俺がTS属性の二重人格者であるのは間違いないんですけど? 作:春の雪舞い散る
② 湯上がりの水分補給になっちゃんを飲むアタシらは間違ってないはずだ
アタシも小町もぼーっとしてベンチに座ってるが土産物の絞り染めの浴衣を着ているアタシと小町はかなり注目を集めているけど既に集中力が欠けてきているアタシは苦にしない
と、言うかその状況に気付いてない
仕事の早い陽乃さんは既に浴衣の関係者にアタシのホームページ ( って、よく考えたらアタシは編集にノータッチなんだけど? ) を見てもらい貴社の浴衣を着た姿をホームページに乗せたいんですけど宜しいでしょうか?」
そう言って交渉して許可を貰ったらしく、早速載せているのだが結構反響があって問い合わせが既に数件入っているらしい
母ちゃんが有料のマッサージチェアに座って骨休めをしている
今の時間は午後の4時30分で晩ご飯はの時間は6時からか…ホント中途半端な時間だな…部屋で参考書でも見てたいな
つか、ここ煩いんだけど?
溜め息を吐いてなっちゃんを飲み干すアタシだけど小町はC.C.Lemonを飲んでる
親父達が風呂場で何してたかは知らないけどやっとでできやがった
母ちゃんのマッサージも終りお姉さん達もマリカのキリが良いみたいでこっち来た
未だ一時間ちょっとあるけどナニもする気はない
「お姉ちゃん、旅の思い出に家族でプリクラするのです」
そう小町に言われて溜め息を吐きつつ
「ダブルピースとか恥ずかしいポーズしないからね?そーゆー派手なの苦手なんだからさ」
一枚目は前列にアタシと小町がならんで…「ん~~っっ!」小町がいきなりほっぺをくっつけてきたからめっちゃ驚いて声無き声をあげちゃったよ
二枚目、センターにアタシと親父アタシの隣には小町で親父の隣は母ちゃん
三枚目アタシと小町のポジションチェンジで小町のご機嫌はあまりよろしくない
ラストは親父と母ちゃんがセンターで親父の隣はアタシに母ちゃんの隣は小町撮影が終り小町と母ちゃんが二人で落書きしてる
仕上がったみたい…う~ん、これって誰にも見せられないな…特に戸塚にはな
母ちゃん…あんた、いったい何やってんのさ?
取り敢えず未だ時間はあるからお土産見に行こう
って訳で売店来た…けど思い付かないから三人とも温泉まんじゅうにとこ
姫菜に優美子には二人で温泉まんじゅう大きい箱でいっか?
隼人達はクッキー、大きい箱な
でも、自分用のお土産がなかなか決まらないな…
ナニ買おうか?
へーっ、あんまり知られてないけどラベンダーのお花畑があるんだなぁー…
そう思いながらアタシがぼーっとしてたら小町と母ちゃんが来て
「ほうほうラベンダー畑ですか…」
「ふーん…面白そうだね、行ってみるかい?」
二人がそう言ってニヤニヤ笑ってるけどアタシは気付かないで考え込んでたら
「別に今から富良野連れてけとか言うんじゃないしふだんワガママ言わないあんたが可愛く『行きたいの』っていや連れてってくれるさっ♪」
そう言われて観光案内用のパンフレットを一枚もらっていくことにしたんだ
結局温泉まんじゅうはアタシは保留になり何も買わずに売店を後にすることになったが母ちゃんはご近所さんに何箱か買ったみたいだった
取り敢えず親父に『連れてって』ってオネガイする事を決意して部屋に戻ることにした
そして晩ご飯…とゆーか宴会?
