普通にやったらさ

 

 だから体感速度が男子高校生の全国クラスの球速に感じる位置からのサーブを返してもらっている

 

 打ち下ろされる球の角度も考慮して雪乃に計算してもらった位置なんだけどね

 

 これは隼人との対戦で気付いた事の内のひとつで対戦相手は当然ながら彩加より背が高いんだからそういった設定も考慮しないとな…

 

 その練習で汗を流していると結衣と雪乃も到着してウォーミングアップ中

 

 で、なんでお前がいるんだよ? 材木… まぁ、彩加が誘ったんだろうけど… 友達だからな

 

 結衣と雪乃の視線から隠れるようにして来やがったが一緒の空間にいるのにナニやってんだよ? 全く…

 

 結衣と雪乃、そして材木が現れる頃には三面在るコートの他の二面も使用者が現れたんだが一番奥をアタシ達のグループが使いその隣は大学生っぽいグループで…

 

 その隣に居るのが… 葉山グループ&三浦グループ➖結衣ナンだが… 気にするな、気にしたら…

 

 って、ナ・ン・デ・お前らが居るんだよっ!?

 

 そう叫びたい、叫びだしそうな自分をアタシの方が間違っているとでも言うのかよ?

 

 もっとも雪乃に睨まれている隼人のヤツは材木程じゃないがその視線を大和を盾にして隠れている

 

 ギブスで固められている右手右足が痛々しいが同情する気はないし痛きゃ家で寝てろよなっ!? と、しか思わない、つかその姿でなにうろうろしてンだよ? お前はよ?

 

 材木と言い、隼人と言い… お前ら一体ナンな訳? 全くよ

 

 優美子から聞いた話によると、右腕は亀裂骨折2ヵ所に右足重症の捻挫らしく… 完治までに一ヶ月じゃ利かないそうだが同情はしないと、葉山先生にも言われたそうだ

 

 優美子の提案により一面を使いアタシは初心者の結衣と姫菜、材木と戸部に教えることになり残りのメンバーで彩加の特訓に付き合うつもりらしい

 

 取り敢えず結衣は姫菜と、材木は戸部とラリーの記録作りに挑戦させている

 

 はっきり言ってこの四人の中には本気でテニスに取り組むヤツは一人もいないだろうからそれならそれで端から楽しめるテニスを教えた方が良い

 

 だからこの四人が慣れてきたら結衣➡姫菜➡材木➡戸部➡結衣➡結衣って感じで四人でラリーをやらせようと思っている

 

 卓球のラリーもそうだけど、長く続けば続くほど楽しいからな

 

 強くなりたくなったら?

 

 身体能力的にはっきり言って、戸部以外は基礎体力作りからだけにやるならそこからになるんだけどね

 

 逆に戸部は、 『 サッカー部から転向する気か? 』 と、言わざるを得ないがそれならそれで彩加は喜ぶんだろうけどそこまでのつもりはないだろうからその時の問題、その時に考えれば良い

 

 つか、戸部がそう思うかもわからないのにそんな心配しても仕方無い

 

 そう思いながら四人のラリーを見守っていた

 

 


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