この町はチョウザメの温泉養殖が始まった時にロシア料理を学び始めた人達がいてこの旅館の板長さんもその一人で、本格的なコース料理はもちろんボルシチを単品で頼めるしピロシキも売店で… しかもタイミングが良ければ揚げたてが買えるんだって❗
さすが安定のコミュ力を誇る小町ちゃんはすぐに皆さんと打ち解けたけどアタシには絶対無理だ
だからアタシは一人、会話の邪魔にならないようにだけ気を付けてご飯を食べてたら三人の中じゃ一番小柄な人が話し掛けてきた
「なんで八重ちゃんは何も話さないのかな?」
って余計なお世話な事をね
「……」
何も言わずに黙ってご飯を食べ続けるアタシに変わって
「その娘はコミュ症でね… あまり会話が得意じゃなくて、特に慣れない人の前だと貝のように口を閉ざしちまうんだよ
そのお陰で色々と誤解されやすいんだけどね… 」
そう母ちゃんが答えると
「 ふーん、可愛いのにもったいない話ですね? 」
「 …… 」
( ナニがもったいないのかよくわからん )
そう思いながら次々に消費されてくビールを見ながら
「 ビールもう残り少ないよ? ウイスキー開ける? 」
アタシがそう母ちゃんに小声で聞いたら
「 そうだね、用意しておくれ… 」
母ちゃんがそう言って頷いたから
「 お父さん、そろそろウイスキーに切り替える? ビール残り少ないよ? 」
そうアタシが言ったら
「 あー、なら麦茶で割ってくれ 」
だってさ、だからアタシは溜め息を溢して麦茶割りを作り
「 はいっ… 」
そう言って渡すと
「 八重、私も頼むよ 」
そう母ちゃんにそう言われて
「 ストレートティーとレモンティーが一本ずつにミルクティーが二本あるしティーバッグも有るから温かいのもだせるけど? 」
アタシがそう言ったら
「 なら、ストレートティーで頼むよ 」
そう言われて紅茶割りを作ってると
「 あー…八重ちゃん、あたしはミルクティー 」
「 私はホットでミルクティー 」
「 私はレモンティー 」
と、お姉さん達もリクエストして用意してたらビールを飲み干した男性陣もそれぞれにリクエストしたので紅茶はなくなりウイスキーもヤバイことになってきた
だからアタシはその事を母ちゃんに告げると親父の財布から一万円札円札を抜き取り
「 八重、小町、ちょっと買い出しにいくから荷物持ちに付き合いな 」
そう言われて溜め息を吐くアタシ達が部屋を出るとあからさまにやな顔をしてる小町だったけど
カクテルやらうウィスキーやらを買い物篭に入れながら
「 八重、つまみは未だあるのかい? 」
そう聞いてきたから
「 有るも何も未だ手付かずじゃん? 」
そう答えたら
「 なら良いあとソフトドリンクとあんたらと陽乃ちゃんのアイスを適当に見繕って買終りだよ、見てきな 」
そう言われ顔を見合わせてから
「「 はいっ! 」」
と、答えると小町はハーケンダッツのバニラにアタシは雪見大福で陽乃さんにはジャンボもなかをそれぞれに選んで篭に入れた
部屋に戻ると一応布団は敷いてあったけどね
アタシと小町がアイスを食べてたら親父が欲しがり仕方無くアタシの雪見大福を一個、泣く泣く渡したら
「 明日の休憩はサ店でも入ってパフェでも食うか? 」
そう親父がそう言ったらさすが小町、素早い変わり身で
「お父さん、あーん」
そう言って食べさせて自分の分も確保したし
「 おじ様どうぞっ♪ 」
そう言って半分に割ってその半分を親父に渡しているのを見ていた、女性陣が一番後輩の男子社員にパシらせてた
その後いつまで続いたかわからない宴会は、真空パックの馬刺になまりぶしをスライスして切れてるチーズに柿の種わさび味を出した辺りで記憶が途切れている
アタシのマッカン以外は用意した物はなくなり買い足したものも烏龍茶とコーラにカクテル数本残っただけだった
こうして比企谷家の温泉旅行一日目はぶじ?に幕を閉じたのだった